ハイ!ど〜も、バンディーです!!
今回紹介する作品はガレス・ルービンの小説【ターングラス 鏡映しの殺人】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!
ありきたりな小説に飽き飽きしてきた方にはピッタリの1冊となっています!!
前から読むか?後ろから読むか!?
概要
- 作品名:【ターングラス 鏡映しの殺人】
- 作者:ガレス・ルービン
- 発売日:2024年9月19日(単行本)
- 発行所:早川書房
あらすじ
1881年イギリス、エセックスのターングラス館で起こった毒殺事件。事件解明の鍵は、館に監禁された女性が持つ一冊の本にあるという。一方、1939年アメリカ、カリフォルニアでは推理作家が奇妙な死を遂げる。彼は、死ぬ間際に58年前の毒殺事件の物語を書いていた。
引用:早川書房
面白い作りの本
今回紹介している【ターングラス 鏡映しの殺人】はバンディ一目惚れして読むのを決めた作品です!
何がすごいかと言うと本の作りにあります!!前からと本を逆さまにして後ろから読める仕様になっており、それぞれ話が違うので1冊で2度美味しい思いが出来ます(笑)
年代も場所も違う話ですがそこにはある仕掛けが隠れており、それぞれの話の伏線が張られており真相が浮かんでくるんですね〜!ミステリー好きにはたまらない構成ですね!?
ただ今作【ターングラス 鏡映しの殺人】の作りを知った時にある作品を思い出しました!
それが叙述トリックの名手折原一のミステリー小説【倒錯の帰結】です、この作品も前から読むか後ろから読むかそれぞれ違う話を楽しめます。
・・・ん?全く今回紹介している【ターングラス 鏡映しの殺人】と同じじゃねぇ〜か(笑)
折原一の【倒錯の帰結】は2000年に発売されてるので今作【ターングラス 鏡映しの殺人】が後に発売されてるのでこれはどうとらえたらいいのか?
オマージュか折原一作品を参考にしたのか?真相は闇の中・・・。
2つの物語
今回紹介している【ターングラス 鏡映しの殺人】は冒頭でも書いた通り2つの違う年代、場所での出来事が書かれています!
ネタバレ無しで簡単に紹介しておきます、一応バンディーが読んだ順番で紹介しますが、もしこれから読まれる方は自分が先に読みたいと思う話からで読んで頂いて問題ありません!!
エセックス編
最初に読んだ『エセックス編』は1881年イギリスのエセックスにある島での出来事が描かれています。
主人公は医者のシメオンが体調が悪い叔父オリヴァーを診る為にターングラス館を訪れます。ガラスの部屋で監禁されている叔父の義理の妹フローレンスの存在がかなり重要なのが分かります。
そこで登場する1冊の小説も物語の鍵になっていますが、その内容は1939年カリフォルニアにあるガラスで出来た屋敷に住んでいる一家の話が書かれていました・・・、何故未来の出来事が?
未来の出来事を記した小説も気になりますが、物語的にもオチのあるミステリー小説としても読むことが出来ました。
カリフォルニア編
お次は1939年カリフォルニアが舞台の『カリフォルニア編』ガラスで出来た屋敷に住んでいる一家が重要な役どころで登場します。
主人公の俳優志望のケンはガラス屋敷でのパーティーにひょんなことから参加する事になり、持ち主の息子で小説家のオリヴァーと出会います。
だんだん2人は仲良くなってきますが、ある不幸な出来事が訪れます。
そこから登場するのがオリヴァーが書いた小説で1981年のエセックスを舞台にした作品です・・・。
事件の真相が判明していくごとにこちらの話も驚きがありましたが、バンディーはカリフォルニア編は悲しさが勝りましたね〜。
あともう一押し!?
実際に2つの作品を通して読んだら確かに面白かったですね〜!
最初は同じ名前の登場人物がいたりして頭が困惑しましたが、読んでいくにつれ2つの話に共通点があることに気づきました。
確かに2つの作品の謎や伏線真相が絡み合う構成は良かったが、バンディー的にはあともう一押し欲しかった!
まずなんとなく真相が浮かび上がり分かるの分かるが、やはり理解しづらいのが難点でした!!
今作【ターングラス 鏡映しの殺人】も伊坂幸太郎【ラッシュライフ】の様に色んな要素が上手く絡まりあい真相がもっと明確に浮かび上がった方がスッキリするし、ミステリーに慣れてない方も読みやすくもっと間口が広がったのに・・・。
しかし、このご時世に書籍に仕掛けを施し読者に勝負を挑んできた今作【ターングラス 鏡映しの殺人】には拍手を送りたいです!
もっとこんなチャレンジ精神がある作品が出てきたらもっと小説も面白くなるのになぁ〜。
【ターングラス 鏡映しの殺人】
バンディー的オススメ度
★★★★★☆☆☆☆☆