ハイ!ど〜も、バンディーです!!
今回紹介する作品は桃野雑派のミステリー小説【星くずの殺人】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!
表紙とタイトルがインパクトある作品で、以前紹介したエルヴェ・ル・テリエ【異常 アノマリー】とまた違ったパターンですが記憶に残る作品というくくりでは同じですね〜!!
宇宙が舞台のミステリー小説!!
概要
- 作品名:【星くずの殺人】
- 作者:桃野雑派
- 発売日:2023年2月22日(単行本)
- 発行所:講談社
あらすじ
完全民間宇宙旅行のモニターツアーで、念願の宇宙ホテル『星くず』についた途端見つかった死体。それも無重力空間で首吊り状態だった。添乗員の土師(はせ)穂稀(ほまれ)は、会社の指示に従いツアーの続行を決めるが――。
引用:講談社BOOK倶楽部
一癖も二癖もある乗客、失われる通信設備、逃げ出すホテルスタッフ。さらには第二の殺人まで起きてしまう。帰還を試みようとすると、地上からあるメッセージが届き、それすら困難に。『星くず』は宇宙に漂う巨大密室と化したのだった。
前作は江戸川乱歩賞作品!
今作【星くずの殺人】を紹介する前に、前作【老虎残夢】にも軽く触れておきます!
前作【老虎残夢】は江戸川乱歩賞を受賞した作品でバンディーお気に入りの作品です!中国の武侠を取り入れた特殊ミステリーでその扱い方が上手でした。
それだけではなく密室や館や百合等色々な要素が混ざりあった作品でしたが、すんなり読むことが出来ました!デビュー作としては良い出来ではないでしょうか!?
未読の方は是非とも一読していただきたい作品です!今作【星くずの殺人】を読む前でも後でも機会があれば是非!!
宇宙が舞台!!
江戸川乱歩賞受賞後の作品で注目を集める今作【星くずの殺人】ですが、今作は前作とうって変わり日本人がメインの登場人物でしかも舞台は宇宙になります!
デビュー2作目で大きな作風の変更は交換が持てますね〜!成功した前作【老虎残夢】の武侠を扱った設定や中国の舞台を引き継ぎ新作を書いても問題無かったと思いますが、あえて大変な設定を全替えするチャレンジは良いですね!
確かに設定や舞台引き継いで書いたら楽かもしれませんが(それでも大変だと思いますが)、やはり読者は既視感を覚えるし新鮮さは感じないと思います。
前置きが長くなりましたが(笑)今作【星くずの殺人】はタイトルと表紙でなんとなく察しがつくと思いますが、『宇宙』が舞台のミステリー小説となっています!
『宇宙』を舞台にしたSF小説は多くありますが、ミステリー小説はあまり見かけた事が無いのでバンディー的にも楽しみな作品でした!
無重力で起こる事件
今作【星くずの殺人】は近未来の話で民間の格安宇宙旅行のモニターで、宇宙ホテル『星くず』に滞在した時に事件が起こります。
民間の参加者とパイロット、ホテル側の従業員達が『星くず』にはいますが、ある出来事がおき限られた人数で滞在することになり、そして事件が起こります。
ある人物が無重力空間で首を吊っている状態で発されます、ただ地上とは違い無重力で首を吊って死ぬ事が出来ないのに死んでいた謎が残ります。しかも、『他殺』か『自殺』か断定出来ないので皆疑心暗鬼になるのでした。
第2の事件
主人公の土師は参加者を安心させる為とツアーを楽しんで貰うために説明しますが、そこからさらに第2の殺人が起こってしまいます・・・。
だんだんとミステリー小説らしくなってきて先が気になってきます、宇宙が舞台ですがSF小説みたいに難しい言葉だらけで読むのが大変とかは無いので安心してください!ただ、多少は専門的な用語出てきますが作中でキチンと説明してるのでご安心を!
宇宙空間ならではのトリックがあり楽しめました!前作【老虎残夢】とは違った面白さがありましたね〜!映画化とかしても面白いかも!?
登場人物達が良かった
今回紹介した【星くずの殺人】は前作【老虎残夢】同様に登場人物達が魅力的で良かったです!1人1人の背景も描かれるので、何故宇宙旅行に希望したのか等様々な動機がありキャラクターに厚みがましてます!
クセがあり登場人物達ですが皆輝いてましたし、特に女子高生の周と変わり者之政木がいい味だしてました!政木は主人公でいいぐらいでしたね〜!ただ犯人の動機が共感できないのが残念でした・・・。
宇宙が舞台のミステリー小説なので最初は不安でしたが、見事にチャレンジして成功した作者に脱帽です!次回作がさらに楽しみになったし、これからが期待の作家です!!
【星くずの殺人】
バンディー的オススメ度
★★★★★★★☆☆☆