2024年度暫定No.1小説!?潮谷験【伯爵と三つの棺】ネタバレ無し感想!!

ハイ!ど〜も、バンディーです!!

今回紹介する作品は潮谷験のミステリー小説【伯爵と三つの棺】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!

舞台は日本ではなく1790年代のヨーロッパとなっており、普段読まない部類の作品でしたがめちゃくちゃ面白かったです!!

始まりから終わりまで久しぶりに満足出来た作品!!

島

概要

  • 作品名:【伯爵と三つの棺】
  • 作者:潮谷験
  • 発売日:2024年7月18日(単行本)
  • 発行所:講談社

あらすじ

フランス革命が起き、封建制度が崩壊するヨーロッパの小国で、元・吟遊詩人が射殺された。
容疑者は「四つ首城」の改修をまかされていた三兄弟。五人の関係者が襲撃者を目撃したが、犯人を特定することはできなかった。三兄弟は容姿が似通っている三つ子だったからだ。
DNA鑑定も指紋鑑定も存在しない時代に、探偵は、純粋な論理のみで犯人を特定することができるのか?

引用:講談社

潮谷験

今作【伯爵と三つの棺】の感想を書く前に作者潮谷験と以前の作品について触れておきます。

メフィスト賞を受賞したデビュー作【スイッチ 悪意の実験】はジャンル分けしずらく、あまり読んだ事がない作風なので戸惑いながら読みました(笑)

後半からは思いもよらない展開が訪れたのだが・・・。

次に読んだのが【時空犯】を読みましたが、2018年6月1日千回近く時間が巻き戻ってるみたいで、その原因を突き止める為に物語が動き出します。

タイムリープものでありきたりかと思いましたが、しっかり潮谷節が炸裂していましたが、まだ【スイッチ 悪意の実験】よりは読みやすかったです。

2作品読んだ作者潮谷験の印象は毎作ジャンルが違うがクセのある作品を送り出す作者だな〜と思いました。

人によっては好き嫌いが分かれると思うのでなかなかオススメしにくい作者で以降の作品心配になりましたが、バンディーは今作【伯爵と三つの棺】を読んでみる目が変わりました!

それだけ今作【伯爵と三つの棺】はバンディー的当たり作品でしたし、皆様にオススメ出来る作品となっております。

語り手

今作【伯爵と三つの棺】の語り手で主人公であるクロの視点から語られていきます。

主な物語の舞台は1790年代ですが、クロがその時代を振り返る形で各章ごとに物語が進んでいくんですね〜!

それだけでは無く大きな枠組みで言えば、現代の人が物語の舞台であった跡地や資料、クロの手記?もとに書き記した入れ子構造のような設定も良かった。

フランス革命やナポレオンの名前が作中で登場したりと実際に起こった出来事や人物が出てくるから余計にリアリティがあるように感じた。

若かりし頃のクロと【伯爵と三つの棺】の主な登場人物である三つ子のナガテ、オルシーダ、スタルディオD伯爵が物語のメインですが、他の登場人物達も魅力的なのもステキ!

海外が舞台の作品なので普段は登場人物覚えるの苦手ですが、今作【伯爵と三つの棺】はそこまで登場人物は多くないので助かりました(笑)

重要な人物達の友情や恩師との出会いを経てから三兄弟が城(四つ首城)を改修工事を受け持ち成り上がって城持ちになっていく矢先に、過去に三つ子を捨てた吟遊詩人の父親が会いに訪れた事で物語は動き出します・・・。

この時代設定だからこそ活きる

今回紹介した【伯爵と三つの棺】は現代が舞台では無く1790年代だからこそ、その設定が活きており作品をより面白くしています!

事件が起きた時の捜査方法や今みたいにDNA鑑定や指紋採取などの科学捜査が出来ないからこそ、アナログ的なやり方での捜査していく探偵の大変さや面白みがあります。

おそらく今作での事件が現代が舞台なら科学捜査ですぐに解決するでしょう(笑)それでは流石に面白味に欠ける!

フランス革命や貴族、封建制度崩壊など実際に読んでみて上手くこの時代の設定を取り入れたと感じたし、海外ミステリーがや歴史ミステリー苦手な方こそ読んでほしいですね~!

謎解きとしての面白さ

今回紹介した【伯爵と三つの棺】は歴史ミステリーと感じる人がいると思いますし敬遠される方もいるかもしれませんがどストレートのミステリー小説なのでミステリー好きは必読です!

ネタバレになるので詳細は伏せますが、謎としても二転三転する展開は嬉しかったし、バンディーはある程度予測しながら読みましたが見事に裏切られました(笑)

アナログな捜査だからこそ大変だし、その部分も丁寧に描かれています。

三兄弟の出生の大変さや父親との悲劇的な再会、クロと三兄弟の友情やクロとD伯爵の恩師でもあり友人でもあり兄弟みたいな関係性も読んでいてステキでした。

何より作品としての完成度が高く作者潮谷験の代表作になると信じてますし、バンディー的には滅多につけない満点の評価になりました!

2024年度の現時点での最高の一冊ですし、年末のミステリーランキングでもトップ3には必ずランクインすると信じてます(笑)

潮谷験の今までの作品はクセが強く万人受けしにくいが今作【伯爵と三つの棺】で評価はかなり高くなりました!以降もこのような作風で勝負してくれたら嬉しい。

最後に、今作【伯爵と三つの棺】は騙されと思い読んでみて下さい!損はさせません!!

【伯爵と三つの棺】

★★★★★★★★★★(満点!!)

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