実在しない名探偵の推理が斬新!?小説 井上悠宇【不実在探偵の推理】ネタバレ無し感想!!

ハイ!ど~も、バンディーです!!

今回紹介する作品は井上悠宇のミステリー小説【不実在探偵の推理】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!

今作【不実在探偵の推理】の面白い点はタイトルに書いてる通り実在しない探偵が推理する不思議な作品ですが、それだけでは無いですね~!

実在しない名探偵の推理方法とは!?

沈黙

概要

  • 作品名:【不実在探偵の推理】
  • 作者:井上悠宇
  • 発売日:2023年6月28日(単行本)
  • 発行所:講談社

あらすじ

「彼女は実在してる。存在が不確かなだけで、ずっと僕の傍にいるんだ」
大学生の菊理現(くくり・うつつ)が思い出のダイスに触れた途端、長い黒髪に白いワンピースの美しい女性が見えるようになった。
現にしか見えない彼女はしかし、ずば抜けた推理力を持つ名探偵。
藍の花を握りしめて死んだ女性、宗教施設で血を流す大きな眼球のオブジェ。
二人に降りかかるすべての謎は解けている。
あとは、言葉を持たない「不実在探偵の推理」を推理するだけ。
水平思考を巡らせて、「はい」か「いいえ」の答えで真実にたどり着け。

引用:講談社BOOK倶楽部

今までにありそうで無かった設定!?

今回紹介している井上悠宇【不実在探偵の推理】は今までのミステリー小説とはひと味違います!!

何が違うかというと名探偵自体が実在しません!名探偵はいますが実在せず登場人物の菊理現にしか見れないというややこしい設定です(笑)

さらにもうひとつ今までありそうで無かった設定が今作【不実在探偵の推理】の面白い点で、現は探偵は見えますが実際に会話は出来ないのでダイスを使って意図を汲み取ります、ダイスの目が1なら『ハイ』、2なら『イイエ』等全てで4つの意思表示しかできずこれからを基に現や登場人物の刑事達は推理していく事になります、『水平思考』と呼ばれるものでこの要素をミステリー小説に取り入れた珍しい作品です!

2つの事件を解決

今回紹介している【不実在探偵の推理】は主に2つの事件が登場し解決していく事になります、藍の花を握りしめていたまま亡くなった女性の謎や宗教施設の巨大な目玉のオブジェクトから流れる大量の血の謎のお話がメインになります。

合間に現に関するエピソードが挟まれ、何故不実在探偵が現れたのか?や現の家族に関する話があり、それらも上手く本編に関係がおるんですね~!

独立した話ではありますが時系列や事件はそのまま引き継がれますので長編小説よりは連作短編小説に近い感じです。内容自体も意外にすぐに読み終えるぐらいのページ数(264ページ)でした!

色々と物足りない・・・

今回紹介した【不実在探偵の推理】『水平思考』や『実在しない探偵』など今までにありそうで無かった要素があるので気になって読んでみましたが色々残念な結果に終わりました・・・。

ネタバレ無しで書くと事件自体は解決しますが、物語の重要な点はスッキリしないまま尻切れトンボのように終わったのは1番許せないですね!

別に続編を匂わす為に色々と謎を残す事に対しては反対でも無いしむしろ大歓迎ですが、今作【不実在探偵の推理】に関してはそんな含みを持たせずに今作でスッキリ終わらした方が好感を持てたし、何なら残す謎の選択がそれじゃ無い感がバンディー個人的に感じてしまいました。

厳しい意見になりますが、バンディーは今作【不実在探偵の推理】『水平思考』の取り組みは上手くいって無い気がしましたし、読んでいてかなり退屈になりました、色々と遠回りな気がするし別に思考ゲームとしても面白く無いですしね。

単純にひとつひとつの話自体も惹かれる事は無く終始退屈な作品でした、もし続編があるとしても多分読むことは無いでしょう。以前紹介した同じく講談社からの紺野天龍【神薙虚無最後の事件】みたいな作品を期待していましたが全く違いました・・・。

今この色々な設定やトリックが飽和したこの時代に新たな試みのミステリー小説が産まれるのは賛成ですが、今作井上悠宇【不実在探偵の推理】は残念ながら上手くはいかなかったと個人的には思いました・・・。

【不実在探偵の推理】

バンディー的オススメ度

★★☆☆☆☆☆☆☆☆

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