ハイ!ど〜も、バンディーです!!
今回紹介する作品は芦沢央の連作短編小説【嘘と隣人】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!
直木賞候補にもなった今作、惜しくも受賞は逃しましたが候補になったので面白いはず!?
人のいやらしい部分が垣間見える

概要
- 作品名:【嘘と隣人】
- 作者:芦沢央
- 発売日:2025年4月23日(単行本)
- 発行所:文藝春秋
あらすじ
ストーカー化した元パートナー、マタハラと痴漢冤罪、技能実習制度と人種差別、SNSでの誹謗中傷・脅し……。
リタイアした元刑事の平穏な日常に降りかかる事件の数々。
身近な人間の悪意が白日の下に晒された時、捜査権限を失った男・平良正太郎は、事件の向こうに何を見るのか?引用:文藝春秋
直木賞候補
今回紹介している【嘘と隣人】は冒頭に書いた通り直木賞候補になった作品です。
以前紹介した逢坂冬馬【ブレイクショットの軌跡】も同じく候補になった作品でした。
他にも読んでみたい候補作は青柳碧人【乱歩と千畝】もあったし、夏木志朗、塩田武士、柚月裕子の作品もありました。
しかし、一番驚いたのはこの全てのノミネート作品から直木賞受賞は無かった事でした・・・。
厳しい選評だと感じたが、この作品でいいか!っと言った軽い気持ちで選んでいないのが分かり好感は持てました。
ただ直木賞受賞無しのニュースは気になったので、実際に自分で読んで確かめる事にしました!
夜の道標も読んでみるべし!
今回紹介する作品【嘘と隣人】を紹介する前にどうしても外せない作品について軽く書いておきます。
それは【夜の道標】です!
この作品は推理作家協会賞を受賞した作品で、バンディーも以前紹介しましたが非常に印象に残った作品でした。
1996年に起こった事件を描かれますが、連続殺人事件が起こるような本格ミステリーではないが凄く丁寧に描かれています。
感情を揺さぶるいい作品でした。
何故【夜の道標】を紹介したかと言うとこの作品にも登場する刑事の平良が【嘘と隣人】にも登場するからです。
作品の直接な繋がりは無いが、平良と言う人物が多少なりとも分かるので【夜の道標】を読んでおくとより楽しめるはず!?
連作短編小説
今作【嘘と隣人】は全5話で構成されている連作短編小説です。
連作短編小説と言っても書く話にめちゃくちゃ強い関連性がある訳では無いので、その点は注意!
先ほども書いた通り平良が全話共通した主人公ですが、今作【嘘と隣人】では刑事を辞めた後の話になります。
元刑事なので直接的な捜査は出来ないのですが、刑事時代に培われた捜査能力は健在で一般人として推理していく様はまた違った魅力、楽しみがありました!
ひとつひとつの話の切れ味はあり、読みやすいので気にいる話ひとつはあるはずです!?
人の嫌な部分
今回紹介している【嘘と隣人】はタイトルにある通り嘘に焦点が当てられており、芦沢央お得意の嫌ミス仕立てになっています!
良い人かと思われた人物には実は裏の顔があったり、実際にもありそうで怖いし読んでてずっと小さな不快感が続いてました。
あらすじにもあったように、
ストーカー化した元パートナーの話は子供達がかくれんぼしている時に意外な出来事が起こってたり。
マタハラと痴漢冤罪の事件の裏の裏に驚き
技能実習制度と人種差別もリアルである問題に、感じました。
SNSでの誹謗中傷・脅し……。
などなど現在に起こってる社会問題等も盛り込まれてるので、話の内容にもリアルさがありました。
また刑事を引退した平良だが事件に巻き込まれたり相談されたりするが、やはり刑事の時に培った能力は健在でした。
刑事時代に起きた事件も回想として盛り込まれ、現在と過去両方の平良の活躍を楽しめます。
最後に刑事時代の元上司が私立探偵として登場して、2人のやり取りが、何故かバンディーはお気に入りでした。
最後に
今作【嘘と隣人】は刑事引退ごの平良の活躍も見られ、【夜の道標】を読んだ身としては感慨深かったですね〜!
直木賞受賞でも問題無い出来でしたが、若干もの足りなさもありました、二転三転する展開や意外な真相も良かったですが、もう一押し欲しかった。
バンディーの読解力が低いのもありますが、真相ももっと分かりやすく書いてれば素直に驚けたかも!?
読者に考察させる余白も良いですが、その点は人によりけりですね〜。
平良の活躍がまた見れたのは嬉しかったし、また登場する事を願って再開出来る事を願います!
【嘘と隣人】
バンディー的オススメ度
★★★★★★☆☆☆☆
