ハイ!ど~も、バンディーです!!
今回紹介する作品は中町信のミステリー【模倣の殺意】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!
中町信は叙述トリックが得意な作家で、前回紹介した作品【天啓の殺意】も同じく叙述トリックを扱た作品でしたが、今作は【天啓の殺意】を超えるトリックだったのか!?
叙述トリックの名手だが・・・
概要
- 作品名:【模倣の殺意】
- 作者:中町信
- 発売日:1973年6月15日(単行本)
- :2004年8月13日(文庫本)
- 発行所:双葉社(単行本)
- :東京創元社(文庫本)
あらすじ
7月7日午後7時、服毒死を遂げた新進作家、坂井正夫。その死は自殺として処理されるが、親しかった編集者の中田秋子は、彼の部屋で行きあわせた女性の存在が気になり、独自に調査を始める。一方、ルポライターの津久見伸助は、坂井の死を記事にするよう雑誌社から依頼され調べを進めるうちに盗作疑惑に直面し、確執のあった編集者を追及していく。著者が絶対の自信を持って仕掛ける超絶のトリック。デビュー長編『新人賞殺人事件』の改稿決定版!
引用:東京創元社
叙述トリック作品
冒頭でも書きましたが今作中町信の【模倣の殺意】は叙述トリックを使用した作品です、以前紹介した折原一の【倒錯のロンド】も有名な叙述トリックですが、この2人は叙述トリックの名手として有名な作家なんですね~!
毎回作品の紹介をする時に悩むのが今作【模倣の殺意】のような叙述トリックを使用したミステリー作品なんですね~!叙述トリックを使用した作品って書くだけでネタバレになりかねないのでいつも悩みながら紹介していってます(笑)
もちろん毎回ネタバレ無しで書いていますが、より作品を読み終わった後に驚いてほしいので極力叙述トリックを使ってますとは書きたくないですが、バンディー自身がそうなのですが案外叙述トリックを使ってる作品ってだけでも読みたくなる人もいるはずなのでネタバレ無しで叙述トリックは使っているよとお知らせし、これからも皆様にご紹介していこうと考えています!!
新進作家坂井正夫の死!
今作【模倣の殺意】は新進作家の坂井正夫の服毒自殺から物語が幕を開けます。そして、2人の人物の視点が交互に行き交いお話しは進んでいきます!
1人は生前の坂井正夫と親しかった編集者の中田秋子の視点で語られていきます、そこに坂井と接触していた女性が何らかの関係があると踏んで調査していきます、秋子は坂井が自殺するはずはないと信じ、何者かに殺されたと思い込みます。
そして、もう1人は新進作家坂井の死を取材していくルポライター津久見伸助の視点で語られていきます、調べていく内に坂井がある作家の作品を盗作した疑惑が浮かび上がってきますが・・・。
このように接点がない2人が交互に話が進んでいきそれぞれの疑惑や問題に立ち向かっていきますが、どちらにも言えることが『坂井正夫』が重要人物だと言う事です!!
2つの話が交わる時・・・
先ほど書いた通り【模倣の殺意】は秋子と津久見の視点で話が進んでいき、それぞれの問題を解決していく楽しみ方が1つあります。
そして、2つの話が解決しだしお互いの話が交わる時【模倣の殺意】の全容が判明していくところはやっぱりミステリーの醍醐味だと思いましたね~!
その真相にはもちろん叙述トリックの名手中町信ならではの驚きの展開が待ち受けているので是非これから読む読者の方はしっかり楽しんで下さい!終盤作者からの挑戦状が読者に突き付けられますがバンディーは恥ずかしながら全部は見抜けませんでした(笑)
発売当時に読みたかった・・・
いざ【模倣の殺意】を読んでしっかり叙述トリックを味わったのですが、読み終えての率直の感想は『リアルタイムで読みたかった・・・』って事でした!!
肝心の叙述トリックなのですが単行本で発売された1973年当時に読んだら斬新に感じたかも知れませんが、今の時代は叙述トリックを使ったミステリーが巷では溢れています。
【模倣の殺意】よりも読んでいて驚く作品、我孫子武丸【殺戮にいたる病】や殊能将之【ハサミ男】等が登場しているのでこれからの作品を読んでから中町信【模倣の殺意】を読んだらどうしてもインパクトに欠けてしまいます・・・。
もちろん中町信の方が1973年に発表しているのでそういった意味では叙述トリックの先人なのでリスペクトはありますが、それでも技術的には時代と共に進化していくのでどうしても劣ってしまうのは否めません。
今回【模倣の殺意】のバンディー的感想はそういった今の時代の叙述ミステリーを読んでの感想になってしまうのであしからず!もしリアルタイムに読んでいたら感想は変わっていたかも知れません・・・。
【模倣の殺意】
バンディー的オススメ度
★★★★★☆☆☆☆☆