ハイ!ど~も、バンディーです!!
今回紹介する作品は城平京のミステリー小説【名探偵に薔薇を】ネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!
今作【名探偵に薔薇を】は長編小説ですが、1部と2部で構成されておりこの2部構成が上手く活かされている作品であります!!
何度も翻弄された作品!!
概要
- 作品名:【名探偵に薔薇を】
- 作者:城平京
- 発売日:1998年7月24日(文庫本)
- 発行所:東京創元社
あらすじ
怪文書『メルヘン小人地獄』がマスコミ各社に届いた。その創作童話ではハンナ、ニコラス、フローラが順々に殺される。やがて、メルヘンをなぞったように血祭りにあげられた死体が発見され、現場には「ハンナはつるそう」の文字が……。不敵な犯人に立ち向かう、名探偵の推理は如何に?
引用:東京創元社
虚構推理だけではなかった!?
今回紹介する【名探偵に薔薇を】の作者城平京の作品を読むのは今作で2作品目になります!初めて読んだ作品は本格ミステリ大賞を受賞した【虚構推理 鋼人七瀬】でした!
【虚構推理 鋼人七瀬】はアニメ化や漫画化になっている人気シリーズで前々から気になっていたのと、乙一の【GOTH リストカット事件】や摩耶雄嵩【隻眼の少女】等面白い作品が受賞していたので期待して読みましたが、好き嫌いが分れる作品で残念ながらバンディーには合わなかったです・・・。
人気シリーズ【虚構推理 鋼人七瀬】が合わなかったので今作【名探偵に薔薇を】は若干読むの不安でしたが、2部構成と内容も面白そうだったのチャレンジしてみました!
毒薬を巡る物語
今作【名探偵に薔薇を】読む前は不安でしたがいざ読み始めると先が気になり余計な心配でした!バンディーと同じように【虚構推理】が苦手な方も安心して読めるとおもいます(笑)
今作は2部構成なので簡単にそれぞれのあらすじを書いておきますのでよければ参考にしてみてください!!
第一部: メルヘン小人地獄
第一部にはタイトルにもある『メルヘン小人地獄』という童話が登場します。その内容は非常に気味が悪い内容なのですが、何と現実世界でもその童話通りに殺人が起こってしまいます。
見立て殺人が起きる所は本格的ミステリーっぽさがあり雰囲気が出てます、そして何よりも今作でもっとも重要な『小人地獄』という劇薬があります!作り方も作中に書かれていますが身の毛もよだつような製造方法なのです。
『小人地獄』は0.1g程の少量でも人を殺せてしまいしかも無味無臭で飲み物に混ぜて使用したこともバレない完全犯罪できる完璧な毒薬なのです、しかし、そんな完璧は毒薬にも欠点があります!その説明は後ほど。
第一部の主人公三橋と三橋が家庭教師をしている藤田家の住人達が事件に巻きこまれる、思いもよらぬ秘密が判明していきます。今作の名探偵瀬川が登場し当然のように見事に解決して第一部終了になります。
第二部: 毒杯パズル
第二部は第一部から数年経っていますが、何と三橋が家庭教師をしていた藤田家で『小人地獄』を使用した殺人事件が発生してしまいます。
しかもその『小人地獄』の使用方法が異常なんです!先程書きましたが適切に使用すれば完璧な毒薬ですが、そんな『小人地獄』は使い方を間違うと致死量の20倍を使用するととてつもなく苦くなりとても飲み込めなくなってしまうという欠点があるのです!
第二部では藤田家のポットに致死量の20倍以上の『小人地獄』が入っていたのにも関わらず死人が出てしまったという事がポイントなんです!普通なら飲み干す事は不可能な筈なのに・・・。
やはり1番のポイントは『小人地獄』を理想的な毒薬の最も下手な使い方をしたって事ですね!この部分は個人的にめちゃくちゃ突き刺さった謎でした!
第二部では名探偵瀬川が主人公で話が進むが終盤はかなり驚かされました!
最後まで読めない展開!
今作【名探偵に薔薇を】は2部構成が非常に活きている作品で1部で起こった事が2部で非常に密接に関わってくるんですね~!!
久しぶりに読んでいて最後の着地も読めなかったですし、二転三転する展開に翻弄され楽しませて頂きました!【虚構推理】の時とはえらい違いですわ(笑)
個人的には第一部と第二部それぞれに登場人物の表があったのは良かったです!こういった細かな気遣い他の作品でもあったらいいのに!
特にタイトルにもある名探偵の瀬川の描き方がクールで良かったですが今作【名探偵に薔薇を】ってタイトルも気になってきませんか・・・?
【名探偵に薔薇を】
バンディー的オススメ度
★★★★★★★☆☆☆