ハイ!ど~も、バンディーです!!
今回紹介する作品は朝井リョウの小説【正欲】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!
今作【正欲】は色々と話題には挙がっていてずっと気にはなっていましたがなかなか手がでませんでしたが、文庫化のタイミングでチャレンジしました!
考え方を改める機会になる作品!?
概要
- 作品:【正欲】
- 作者:朝井リョウ
- 発売日:2021年3月26日(単行本)
- :2023年6月日(文庫本)
- 発行所:新潮社
あらすじ
自分が想像できる“多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな――。息子が不登校になった検事・啓喜。初めての恋に気づく女子大生・八重子。ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。ある事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり始める。だがその繋がりは、“多様性を尊重する時代”にとって、ひどく不都合なものだった。読む前の自分には戻れない、気迫の長編小説。
引用:新潮社
朝井リョウ
今作【正欲】の作者朝井リョウは【桐島、部活やめるってよ】の映画が話題になった時に初めて知り、映画はとても素晴らしい出来で同じく原作の映画化【何者】もヒットしました!
【何者】は直木賞も受賞しており、今作【正欲】も柴田錬三郎賞も受賞して名実ともに現代を代表する作家の1人で、これから先の作品も期待しちゃいますね~!
バンディーは基本ミステリー小説が好きなので読む機会があまりなく、原作の映画化を観る方が多かったですがこれからは小説もチェックしようと思いました!
読むのがしんどい・・・
今作【正欲】は『本屋大賞』にもノミネートされていましたが、残念ながら大賞の受賞を逃し4位でしたその年の大賞は以前紹介した逢坂冬馬【同士少女よ、敵を撃て】でした!これは大賞受賞した作品が強すぎるので仕方ない!
ミステリー作品では無いですが、ある意味ミステリー作品よりも衝撃的な内容となってます!確かに帯に書いてる『読む前の自分には戻れない』って事はあながち間違いではないですね~!
内容も明るい話では無いので結構読むのがしんどかったですね~、けど読みながら内容の事を考えついつい読んでしまいました!
人にはそれぞれある・・・・
今作【正欲】の内容は特殊な趣味を持つ人々の話で『◯◯フェチ』って良く聞いたりしますが、人にはそれぞれ好みがあっても勿論良いと思いますが今作【正欲】はそこからさらに斬り込んだ問題作なのかも知れません・・・。
メインの登場人物は3名いますが、そのうちの1人桐生夏月は人には理解してもらえない『特殊なフェチ』を抱えて生きています、決して周りの人間には理解して貰えない、と言う諦めにめ似た胸中が凄く突き刺さります。
夏月と同じような『フェチ』を持つ同級生の佐々木とこの生きずらい世界を生き抜く為に『共同戦線』をはり一緒に歩んでいきます。本人達からしたら当たり前の事だか、他人からするとその特殊なフェチは『変態』と捉えられてしまう。
この本を読んだ時にバンディー自身振り返ってしまいました、今までに自分の許容範囲外の趣味やフェチに対して『おかしい』と思った事はなかったのか?自分には該当するような『フェチ』は無いのか?確かに『フェチ』はあるかも知れないがそれは他の人からしたらどう写っているのか、本当に突き刺さる作品でした。
少年YouTuber
主人公の内の1人寺井啓喜の息子泰喜は小学生ですが不登校になり、引きこもりの生活を送っています。
引きこもり中に同じく小学生のYouTuber(実際にいるYouTuber ゆたぼんを参考にしてると思われます)の影響を受け自身も同じ境遇の友達とYouTubeを始めます、YouTubeがいかにも今時な感じがしますね~!
父親の啓喜はいい顔をしません自身は検事というエリートコースを生きているので不登校になった我が子は『人生のレールから外れた』と思い心配しています。
凄い親の啓喜の気持ちも分かるし、息子の今時な生き方にも賛同できますそういったリアルな描写が子を持つ者としては他人事では無いように感じました、そして泰喜が始めたYouTubeが意外な所で関係してくるのでした・・・。
自分はどの人物に当てはまるのだろうか?
今作【正欲】を読んでいると様々な人の考え方があり何が普通で何が当たり前か分からなくなってきます。
当事者達の視点から描かれていたのが後半では視られていた人の視点からも描かれるのが面白く、分かっているようでも当人の考えを知れば実際は的外れだったりして余計なお節介をかけることもあります、今作で言えば神戸八重子の視点がそれにあたります。
読んでいて何処か煙たい存在ですが考えた時に自分自身が八重子と同じような振る舞いをしていないか不安になりました、今作【正欲】は読んでいる貴方は一体どの人物に当てはまりますか?
普通って何だろう
今作【正欲】は内容が内容だけに楽しく読めるような作品では無いですが、確かに読み終わった後に色々考えてしまうような作品でした。
今の時代色々な生き方や考え方あっていいと思うしこれから先はもっと柔軟にならないと生きづらい世の中になってくるんでしょうね~!
ただひとつ言えるのは自分の考えを押し付けるのはいけないし、自分の当たり前以外の事に対して拒否反応を起こさない事が大切なのかも知れませんね!お互いが理解を示し歩みよる世の中になればいいですね。
作品冒頭の話その時読んだ時の気持ちと読み終わってから改めて読むときっとみる視点が変わってるはずです!後今作【正欲】は稲垣吾郎と新垣結衣主演で映画化されるので、この問題をどのように表現するか楽しみですね~!!
【正欲】
バンディー的オススメ度
★★★★☆☆☆☆☆☆