終末監獄で発生する謎!【死と砂時計】ネタバレ無し感想!!

ハイ!ど~も、バンディーです!!

今回紹介する作品は鳥飼否宇のミステリー小説【死と砂時計】をネタバレ無しで紹介していきます!!

今作【死と砂時計】第16回本格ミステリ大賞は受賞した連作短編小説です!本格ミステリ大賞は以前紹介した摩耶雄嵩【隻眼の少女】櫻田智也【蝉かえる】も受賞しているので本格ミステリ大賞受賞作品って聞いたら安心感がありますね(笑)

最後に待ち受ける強烈な一撃!?

概要

  • 作品名:【死と砂時計】
  • 作者:鳥飼否宇
  • 発売日:2015年1月9日(単行本)
  •             :2017年5月12日(文庫本)
  • 発行所:東京創元社

あらすじ

死刑執行前夜、なぜ囚人は密室状態の独房で殺されたのか? どうして囚人は、人目につく満月の夜を選んで脱獄を決行したのか? 墓守が一度埋めた死体を掘り返して解体した理由は――。世界各国から集められた死刑囚を収容する特殊な監獄で次々と現れる不可思議な犯罪。外界から隔絶された世界の謎を、シュルツ老人と助手の青年アランが解き明かす。終末監獄を舞台に奇想と逆説が横溢する渾身の連作長編。

引用:東京創元社

監獄内で起こる奇妙な事件

今作【死と砂時計】は死刑が確定している囚人が集まる監獄内が舞台となっており、犯人・被害者が全員囚人という特殊な設定での作品となっています!

【死と砂時計】はプロローグとエピローグとは別に全6章で構成されている連作短編小説で各話事に事件は解決しますが、最後の章で謎が繋がってくる作りなので最後の最後まで楽しめました!

簡単ではありますが各章の簡単なあらすじを書いておきます!

  1. 魔王シャヴォ・ドルマヤンの密室:死刑が確定している囚人が密室の状態で死んでいるのが発見される、死刑が確定しているのに何故殺されたのか?
  2. 英雄チェン・ウェイツの失踪:脱獄不可能な監獄から中国人のチェ・ウェイツはどのような方法で脱獄して今は何処にいるのか?
  3. 監察官ジェマイヤ・カーレッドの韜晦:看守を取りまる退官間近の監察官カーレッドが調査をしている最中に死んでおり犯人は一体誰なのか?
  4. 墓守ラクパ・ギャルポの誉れ:変わり者の墓堀のラクパは墓を掘り返し死体の両腕を切り落とす所を目撃される、一体何故そんな事をしたのか?
  5. 女囚マリア・スコフィールドの懐胎:収監されて妊娠不可能な状態なのに一体どのように妊娠したのか?想像妊娠か?マリアは処女のはずだが・・・
  6. 確定囚アラン・イシダの真実:主人公アランが起こした罪の真相と驚愕の事実が待ち受ける・・・

以上が各章の簡単なあらすじです!どれも奇妙な事件ばかりですね!

探偵と助手

【死と砂時計】は監獄が舞台のと特殊な設定下なので普通のミステリーのような探偵と助手役がいるわけでなく代わりに死刑が確定している囚人、シュルツ老人とが探偵役本作の主人公アランが助手役を務めています!被害者も犯人も探偵・助手役も全員囚人って言うのもあまり見た事無かったので新鮮でした!!

ほとんどの話でシュルツが謎を解いていきますが、時たまにアランに問いかけたり叱責したりし各話を追うごとに師弟関係みたいなものが産まれてきておりそういった部分も楽しむ一つのポイントですね~!

この二人の関係性はとても重要で物語に深くかかわってくるので、お互い死刑は確定しているのでいつ執行されるか分からない怖さがありどちらかが物語の途中で退出する可能性を考えながら読んでいました!各6話とも一筋縄ではいかないトリックが多かったので読んでいて飽きはしなかったです!!

最後の一撃・・・

【死と砂時計】は各6話ともに興味深い話しばかりでしたが今作は連作短編小説なので本全体を通して話が繋がってくるんですね~!特に最後の6章は『確定囚アラン・イシダの真実』とタイトルにある通り今作の主人公アランの過去と謎が明らかになるのでこの章で物語は大きく動くことが予想は出来ました!

しかし、思っていた予想を上回る謎の回収があり色々な事が繋がってくるのはお見事でしたが、最後の章は今までの章から一変してちゃぶ台返し1歩手前ぐらいの強引さは感じられました(笑)ま~作品全体の謎は一般のミステリー小説に比べたらぶっ飛んでいますが、第6章はそれが顕著に表れていましたね~!

しかし、最後のエピローグで語られる真相で今までの事が可愛く感じるほどの強烈な1撃が待ち受けているのでくれぐれもこれから読まれる方は気を抜かないように最後まで読んで下さいね・・・

【死と砂時計】

バンディー的オススメ度

★★★★★★★★☆☆

-