1話1話読み応えがある連作短編集!【花の下にて春死なむ】ネタバレ無し感想!!

ハイ!ど~も、バンディーです!!

今回紹介する作品は北森鴻の連作短編集【花の下にて春死なむ】をネタバレ無しで紹介していきます!

今回も最近読むのにハマっている日本推理作家協会賞を受賞した作品の紹介です(笑)前回は宇佐美まこと【愚者の毒】を紹介しました。派手な仕掛けは無いのですが何とも言えない読後感を味わえた作品でした!さて今回の作品 【花の下にて春死なむ】 は一体どんな読後感が待ち受けるの・・・?!?

バーのマスターが謎を解き明かす!?

概要

  • 作品名:【花の下にて春死なむ】
  • 作者:北森鴻
  • 発売日:1998年11月1日(単行本)
  •    :2001年12月15日(文庫本)
  • 発行所:講談社

あらすじ

人生に必要なのは、
とびっきりの料理とビール、
それから、ひとつまみの謎。

三軒茶屋の路地裏にたたずむ、ビアバー「香菜里屋」。
この店には今夜も、大切な思いを胸に秘めた人々が訪れる――。

優しく、ほろ苦い。
短編の名手が紡ぐ、不朽の名作ミステリー!
第52回日本推理作家協会賞 短編および連作短編集部門受賞作

引用:講談社BOOK倶楽部

【香菜里屋】シリーズ第1弾作品

バンディーは北森鴻作品は遥か昔に多分ですが【メビウス・レター】を読んだ覚えがあるのですが、気持ち的には今作【花の下にて春死なむ】 が初めて読む位の心境です!

第52回日本推理作家協会賞 短編および連作短編集部門受賞作なのでまずそれが気になり読んだのですが、『香菜里屋シリーズ』とシリーズ物だったという事も読み終わってから気づきました!バーのマスターが探偵役としてどのように謎を解くのか?今までにありそうでなかった設定なので期待しながら読み進めました!!

全6話の連作短編集

今作【花の下にて春死なむ】6話で構成されている本作を簡単ですがネタバレ無しで紹介します!

第1話:『花の下にて春死なむ』

第1話は今回紹介する本のタイトルにもなっている表題作です。俳人・片岡草魚が亡くなりそこから起こる謎を草魚と繋がりがあった飯島七緒が解いていくお話ですが、最初バンディーはこの片岡草魚が勝手に主人公と思っていたのですが、途中で 『香菜里屋』のマスター工藤が登場し探偵役として謎を解き明かし所を読んで初めて 『香菜里屋』のマスター工藤 が主人公の作品なんだと気づきました(笑)

第2話:『家族写真』

第2話は貸出本から30枚もの家族写真が挟まれており、その家族写真の謎を解き明かす話です!あまりバンディー的には印象には残らないお話しでしたが、 『香菜里屋』のマスター工藤 は登場しますがさらに新たな登場人物(常連客)が登場し間には食べ物とお酒の描写も描かれています。

第3話:『終の棲家』

第3話はカメラマンの妻木が『終の棲家』という写真で賞を貰うが、銀座周辺でその写真が全て盗まれる事件が起こる! 『終の棲家』 は河川敷の下で暮らす老夫婦を撮影した作品であったが、妻木と老夫婦とのやり取りを 『香菜里屋』のマスター工藤 に打ち明けていく形で話が進んで行きます・・・

バンディーは今作で一番好きで心に響くものがあったお話でした!

第4話:『殺人者の赤い手』

第4話は小学生の間で『赤い手の魔人』という怪談が流行っており、それと並行して女性が殺害された時に出てきた犯人らしき人物も赤い手をしていたと小学生が証言する・・・

ホラーっぽい話かと思いきやちょっとした意外性と最後に解明する事実に驚かされる内容でした!!

第5話:『七皿は多すぎる』

第5話は 『香菜里屋』 の常連客が自分が他人が話しているのを聞いた話の謎を 『香菜里屋』 のマスター含め常連客に話していく形で進んで行きます!その謎は『何故男は何度も鮪だけ7皿だけ食べて店を出ていくのか?』この話はバンディーが読解力が無かったせいか頭の中がスッキリしないまま終わりました(笑)

第6話:『魚の交わり』

最終話の6話目は再び第1話に出てきた 片岡草魚 と飯島七緒が再登場し、またしても今まで知らなかった草魚の過去をする事になります、第1話が最後に最終話で効いて来るとは思いもしませんでした!!

1話1話それぞれの色が出ている作品

今作 【花の下にて春死なむ】 は連作短編集ですがそれぞれ1話事に様々な色が出ているので読んでいて飽きませんでしたが、それより 『香菜里屋』 はビアバーなのでお酒と美味しそうな料理が書かれているのですがミステリー小説でここまで料理とお酒の事を描くミステリーは今まで観た事なかったです(笑)

肝心の謎解き部分も派手な仕掛けやどんでん返しは無いもののしっかり個性がたった6話だったのですが、連作短編集好きなバンディーは天音涼【葬式組曲】伊坂幸太郎【死神の精度】みたいなしっかり繋がりのある連作短編集を期待していたので 【花の下にて春死なむ】 は意外に繋がりがそこまで強くなく驚きも好きなかった部分は残念でしたね~・・・

それでもミステリーと非日常ミステリーの間のような空気感でマスターの工藤が優しくも時折見せる鋭い指摘で謎を解いていく様は読んでいて面白かったです!続編があるのにも納得しました!!

花の下にて春死なむ】

バンディー的オススメ度

★★★★★☆☆☆☆☆

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