心に刺さった作品に出会えた!芦沢央【夜の道標】ネタバレ無し感想!!

ハイ!ど〜も、バンディーです!!

今回紹介する作品は芦沢央の小説【夜の道標】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!

今までの芦沢央作品とはひと味違う!?久しぶりに心に刺さった小説に出会いました!!

色々考えさせられ、記憶に残った作品

悲しみ

概要

  • 作品名:【夜の道標】
  • 作者:芦沢央
  • 発売日:2022年8月9日(単行本)
  • 発行所:中央公論新社

あらすじ

あの手の指す方へ行けば
間違いないと思っていた――
一九九六年、横浜市内で塾の経営者が殺害された。
早々に被害者の元教え子が被疑者として捜査線上に浮かぶが、事件発生から二年経った今も、足取りはつかめていない。

殺人犯を匿う女、窓際に追いやられながら捜査を続ける刑事、そして、父親から虐待を受け、半地下で暮らす殺人犯から小さな窓越しに食糧をもらって生き延びる少年。それぞれに守りたいものが絡み合い、事態は思いもよらぬ展開を見せていく――。

引用:中央公論新社

ミステリー要素は薄い

今回紹介している【夜の道標】ミステリー要素は薄く、ミステリー小説と思って期待して読むと肩透かしを喰らうので注意が必見です!

芦沢央『作家生活10周年作品』の作品と銘打たれてる今作【夜の道標】は読み終わったらまさにその通り納得の出来でした。今までの作品はどんでん返しや【火のないところに煙は】のような背筋が凍るような作品もあります。

しかし、今作【夜の道標】慟哭ミステリーってジャンルがピッタリな作品でバンディーも読み終わった後は色々と考えさせられました!『日本推理作家協会賞』を受賞してますが、前年に芦辺拓【大鞠家殺人事件】が受賞しておりそちらは同じ賞を受賞していてもミステリー要素は強かったので、余計に今作【夜の道標】に対してミステリー要素が弱いと感じたのかも知れません!

様々な人物の視点から描かれる

今回紹介している【夜の道標】は色々な人物の視点で物語が進んで行きます、メインは殺人を犯し逃亡中の『阿久津』です、他には『阿久津』を匿ってる中学時代の同級生『豊子』、バスケットボール少年の『桜介』、同じ桜介のチームメイトで親に当たり屋をやらされている『波留』、『阿久津』を追っている刑事『平良』が主な登場人物達です!

通常なら沢山の登場人物達から描かれる作品は各々の情報を整理をするのが大変です、しかし今作【夜の道標】は1人1人の物語は分かりやすかったのが助かりました、よく途中で混乱し分からなくなり読むモチベーションが下がりがちでしたから(笑)

1人1人が感じている事や考えが分かっていく事で物語の全体像が掴めてきて、物語終盤は読む手が止まりませんでした!ただ慟哭ミステリーって公式で書かれているだけあり読むのはなかなかヘビーな作品でした!

時代設定が良い

今作【夜の道標】は現在が舞台の作品ではなく、1998年が舞台の物語となってます、その時代設定はバンディーにはかなり刺さり良かったです!

1998年は物語に登場する桜介、波留と全く同じ年齢でその時代をリアルに肌で感じたのでより物語に没頭出来ました!作中に登場する『スラムダンク』や『DHA』等などどこか懐かしくその当時はリアルだったので今の年齢になりその当時を思い出しながら読んだのでかなりエモかったです!

物語や設定だったりも時代設定はハマっており、波留が行っている当たり屋や阿久津が地下室で匿われていたりと、今はSNSやスマホ等など情報社会が発達しているので今作のような設定はスムーズにはいかなかったと思いましたね〜!

余韻に浸るラスト

今回紹介した【夜の道標】は本格ミステリーみたいな真犯人やどんでん返しは無かったですが、読み終わった後に訪れる余韻は半端なかったです!

決して心や気持ちがスッキリするような作品ではなく、ネタバレギリギリ攻めると真相が判明して読者が晴れやかになると言うよりは読者が考察して余韻に浸るような作品でした。

本来は真犯人やトリックが判明した方がスッキリしますが、今回だけは全く問題無く逆に読者がそのキチンと説明されない部分の『余白』を楽しむ作品だと思ってます。

これは絶対に映像化した方がいいと思いましたね〜!映画化でも大丈夫ですがドラマ化の方がより丁寧に描けるのでベストかも!?できれば日曜劇場でお願いします(笑)

デリケートな問題も扱う

今作【夜の道標】ではデリケートな問題を扱っており、発達障害や毒親障碍者に対する人権等が取り入れられています。もちろん作中の内容に意味があるので納得できますが、終盤に真実が判明していった時はバンディーは唖然としてしまいました・・・。

バンディー自身も発達障害については身近な出来事なので無視できない問題だったので、より読んでいて胸が引き裂けれそうな思い出読みました・・・。1998年だったからこそ扱えた作品であるし、その当時では当たり前だった事が当たり前ではないと思いました。

無知ではいけないと痛感しましたが、自分に関係がない事はやっぱり人は無関心だしバンディー自身も自分が発達障害と関りがあるから意識するが、そうでなかったら発達障害に対して何も気にしてなかった思います。読み手の一人一人に対して呼びかける者もあるし非常に心に突き刺さる作品でした。

【夜の道標】

★★★★★★★★☆☆

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