ハイ!ど~も、バンディーです!!
今回紹介する作品は井上真偽の小説【アリアドネの声】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!
井上真偽作品は【その可能性はすでに考えた】以来でその時読んだ作風とは違う作品なので不安でしたが全くの杞憂でした!!
色々な要素を含んだ無駄の無い作品!!
概要
- 作品名:【アリアドネの声】
- 井上真偽
- 発売日:2023年6月21日(単行本)
- 発行所:幻冬舎
あらすじ
救えるはずの事故で兄を亡くした青年・ハルオは、贖罪の気持ちから救助災害ドローンを製作するベンチャー企業に就職する。業務の一環で訪れた、障がい者支援都市「WANOKUNI」で、巨大地震に遭遇。ほとんどの人間が避難する中、一人の女性が地下の危険地帯に取り残されてしまう。それは「見えない、聞こえない、話せない」という三つの障がいを抱え、街のアイドル(象徴)して活動する中川博美だった――。
引用:幻冬舎
崩落と浸水で救助隊の侵入は不可能。およそ6時間後には安全地帯への経路も断たれてしまう。ハルオは一台のドローンを使って、目も耳も利かない中川をシェルターへ誘導するという前代未聞のミッションに挑む。
色々なジャンルがある作品
今回紹介している作品【アリアドネの声】は地震で崩壊した地下都市から制限時間6時間で女性を避難させるパニック小説の要素と、幼少期に兄を事故で亡くした主人公ハルオの成長譚でもあります!
なんと言っても最大の特徴は地下都市で遭難した女性中川は『見えない、聞こえない、話せない』3つの障害を抱えており、そんな孤立している彼女を災害が起こった地下都市から一体どのように救出するのか?ミステリー要素としては中川は本当に障害を抱えているのか?と言った疑惑が浮かび上がります。
一つの作品で色々なジャンルが含まれているので飽きることなく、久しぶりに非常にテンポよく読めた作品でした!
某名作ミステリーと被った!?
今回紹介している作品【アリアドネの声】のあらすじを最初みた時某名作ミステリーが頭に浮かびました!
閉ざされた空間からの脱出、水没から逃れるための制限時間、そしてミステリー要素やどんでん返し要素があるので夕木春央【方舟】を思い浮かべましたね~!
【方舟】は各ミステリーランキングを席巻した作品で必ず驚かされる作品です!読む前は被ってましたが読み終わった後は全く別の作品だった事に気づきました!
ドローンが主役!?
崩壊した地下都市から脱出しただけでも困難なのに、『見えない、聞こえない、話せない』障害を抱えている女性が避難するのは不可能に近い気がします。
人が救出に行けない危機的状況から中川を救出するのはなんと!ドローンなのです!!ドローンが今作【アリアドネの声】の主人公と言っても過言ではないと思います。
最初の技術を搭載した高性能ドローンが一体どのように救出するのか、中川を救出している間はずっと緊張感がありました!ドローンをメインに使用するあたりが今っぽいですね!?
違和感と伏線
今作【アリアドネの声】は一見パニック小説がメインな気がしますが、ミステリー小説好きな人も楽しめる要素が含まれているので安心して下さい!
障害を抱えた中川は実は詐病ではないか?と言った疑問が徐々に強まっていきます、その真実がどうなっているのかとそれまでに散りばめられた伏線が見事でした!
中川の疑惑は炎上系YouTuber登場等で強まり一般の人達も知ることとなり不穏な空気が流れ始めます、そんな気になる部分があるままからのラストの締め方は見事でした!しっかりそれまでの伏線を回収してどんでん返しも炸裂してますからね~!
読み始めた時は【方舟】的な展開を危惧していましたが、全く違った展開で安心しました(笑)色々なジャンルを含んだ作品で唯一無二な感じもします、読後感も最高で読みやすい作品何で色々な方に読んで頂きたいですね~!!ただ畳み掛けるような謎を期待しているかたには少し物足りないかも知れないのでご注意を!
【アリアドネの声】
バンディー的オススメ度
★★★★★★★☆☆☆