ハイ!ど〜も、バンディーです!!
今回紹介する作品は五条紀夫のミステリー小説【流血マルチバース】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!
タイトルからして気になる作品ですが、作品の五条紀夫もこれからが期待される作家なので要注目です!!
3つの平行世界を楽しめる

概要
- 作者:五条紀夫
- 作品:【流血マルチバース】
- 発売日:2025年12月10日(文庫本)
- 発行所:双葉社
あらすじ
いまは廃墟だけが残された無人の島、その名は龍穴島。そこに隠されているという旧日本軍の財宝を探すべく大型クルーザーで島に向かう一団があった。しかし、龍穴島に到着するや否や、操舵室で惨殺死体が発見される。乗客の一人である菊田耕一は、記憶喪失の妹・紗枝を守るため重大な選択を迫られるが、その選択が彼らの運命を大きく左右することになる。
複数の世界線で繰り広げられる物語がやがて収束する、異色のマルチバース×孤島ミステリー!引用:双葉社
これからが楽しみな作家
今回紹介している【流血マルチバース】の作者五条紀夫はバンディーが注目する作家の1人です。
デビュー作【クローズドサスペンスヘブン】は登場人物が全員すでに死亡している斬新な設定で楽しめました。
【イデアの再臨】も独特な設定があるし、中でもバンディーが好きなのは【町内会死者蘇生事件】これがま〜最高でした!!
まだ未読の方は予備知識無しで読んでみて下さい!五条紀夫の良さが全て詰まってます。
タイトルも独特で設定も斬新だし、作品も読みやすいのが良いですね〜!
これからどんな斬新な作品が生れるのか楽しみです!
龍穴島
今回紹介している【流血マルチバース】の舞台は無人島『龍穴島』、この島は10年前に噴火がありその時の生き残りである耕一と噴火が原因で記憶喪失になった紗枝は主人公でもあります。
物語は龍穴島に隠された財宝を探すべく耕一と紗枝を含む一団は船で向かいますが、その途中で殺人事件が起こるのでした。
一緒に乗船した人達はクセのある人達ばかりですが、全く関係無い耕一と紗枝が何故招待されたのか?と言う疑問浮かんできます。
この龍穴島は何やら普通の無人島とは違い『ある現象』が大きなキーになってきます。
平行世界
今作【流血マルチバース】の最大の特徴はタイトルにもある通り平行世界(マルチバース)なんですね〜。
今と同じような世界だが少し様子が違うのが平行世界、その平行世界が今作では3つ登場します!
Aルート
こちらはミステリー色が強い世界で見立て殺人が起こります。
耕一の視点で描かれており、次々起こる連続殺人で一体どうなるのか?犯人は誰だ!?
Bルート
こちらも主人公は耕一ですが、こちらは連続殺人では無く一緒に島に渡った者達が殺し合いを始めます。
耕一と紗枝は生き延びる為に逃げますが、最後まで生き残れるのか!?
忍術や古武術、剣戟、ダーツ投げ等アクション要素がありまた違った作風を楽しめる。
Cルート
主人公は耕一から紗枝に変わって描かれます。
こちらは紗枝が平行世界の事を理解しており、それを駆使してどのように生き抜くかが楽しめるSF要素が強い世界です。
紗枝が耕一が考えてるよりしっかりしてるし、物語的にもバンディーはこのルートが一番しっくりきた。
共通したルートでいえることは龍穴と呼ばれる穴があり、この穴が別の平行世界と繋がっておりこの設定を上手く活かしている。
この平行世界がどのように収束していくのか?読んでる途中は先が読めずワクワクしました!
最後に
今作【流血マルチバース】は五条紀夫節が炸裂しており文章は相変わらずコミカルで読みやすい。
五条作品好きだが忖度無しに書くと今作【流血マルチバース】は全体の話としてはあまり驚く事は無く普通の物語だった。
平行世界を3つ描いてる事は確かに斬新だがひとつひとつの話も弱くラストも人によっては好き嫌いが分かれるかも!?
新たな試みと毎作違った作風なのは素直に賞賛したい!前回読んだ【町内会死者蘇生事件】があまりにも良すぎた為今作【流血マルチバース】に期待を過ぎた・・・。
ただ!これらも五条紀夫はきっとこれからも面白い作品を生み出してくれるはずなので、これらも要チェックです!
【流血マルチバース】
バンディー的オススメ度
★★★★☆☆☆☆☆☆