ハイ!ど〜も、バンディーです!!
今回紹介する作品は赤神諒の時代小説【はぐれ鴉】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!
たまに読みたくなる時代小説、今作【はぐれ鴉】は大藪春彦賞を受賞した事でとても気になったのでチャレンジしてみました!!
大藪春彦賞を受賞したのに納得の作品!

概要
- 作品名:【はぐれ鴉】
- 作者:赤神諒
- 発売日:2022年7月5日(単行本)
- :2025年6月20(文庫本)
- 発行所: 集英社
あらすじ
寛文六年、豊後国・竹田藩で城代一族二十四人殺しという凄惨な事件が起きた。
一人逃げ延びた城代の次男・次郎丸は復讐のため、江戸で剣の腕を磨き、名を変え、叔父で下手人である現城代・玉田巧佐衛門がいる竹田の地を十四年ぶりに踏んだ。長い時を経て再会した巧佐衛門は、兇行を目の当たりにした当時の印象と違い、みすぼらしい容姿で、高位にありながら地位や名誉に関心がない変わり者と周囲から噂されていた。
そして次郎丸は竹田小町と評判の巧佐衛門の娘・英里と出会い、予期せず惹かれていく。恋か復讐か、千々に乱れる心を抱きながらも、煮え滾る復讐心を支えに必ずや叔父を討つと心に誓うのだが……。引用:集英社
時代小説
今回紹介した【はぐれ鴉】はジャンルは時代小説ですが、昔は苦手でしたが大人になってからはすんなりと読めるようになりました。
以前紹介した永井紗耶子【木挽町のあだ討ち】は近年ではピカ一に面白かったですね~!
今作【はぐれ鴉】もバンディー的には近い作風と感じ抵抗無く読めました。
白蔵盈太【実は、拙者は。】ギリギリ時代小説と言える?山田風太郎【明治断頭台】等など面白い作品多いのに気付いたのでこれからも時代小説チャレンジしていきます!
発端の一族二十四人殺し
今作【はぐれ鴉】の物語の発端は主人公次郎丸の父親が城代であった豊後国・竹田藩の城代一族が叔父でもある玉田巧佐衛門のよって皆殺しにされます。
のちに一族二十四人殺しと呼ばれるが次郎丸だけが生き残り後に復讐を誓うのでした。
次郎丸は惨劇を幼いながら目撃しており、優しかった叔父が本当にこんな事件を起こしたのか分からず困惑したまま復讐を誓い生き延びていきます。
東京で才次郎と言う名前に変え剣の修行に明け暮れ成長し、かつて生まれ育った地に剣の指南役として戻ってきて巧佐衛門に対して復讐の機会を窺うのでした・・・。
1人殺しのにも大罪なのに見知った二十四人を殺すとはよっぽどの理由があるはずだとバンディーは考察しながら読みました、ただのサイコキラーなら納得できるが巧佐衛門は二十四人殺しの後に城代になっており14年たった今でも城代のままなのでどうもおかしな人間だとは思えないのです!
一族二十四人殺しが起った本当の理由は一体何だったのか?次郎丸は復讐を果たすのか!?ここいらが楽しみたポイントです。
はぐれ鴉
今回紹介した【はぐれ鴉】主人公は次郎丸であるが、もう一人の主人公はタイトルにもなっている『はぐれ鴉』こと玉田巧佐衛門だと思います!
大罪を起こした人物だから読む前は暴君のようなイメージでしたが、周りからも変わり者だと思われており城代ではあるがその務めは部下に任して自身は城から離れたぼろ屋で娘の英里と共に暮らしています。
水害を防ぐ為の堤防を民と一緒になって作っています、家で野菜を育てたりと普通では考えられない城代ですね~!
次郎丸も道場の指南役をこなしながら復讐の機会を窺うが、そんな矢先に巧佐衛門の娘で剣の達人でもある英里と試合をして段々と心を惹かれていくが復讐相手の娘だという事実が才次郎を悩ませるのでした・・・。
ただ豊後竹田では奇妙な怪異が噂されており、作中にも所々出てくる違和感の正体が終盤に明らかになるようなミステリー的な伏線も張られてるのは嬉しいですね~!
時代小説というより時代ミステリー
今作【はぐれ鴉】は冒頭では時代小説だと書きましたが、所々に張られてる伏線があるのでミステリー的な要素もいい味が出ています。
次郎丸の復讐は果たせるのか?本当に巧佐衛門は二十四人殺しを起こしたのか?真相は如何に?
次郎丸もはぐれ鴉と一緒に堤防を作ったりしている内にはぐれ鴉の人柄の良さが感じられるし、娘の英里の事を考えるとバンディー的には次郎丸にはぐれ鴉に復讐しないでくれ!!って祈りながら読んでいました!!
他にも次郎丸の仲間?で隠密でもある篤丸や次郎丸慕う門下生三人組や忠臣の三宅等々一癖二癖もありますがとても魅力的なキャラクターが多かったのが良かった!
復讐譚ですが重苦しくなっておらず、英里との恋も合わさりとても読みやすい作品になっております!!
物語全体を通して大きな謎がありそれが解明された時は驚きましたし、時代小説は取っつきにくい感じがしますが今作【はぐれ鴉】は始めて時代小説を読む人にオススメ出来る作品です!!
【はぐれ鴉】
バンディー的オススメ度
★★★★★★★☆☆☆
