ハイ!ど~も、バンディーです!!
今回紹介する作品は染井為人のノワールサスペンス小説!【悪い夏】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!
昔何処の本屋でも猛プッシュされていてずっと気になっていましたが、今さらながらチャレンジしましたがもっと早く読んでおけば良かった!
終始嫌な気持ちになるがついつい読んでしまう不思議な作品!?
概要
- 作品名:【悪い夏】
- 作者:染井為人
- 発売日:2017年9月29日(単行本)
- :2020年9月24日(文庫本)
- 発行所:角川
あらすじ
26歳の守は生活保護受給者のもとを回るケースワーカー。同僚が生活保護の打ち切りをチラつかせ、ケースの女性に肉体関係を迫っていると知った守は、真相を確かめようと女性の家を訪ねる。しかし、その出会いをきっかけに普通の世界から足を踏み外して――。生活保護を不正受給する小悪党、貧困にあえぐシングルマザー、東京進出を目論む地方ヤクザ。加速する負の連鎖が、守を凄絶な悲劇へ叩き堕とす!
引用:角川
横溝正史ミステリ大賞優秀賞受賞作!
今回紹介している染井為人の小説【悪い夏】は『横溝正史ミステリ大賞優秀賞』を受賞した作品です!横溝正史はテレビドラマでお馴染みの金田一耕助が登場する『獄門島』や『八墓村』が有名ですね!
そんな有名作家の名前を冠した賞なので安心感がありますね!以前紹介した川崎草志【長い腕】は大賞を受賞していましたがこちらも面白い作品だったので今作【悪い夏】にも期待です!
序盤は読んでいて気持ちが沈んだ・・・
今作【悪い夏】はノワールサスペンス小説なんである程度犯罪が描かれているとは分かっていましたが読んでいてバンディーは気持ちが沈みました・・・。
登場人物全て不幸もしくは人生が上手くいってない人達が登場します。しかも結構現実味があり妙にリアルなんで余計にキツかった・・・。
メインに扱ってる問題が生活保護で俗に言う『生ポ』で現実でもたびたびニュース等で話題になっていますね!実際に生活が困難な方に支給される制度ですが『不正受給』で騙しとる悪人がおり警察に捕まっています。
今作【悪い夏】は生活保護の不正受給問題を扱ってますが、それ以上に話の展開が大きくなり話に夢中になり読んでいてしまいました!
話の構成が個人的に好き!
今回紹介している【悪い夏】は話の内容自体も面白いですが、バンディー的に気に入ってるのは物語の構成でした!小説で久しぶりに上手い構成だと感心しました!
映画【パルプフィクション】や伊坂幸太郎の小説【ラッシュライフ】のような構成になっており、ついつい話が気になり読んじゃいました。
物語の核心をつくネタバレは無いので簡単に説明すると、各章ごとに話が進みますが今作【悪い夏】が上手なのは序盤は各章ごとに物語の主人公は変わっていくのですが、次の章の主人公は前の章に登場した人物が主人公になっていきます。
これだけ書くと上手さが伝わりにくいですが(笑)前の章に何故か気になるモブキャラみたいな人物がいつの間にかサラッと次の章の主人公になるのがスムーズすぎて驚いた!
これが何回も続いていくのでそりゃ先が気になるし、ただ登場しただけでは無くその人物の背景が分かっていき徐々に関係する登場人物達が少しずつ集まっていくのです!
どうしようもなく救いがない話
今作【悪い夏】の主人公っていう主人公はおらず全員が主人公みたいな話ですが、それでもメインの登場人物は市役所のケーワーカー守がいます、生活保護を受けている人物達を周りそのまま継続していくか面談して決定していく仕事をしています。
そんなリアルな描写を読んでいき決して楽しい話ではないので重い気持ちで読み進めていく事になりますが、テンポはいいのでサクサク読めますし、話は思いもよらない方向に進んでいくので読者を飽きさせません。
守の同僚達も関係していくのですが、冒頭に書いた通り登場人物全員が悪人に思えてきます!ネタバレになるので詳しくは書きませんがあっ!と驚く展開が待ち受けていますし、特に終盤の物語の加速度は是非とも体験して頂きたいですね~!!
映像化希望!
今作【悪い夏】は是非とも映像化して欲しい作品です!じっくり描けるテレビドラマ化でもいいし、スピーディーに駆け抜ける映画化どちらでもいけそうですね!
北野武【アウトレイジ】みたいに全員悪人みたいな描き方でも面白そう!ハッピーな映画では無いので万人受けしづらいですが、きっと鮮烈に記憶に残る作品になる筈!?
【悪い夏】
バンディー的オススメ度
★★★★★★★☆☆☆