ハイ!ど~も、バンディーです!!
今回紹介する作品は北森鴻【凶笑面―蓮丈那智フィールドファイルI―】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!
北森鴻作品は以前紹介した日本推理作家協会賞を受賞した【花の下にて春死なむ】を紹介しましたが、こちらも面白い作品だったのですが他の北森鴻作品が気になったので気になっていた今作【凶笑面―蓮丈那智フィールドファイルI―】を読んでみました!!
民俗学とミステリーは相性がいい!?
概要
- 作品名:【凶笑面―蓮丈那智フィールドファイルI―】以下【凶笑面】
- 作者:北森鴻
- 発売日:2000年5月1日(単行本)
- :2003年1月29日(文庫本)
- 発行所:新潮社
あらすじ
「凶笑面」の封印、解くべからず――異端の民俗学者・蓮丈那智のもとへ届いた一通の手紙。それは、怨念がこめられた、笑う「面」の調査依頼だった。次々と死者を出し、封印された面の謎――。調査をはじめた矢先、床一面に散らばるビー玉の中で、依頼者が死体となって発見された。凶笑面が発見された倉の中で……。これは面の呪いなのか? 封印を解いてはいけなかったのか――。那智の端正な顔立ちが妖しさを増すとき、怪事件の全貌が明らかになる。
引用:新潮社
民俗学ミステリー
今作【凶笑面】は民俗学を上手くミステリーに取り入れた作品でかなり奥深い作品になっていました!発売日当時の2000年では目新しい作品だったと思います!
今ではバンディーが大好きな作品!三津田信三【首無しの如き祟るもの】はミステリーとホラーが融合した本格ミステリーですが、民俗学要素もある作品で少しは理解があるつもりでしたが、今作【凶笑面】を読んでさらに民俗学は奥深いと思いましたね~!
【首無しの如き祟るもの】みたいなホラー要素は無いので怖い話が苦手な人も読めるので安心して下さい!ただ昔のしきたりや風習から謎を考察する不思議な読後感がある作品ではあります!!
短編小説
今作【凶笑面】は長編小説ではなく全5章からなる短編小説となっております、連作短編小説では無いのでご注意を!ただ主人公は共通しているので愛着は湧くと思います。
主人公で民俗学者の蓮丈那智と助手で相棒的役割の内藤三國だけは全編通して登場しますが、那智は凛とした強さが魅力的な女性で反対に三國は那智に振り回される所は読んでいて楽しいこの二人のバランスが丁度いいんですね~。
作品を通して大きな謎がある連作短編小説も好きですが今作【凶笑面】は短編小説ですが、一つ一つ切れ味がある話が多いのでそういった所も短編小説の魅力ですね!!
タイトル『凶笑面』もいいが・・・
先程も伝えた通り今作【凶笑面】は『鬼封会 きふうえ』・「凶笑面 きょうしょうめん』・『不帰屋 かえらずのや』・『双死神 そうししん』・『邪宗仏 じゃしゅうぶつ』の全部で5つの話があります、もちろん今作のタイトルにもなっている『凶笑面』もあります!
タイトルにある話が大抵メインみたいな感じがしますが『凶笑面』も面白いのですがバンディーは『不帰屋』が1番印象に残り面白かったですね~!もちろん他の話もどれも面白かったですが。
『不帰屋』は雪が降る季節に東北で起こった出来事を思い返す形で物語は進んでいくのですが、離れの小屋で依頼人である女性が死んでいてしかも密室なんですね~!ミステリーの定番の設定に嬉しくなりますが、さらにその事件のトリックが秀逸でした!話の内容と相まって今回紹介している【凶笑面】の中では1番良く出来ている話でした!!『不帰屋』がタイトルでもいいぐらい(笑)
少し取っ付きにくいかも!?
今作【凶笑面】は民俗学とミステリーを上手く取り入れた作品ですが、初めて今作を読む方は最初は読みにくいかも知れませんね~。
やはり民俗学を扱った作品なので風習やしきたりだったり専門的な言葉や内容が出てくるので全くそういった知識が無いバンディーは理解するのに時間がかかりながら読んでいたので読むスピードもいつもに比べたらだいぶ遅かったです(笑)
知らなかった事を学びながら読んでいる感じなので高校生の時授業を受けていた時に近かったです、そこまで興味がないけど授業だから聞いとかないといけない、そういった時ほど中々頭に入ってこない(笑)
【凶笑面】の作品自体は面白いので最後まで読んだら一つお気に入りの話が見つかるはずですが、初めて読む方は少し取っ付きにく作品かも知れませんね・・・。
ただ主人公那智が魅力的なのは当たり前ですが相棒の三國も結構好きでこの二人のやり取りはまた読みたいと思いましたね、今作【凶笑面】以外にも作品があるシリーズ作品なので機会があれば他の作品も読んでみたいと思います!!
【凶笑面 -蓮丈那智フィールドファイル1】
バンディー的オススメ度
★★★★☆☆☆☆☆☆