ハイ!ど〜も、バンディーです!!
今回紹介する作品は竹本健治の怪談ミステリー【狐火の辻】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!
竹本健治は奇書と名高い【匣の中の失楽】で存在を知りましたが独自の道を行く作家のイメージです!今作【狐火の辻】はどんな出来栄えなのでしょうか!?
怪談とミステリー要素を上手く取り入れた作品
概要
- 作品名:【狐火の辻】
- 作者:竹本健治
- 発売日:2020年1月31日(単行本)
- :2022年1月21日(文庫本)
- 発行所:角川
あらすじ
土砂降りの雨の夜、湯河原の町で起きた轢き逃げ事件。数年後、またも温泉街で生じた交通事故。どちらも犯人逮捕に至らないまま、再び起きた郊外の交通事故では、なぜか被害者が跡形もなく消えてしまった。連続する事故に興味を抱いた刑事の楢津木は、やがて街中で次々に起こる奇妙な出来事や怪談にも繋がりを見出すが捜査は難航。彼はIQ208の天才棋士、牧場智久の力を借り真相解明に乗り出す。
引用:角川
涙香迷宮
今作【狐火の辻】を紹介する前にこのミス1位を獲得した【涙香迷宮】について触れておきます!
バンディーが1番最初に読んだ竹本作品も【涙香迷宮】でした。このミス1位を獲得したから気になったのもありますが、質の高い暗号ミステリーに圧倒のを覚えています!
今作【狐火の辻】にも【涙香迷宮】で探偵役の天才囲碁棋士の牧場が登場するので【涙香迷宮】を読んでおけばより楽しめます。
読んでなくても今作【狐火の辻】から読んでも問題無く楽しめるのでご安心を!
怪談・都市伝説要素
今回紹介している【孤火の辻】はミステリー要素だけでは無く、怪談要素もあるところがバンディー的には非常に良かったです。
ただ無意味に怪談話が語られるのではなく、キチンと作品の内容に関わってくる点も素晴らしかった!!
冒頭でも小学生が怪しい洋館の奥の池で遭遇した手首を切り取ってくる『黒マントの怪人』やタクシーに乗せた乗客が忽然と消える昔からある怪談のような出来事、そして交通事故が起こったのに被害者が消えた事件が主なストーリーになります。
怪談要素も三津田信三【首無の如し祟るもの】のようなホラーとミステリーの融合と言うよりはもっと現実的な怪談なのでより読んだ時にイメージしやすかったです。
複雑に絡み合う事件
今作【狐火の辻】は先ほど紹介した別々の事件が複雑に絡み合っています。
ひとつひとつの謎も解くのが大変なのにそれが3つもあるから読者からしたらかなり贅沢ですね〜!
事件を解こうとしてもどんどん謎の迷宮で迷子になってる感覚に陥ります(笑)
その事件を解くのが刑事の楢津木と他の警察仲間達が仕事終わり居酒屋で探偵団じみたやり取りするのも良かった。
そこで登場するのが冒頭でも紹介した【涙香迷宮】からの牧野です!ガッツリ謎を解くと言うよりは楢津木から事件の話を聞き、ヒントを与えてサポートする感じです。
その時に語られる怪談についての講義も興味深かったのでまだ未読の方はお楽しみに!!
見事にも収束
バンディーが【狐火の辻】で1番良かったのは何気ない謎もストーリーに意味があるし、メインの3つの謎も絡み合い見事に収束する点です!
これ以上書くとネタバレになるので詳しくは書きませんがまさか全く関係ないと思った事が伏線だったとは思わなかったし、ハードルが下がってた分余計に驚きましたね〜!!
ただ歌野晶午【葉桜の季節に君を想う】のような大どんでん返しがあるようは本格ミステリーでは無いので、そのようなどんでん返しを期待すると肩透かしを喰らうのでご注意を!
それでもどんでん返しとは違った丁寧な謎解きできっと満足出来るし、最後も余韻に浸れる終わり方なのもポイントが高いですね〜。
唯一残念なのは作品のページ数が少なかったのでもっと読みたかった点ぐらいですが、ページ数が少ないのに満足度は高かったのでやはり隠れた名作なのかも知れませんね!!
【狐火の辻】
バンディー的オススメ度は
★★★★★★★★★☆