ハイ!ど~も、バンディーです!!
今回紹介している作品は横山秀夫の短編小説【陰の季節】をネタバレ無しで紹介しいきたいと思います!!
今や警察小説と言えば横山秀夫って言われるほど大御所になりましたが、そんな横山秀夫のデビュー作が今回紹介する【陰の季節】となっております!
違った視点からの新たな警察小説!?
概要
- 作品名:【陰の季節】
- 作者:横山秀夫
- 発売日:1998年10月30日(単行本)
- :2001年10月10日(文庫本)
- 発行所:文藝春秋
あらすじ
警察一家の要、人事を担当する二渡は、天下り先ポストに固執するOBの説得にあたるが……。警察小説の新たな地平を拓く話題作
引用:文藝春秋
刑事が主人公じゃない!?
今回紹介している作品【陰の季節】は警察小説でありながら刑事が主人公ではありません!警察小説の主人公と言えば刑事っていう固定概念を打ち崩したのが横山秀夫だと思っています!
今の時代(2022年現在)ではそういった認識は変わってきたと思いますが、当時リアルタイムで読んでいた人達は衝撃を受けたのではないでしょうか!?
今作【陰の季節】は短編小説ですが、刑事ではなく警務課調査官という管理部門の人達にスポットライトを当てています。横山秀夫作品以外にも今野敏の【隠蔽捜査シリーズ】も同じように管理部門の人物達がメインの作品なのでこの両作者の作品は要チェックですね~!!
全4話構成
ここからは今作【陰の季節】は短編作品で全4話で構成されているので簡単ではありますがそれぞれあらすじとバンディーの感想を書いていきます!
1話:陰の季節
警務課調査官の主人公二渡は警察OBの天下り先の人物が任期を迎えたはずだが、急に辞めないと言い出しその真意を窺うが事態は思わぬ展開を迎える・・・。
1話目は今作【陰の季節】の表題作になっているお話しです、毎回思うのは本のタイトルになっている話は1番注目した方がいい話だと思い気を引き締めて読んでいます。
警察OBの天下り問題を取り上げながら、奔走する二渡だが今まで読んだ事がない警察小説ながらきっちり最後にはミステリー要素を解決し普通の警察小説では無いと感じましたね~!!
2話:地の声
2話の主人公新堂が所属するD県警の監察課に生活安全課に勤務する警察官がパブのママと不適切な関係だと告白文が届く。 その件について新堂はかつての部下を使い調べていくが・・・。
普通の警察小説なら殺人事件を追いますが、監察課という普段聞かない警察の部署のお話しでも、二転三転する展開で飽きずに読ませる力は流石でした!!
3話:黒い線
引ったくり犯の目撃情報から犯人そっくりの似顔絵を書いて逮捕に貢献した巡査の瑞穂。しかし、マスコミに取り上げられヒーロー扱いされた翌日に無断欠勤し消息不明になってしまった瑞穂、普段の勤務態度からは考えられないはずだが警務課の友子が行方を探捜す事になるが・・・。
このお話しは現実でもよく聞く警察の似顔絵を描く警察官にスポットライトが当たっています、何故瑞穂が失踪したかを調べていく内に驚き?呆れ?の真実が徐々に判明していき、未だに警察という村社会では男性が優位で女性軽視と言った古臭い考えに読んでてため息が出ました。
4話:鞄
警務部秘書課の柘植は議員の定例会議での『議会対策』を担当しています。そんな中鵜飼議員が定例会議で警察に対して『爆弾』(警察のスキャンダル)を落とすと言う噂を聴きます。当日いきなり爆弾を落とされ返事が出来ないと非常に困る為、鵜飼に内容を窺いに行くが・・・。
この話は各々の保身に走っている感じがし、最後には嫌な感じが残りますが、読んでいて思ったのはドラマ『半沢直樹』が頭をよぎったのでこの話はドラマ映えしそうな内容でした!
1度は読んでおいた方がいい!?
今作【陰の季節】は警務課に焦点が当てられ今までと違った新しい警察小説の可能性を提示しており、同じく今野敏【隠蔽捜査シリーズ 】のお陰で今ではこういった警察小説は当たり前になったの非常に大きな功績だと思います!警察小説が好きな方は必ず1度は読んでおいた方がいいですよ~!
殺人事件では内容でしっかり読ましてくれ、しっかりミステリー要素や人間関係を描く事で飽きない話を紡ぐ横山秀夫には天晴れです!(笑)あと、今作は短編小説ですがちょくちょく違う話の登場人物が顔を出すので連作短編小説って言ってもおかしくは無いかもしれません。
横山秀夫は他にも【半落ち】・【64】・【ノースライト】と言った名作がいくつもあるレジェンドなので今作【陰の季節】が気にいったら是非読んでみて下さい!!
【陰の季節】
バンディー的オススメ度
★★★★★★☆☆☆☆