ハイ!ど〜も、バンディーです!!
今回紹介する作品は柴田勝家の民俗学ミステリー!?【カタリゴト 帝都宵闇伝奇譚】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!
初めて読む作者の作品ですが、おもにSF作品を書いてる作者という認識でしたが今作は角川ホラー文庫に初登場で気になって手を取ってみました!
大正ロマンと民俗学ミステリー!?
概要
- 作品名:【カタリゴト 帝都宵闇伝奇譚】以下【カタリゴト】
- 作者:柴田勝家
- 発売日:2024年10月25日(文庫本)
- 発行所:角川
あらすじ
世は大正。
華族・堀井三左衛門男爵が何者かに殺された。
“華族殺し”を追うコロシ専門の探偵・平島元雪はある日、
美しい年少浪曲師・真鶸亭湖月と出会う。
噂の怪人“ムカデ伯爵”と車中から突如消えたバスガール、堀井邸に現れる“黄金幽霊の首”の謎……次々と難事件に直面する平島。
湖月は僅かな手がかりと各地の伝承をもとに、奇想天外な物語〈カタリゴト〉を繰り広げ、さらに道理の縄で括り上げていく――
その結末は全くの嘘偽りか、それとも事件の真相か?
驚愕連発の怪奇事件簿、開幕!引用:角川
大正時代
今回紹介する【カタリゴト】は大正時代が舞台の作品になっております!
大正時代が舞台の作品はいいですよね〜!?
大正ロマンって言葉があるぐらいですからね!
【方舟】で衝撃を与えた夕木春央が描く蓮野と井口コンビが主役のシリーズは大正時代が舞台の作品です。
バンディーも以前紹介した【絞首商會】や【サロメの断頭台】があり大正時代が味わえるミステリーになってます、特に【サロメの断頭台】は面白かったので是非とも読んで頂きたいですね〜!
そして今作【カタリゴト】も大正ロマンを味わえますがかなり独特な雰囲気を醸し出す作品となってます!
連作短編小説
主人公は元華族で探偵の雪平ですが、まだまだ駆け出しの素人探偵って感じが最初はします。
登場時は猫探しをしていますが、だんだんと探偵として少しづつ成長していくのが分かります。
もう一人の主人公と言っても過言ではない、年少浪曲師湖月がかなり印象的でした!
そもそも浪曲師とは何か分からなかったので調べてみたら、三味線を伴奏として独特の節回しで物語を進める人みたいです!イマイチ想像出来ませんが(笑)
そんな浪曲師の湖月がかなり独特なキャラクターで妖艶な人物でバンディーは最後まで男性か女性か分からないまま読んでました(笑)どちらともとれる不思議なキャラクターは久しぶりでした。
湖月は不思議なだけではなく、しっかり作中でも『カタリゴト』を披露してくれます。
伝承、土地、人間3つのヒントを組み合わせ物語を語り、その後でさらに語り直し真相が浮かび上がる構成は面白かった!
全4章色々な事件がある連作短編小説の構成で、最後まで読んでいくと作中を通しての謎があるのもまた良かったです!
様々な怪奇事件が楽しめる作品となっております。
カタリゴト
1章『大正ゾンビ奇譚』2章『ムカデ伯爵と消えたバスガール』3章『黄金幽霊の首』4章『当世巌窟王』かありますが全て独特なタイトルでしょ!?
雪平が体験した事件を湖月に語り直してもらい解決してもらう展開になります。
最初は難解な事件として語られますが、語り直す事で新たな真相が浮かび上がってくる構成が良かったですね〜!
『大正ゾンビ奇譚』で言うと最初は死者が蘇り後日また亡くなるという不可思議な事が起こります。
湖月が語り直す事で、その出来事を違った側面からみる事で真相が浮かび上がるのが良く出来ており、ミステリー要素もあるのがいいアクセントです!
一つ一つの事件も普通の事件と言うよりは奇譚と紹介されてるぐらいなので不可思議な話ばかりです!ただ角川ホラー文庫から出てますがホラー要素はほぼ無いので、怖い話が苦手な人でも読めるのでその点はご安心を!
最後に
今作【カタリゴト】は連作短編小説で一つ一つの話もいいですが、作品全体を通しての謎も楽しめるのが良かった!
ただ若干湖月のカタリゴトは浪曲師として仕方がないですが、内容が難解だった点だけは残念だった・・・。
ミステリー要素はあるがそこまでガッツリは無いのと、ホラー文庫から出てるがホラー要素もあまりない物足りなさはあります。
もしシリーズ化して次作があるなら楽しみかもしれません・・・。
ひと味違った小説が読みたければ【カタリゴト】にチャレンジしてみては!?
【カタリゴト 帝都宵闇伝奇譚】
バンディー的オススメ度
★★★☆☆☆☆☆☆☆