ハイ!ど~も、バンディーです!!
今回紹介する作品は神永学のミステリー小説【ラザロの迷宮】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!
印象的な本の表紙と帯に書かれている煽り文に惹かれて読むことを決めた作品ですが、初神永作品なのでその点も楽しみですね~!
謎解き脱出ゲームの筈が惨劇に変わる・・・
概要
- 作品名:【ラザロの迷宮】
- 作者:神永学
- 発売日:2023年9月19日(単行本)
- 発行所:新潮社
あらすじ
湖畔にある洋館を友人と共に訪れた月島。殺人事件の犯人を当てる、脱出型の謎解きゲームが開催されるという。だが、男女8人の参加者たちの前で、本当の殺人が起きる……。戦慄の最終章に備えよ!
引用:新潮社
初神永作品
今回紹介している作品【ラザロの迷宮】の作者神永学と言えばやはり代表作として【心霊探偵八雲】シリーズが有名で気にはなる作家でした。
けれども多分バンディー的には合わない作品だったので敬遠していましたが、今作【ラザロの迷宮】は発売前から気になってたのとずっと人気シリーズが続いていると言うことは需要がある訳なので本当に神永作品は面白いのか確かめる意味も込めて読むことに決めました!
謎解き脱出ゲームのはずが・・・
今回紹介している【ラザロの迷宮】は主人公の月島は『謎解きゲーム』が開催される為に館を訪れます、本格的ミステリーには定番の館とその見取り図等キチンとマナーを押さえた作品です。
近頃よくある『脱出ゲーム』だとゲーム感覚で楽しめるのでいいのですが、今回はもちろんミステリー小説なのでゲームと思っていたイベントで殺人事件がおき事態は一変します。
ゲーム内では『3件の殺人事件が起こる』と名言されており、犯人を指摘するまでは館から出る事が出来ず次々と殺人事件が起きる中でも色々と推理していきますが、最後には思いもよらない展開が待ち受けます!
平行して進むパート
【ラザロの迷宮】は先ほど紹介した月島の『謎解き脱出ゲーム』パートともう1つ刑事の沙和と精神科医でもある刑事久賀のコンビのパートが終盤まで交互に描かれていきます。
記憶喪失の青年が刃物を片手に血塗れで警察に訪れ保護されます、自分の血ではないので誰を傷つけているかも知れないので事情聴取を行っていきますが、記憶喪失の為に取り調べも難航していくなかで久賀の催眠療法で記憶を取り戻す作業を進めていきます。
沙和のパートではもう1つある女性が失踪したので行方を探して欲しいと相談に来られ、沙和の相棒が引き継ぎ捜査を続けますがこの事件も後に関わってくる重要な事件になるとは・・・。
終盤になると記憶喪失の青年の事が徐々に判明してきて沙和パートの真相も明らかになってくると同時に月島のパートとリンクし始めてからは怒涛の展開を迎えます!!
2つのパートが交わる
今作【ラザロの迷宮】は先ほど書いた通り2つのパートが交互に描かれていきそれぞれの話にもある程度のオチは描かれます、そこからさらに2つのパートが交わる事で今作【ラザロの迷宮】の本領を発揮します!
ネタバレになるのは詳しくは書けないので是非ともご自身で体験して頂きたいです!どんでん返しの連続で驚愕の真相もあるのでミステリー好きな方は楽しめるはず!?
神永学作者20周年を記念した作品でありますが、いつも【心霊探偵八雲】のイメージしか無かったので今作【ラザロの迷宮】みたいな作品も書けるのかと驚きましたが、以前紹介した知念実美人【硝子の塔の殺人】と同じ感じがし普段本格ミステリーを書かない作者が挑戦するのが良いことですよね!?
やっぱり神永学は【心霊探偵八雲】や色々な作品を書いており作者生活20周年なのでキャラクターや文体は安定してるのでそのへんは流石だなって思いました。
最後に
今回紹介した【ラザロの迷宮】ある程度は楽しめたのですが、最後にバンディーが感じた気になる点を書いておきますので未読の方は参考にして下さい。
月島パートは本格ミステリー要素も楽しめましたが、中盤ぐらいには月島に関する秘密に気付いてしまいましたが、ミステリー好きな方は早い段階で気付いてしまうと思います!
最大の要因は洋画のミステリー【アイデンティティ】にトリックが酷似していた点でこの部分だけは許せなかったですね~!多分【アイデンティティ】観た方はすぐに気付くはず!?
今のご時世やはりトリックはどうしても似たり寄ったりになるのも理解出来ますが、ここまで酷似しているのは・・・、この問題はミステリー小説界隈での今後の命題かもしれませんね。
【ラザロの迷宮】
バンディー的オススメ度
★★★★★☆☆☆☆☆