ハイ!ど〜も、バンディーです!!
今回紹介する作品は永嶋恵美のミステリー小説【檜垣澤家の炎上】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!
明治時代の横浜が舞台の物語だが、ミステリーだけではなく色々な要素が混ざった壮大な作品でした!!
ミステリーとしてもヒューマンドラマとしてもよく出来た傑作!
概要
- 作品名:【檜垣澤家の炎上】
- 作者:永嶋恵美
- 発売日:2024年7月29日(文庫本)
- 発行所:新潮社
あらすじ
横濱で知らぬ者なき富豪一族、檜垣澤家。当主の妾だった母を亡くし、高木かな子はこの家に引き取られる。商売の舵取りをする大奥様。互いに美を競い合う三姉妹。檜垣澤は女系が治めていた。そしてある夜、婿養子が不審な死を遂げる。政略結婚、軍との交渉、昏い秘密。陰謀渦巻く館でその才を開花させたかな子が辿り着いた真実とは――。
引用:新潮社
妾の子
今回紹介している【檜垣澤家の炎上】は主人公のかな子が檜垣澤家で生き抜く為に成り上がっていく物語が描かれています。
作品紹介に『細雪』と『華麗なる一族』と書かれてますが、すいませんがバンディー勉強不足で両作品読んでないのでいまいちイメージしづらいまま読みましたが楽しめました!
だから両作品読んでない方も安心して読んでみて下さい!バンディー的には女性版『半沢直樹』の方がしっくりきました(笑)
主人公のかな子は富豪一族檜垣澤家の当主が家の外で作った愛人の子どもです。母の死後かな子は檜垣澤家に引き取られる事になりますが、その父も脳卒中で寝たきり状態になっています。
父の世話係のような形で檜垣澤家で暮らす事になりますが、当然妾の子なので色々と風当たりも強く苦労していきます。
使用人のような扱いで父の世話をしていたが、その父も亡くなってしまいここからが本当にかな子が生き残りをかけたサバイバルが始まって行くのでした・・・。
生き抜く
檜垣澤家の当主である父が亡くなっても事業は問題なくいってます、その理由は父の妻でもある大奥様のスヱの存在が大きいのでした!
かな子からしたら父の妻であっても血の繋がりは無く、言ってしまえば赤の他人ですしかし、父の亡き後もかな子は檜垣澤家で暮らしてくことになります。
スヱの存在と影響力は大きく檜垣澤家の絶対権力でかな子にとっとはラスボス的な存在でもあります。だからといってかな子に嫌がらせなどはすることなくどっしり構えてるから余計に恐ろしい(笑)
スヱの子どもは2人おりさらには孫も3人にいるのでかな子が正式な檜垣澤家の後とりになる余地は全く無いですが、用済みになれば捨てられ路頭に迷う事になるので生き残る為に必死に生き抜く決意をするのでした。
かな子は妾の子ですが、年齢的にはスヱの孫より年齢が下なので余計ややこしい立ち位置です。ここまで読むとジメジメしたかな子いじめが沢山ある作品と思われますが、その逆でたくましく生き抜くかな子に読者の方が元気づけられるのでした!
ミステリー要素
今作【檜垣澤家の炎上】は成り上がりサバイバル的な作風が強いが、しっかりミステリー要素もあるのでミステリー好きも楽しめます!
檜垣澤家の蔵で起きた火災で婿養子の辰市が亡くなるがそれが本当に事故なのか謎が残ります、皮肉な事にその火災をかな子が発見しいち早く知らせた事で被害は最小限に抑える事が出来『命の恩人』として使用人から格上げして少しづつ成り上がります。
他にも政略結婚や家の中での陰謀や落とし入れられたり様々な騒動に巻き込まれますが、その度に上手く立ち回りたくましく成長していく姿にワクワクしながら読みました。
バンディー的には1番好きなキャラクターで檜垣澤家にも出入りしていた書生西原の存在が大きかったですね~!
敵か味方かも分からない存在ですが、ミステリアスな存在感と大事な時に登場したりとかなり魅力的でいいアクセントにもなってました!
登場する人達全員いい味が出てるのも素晴らしい!
終盤の展開は驚きもあり怒涛の展開なのでお楽しみに!ラストも続きが気になったがあの終わり方がベストだったのかもな〜・・・。
NHKの大河ドラマで長期的に放送してもいいぐらいでページ数も約800ページある大作ですが飽きる事なく読める傑作小説です!!
【檜垣澤家の炎上】
バンディー的オススメ度
★★★★★★★★★☆