ハイ!ど~も、バンディーです!!
今回紹介する作品は三津田信三のホラー小説【逢魔宿り】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!
三津田信三と言えばホラーミステリーの名手ですが、ホラーがメインの作品は久しぶりに読むのでどのような違いがあるのか楽しみです!
最後で繋がってくる連作短編作品!?
概要
- 作品名:【逢魔宿り】
- 作者:三津田信三
- 発売日:2020年9月30日(単行本)
- :2023年3月22日(文庫本)
- 発行所:角川
あらすじ
元編集者で現ホラー・ミステリ作家の「僕」のもとに、昔仕事をしたデザイナー・松尾から連絡が入った。「小説 野性時代」に連載している連作怪奇短篇について、話したいことがあるという。各短篇は、それぞれ他人から聞いた体験談を基に小説化したもので、松尾とは何も関係がないはず。訝りながら家を訪ねた「僕」に、松尾は三十年前の出来事を語りだした。それは、日課の散歩中にある四阿で出会った、怪異譚を語りたがる奇妙な一家の話であった。子供時代に山小屋で遭遇した怪異、障子に映った奇妙な影絵、宿直していた学校で起きた異変。彼らが怪異譚を語るたび、なぜか松尾の近隣で事件が多発し……。
引用:角川
今作は5つのホラー短編
今回紹介している【逢魔宿り】には5つのホラー短編小説で構成されています。表題作の「逢魔宿り」と「お籠りの家」「予告画」「某施設の夜警」「よびにくるもの」です。
1番バンディー的に印象に残った話が2つあり、一つは「よびにくるもの」そしてもう一つは「某施設の夜警」でした、この2つの話しはしっかり恐さを味わえました!
「よびにくるもの」は体調を悪くした祖母の代わりに知り合いの家に行き香典を供えて欲しいと頼まれ代わりに行くのですが、訪ねた家の先で不気味な光景を目にしてから怪異が起こります始めます・・・。
「某施設の夜警」はタイトル通り夜警を行っている時に起きた怪異の話です、某施設とは宗教団体の事でそこである出来事が起こった為に夜警をすることになりますが、その描写が恐ろしくイメージしやすいのでさらに恐さの輪郭がハッキリした話でした!
どれも恐い話ばかりですが、バンディーはさっき書いた2つの話がやっぱり群を抜いて不気味で恐かったです!全体的に恐さは静かな恐さだが芯からジワジワくるような話ばかりであった。
メタ作品?
今回紹介している【逢魔宿り】の語り手は『僕』であり作者三津田信三の事をさしていると思われます!作者自身の情報も挟み込まれておりメタフェイクドキュメンタリー小説の作風になっています。
話も主人公『僕』が人から聞いた体験談をもとに語られていくスタイルとなっています、その分余計にリアルに感じますし基本的に都市伝説が語られる時は『友達の友達から聞いた話なんだけど・・・』ってのが基本なんで今作【逢魔宿り】も同じような感じですね!
ただ先ほども書きましたが恐さが芯からくるタイプなので滅茶苦茶恐い話が好きな方からしたら肩透かしを喰らうかも知れませんね~。
ホラーミステリーを求めてしまう・・・
今回紹介した【逢魔宿り】はホラー小説の連作短編作品となってますが、思ったより話が上手くまとまってなく本の帯に期待したような驚きも味わえず残念な気持ちになりました・・・。
三津田信三と言えばやっぱりホラーミステリーの最高傑作だと思ってる【首無の如き祟るもの】のクオリティーを求めてしまうのでどうしてもそれ以降の三津田作品はハードルが上がってしまいます。
『刀城言邪シリーズ』はまだ読めるのでいいのですが、それ以外の作品はどうしても可もなく不可もない印象になっちゃいます。個人的には三津田信三作品にはホラーミステリーを求めてしまうので、これからはそちらの作品に力を注いでくれたら嬉しいと思います!!
【逢魔宿り】
バンディー的オススメ度
★★★☆☆☆☆☆☆☆