ハイ!ど~も、バンディーです!!
今回紹介する作品は青崎有吾の短編小説【早朝始発の殺風景】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!
青崎有吾の作品は以前紹介した【水族館の殺人】に続いて2作品目でしたが今作【早朝始発の殺風景】も高校生が登場する作品なんで同時高校生だった時の記憶が蘇るような作品でした!
短編というより連作短編小説!?
概要
- 作品名:【早朝始発の殺風景】
- 作者:青崎有吾
- 発売日:2019年1月4日(単行本)
- :2022年1月20日(文庫本)
- 発行所:集英社
あらすじ
青春は、気まずさでできた密室だ。始発の電車で遭遇したのは普段あまり話さない女子。二人は互いに早起きの理由を探り始め……(表題作)。部活の引退日、男同士で観覧車に乗り込んだ先輩と後輩。後輩には何か目的があるようだが(「夢の国には観覧車がない」)。不器用な高校生たちの関係が小さな謎と会話を通じて少しずつ変わってゆく。ワンシチュエーション&リアルタイムで進行する五つの青春密室劇。
引用:集英社
5つの短編+α
今作【早朝始発の殺風景】は高校生が主役の短編小説で5つ(+エピローグ)のお話で構成されており、ミステリー要素もありますが青春要素の方が強く読後感も非常に良かったです!
同じ高校生が主役の乙一のミステリー小説【Goth リストカット事件】とは全く正反対の作品ですね~(笑)【Goth】の方はミステリー色が強い作品でどんでん返しもありバンディー的にもオススメの作品なので1度読んで頂きたい作品の1つです!
話がそれましたが今作【早朝始発の殺風景】は各お話がワンシチュエーション(場面展開がない)の密室劇で出来ておりキャラクターのやり取りが読んでいて面白かったしあまり読んだことがない作風だったので新鮮な気持ちで読めましたね~。5つの作品1つ1つ魅力的な作品達でした!
構成
簡単ですが各構成とバンディー的感想を少し書いておきます!
『早朝始発の殺風景』
ガラガラの早朝電車の中でのクラスメートの腹の探りあいお互い何を隠しているのか・・・
今作の表題作で中心的な作品で、タイトル通り早朝の始発電車で二人きりになったクラスメート同士のやり取りが描かれていますが、会話のはずがしっかりミステリー作品になっていましたし、読んでみてタイトルの殺風景にも納得でした!
『メロンソーダ・ファクトリー』
女子高生3人がファミレスでいつも通りダベりながらクラスのTシャツのデザイン案について話あうが途中で意見が割れ雰囲気が悪くなるが・・・
この話は特にバンディー自身も学校帰りに友達とファミレスで何をするでもなくずっとダベってたのを思いだし懐かしい気持ちになりました(笑)もちろんこのお話はクラスのTシャツの話だけではなく終盤にしっかりオチをつけてくれます!
『夢の国には観覧車がない』
部活の引退記念で部活のメンバーと一緒に遊びに来て、後輩と男二人きりで観覧車の中でのやり取り後輩の真意とは?
夢の国にディズニーランドが舞台じゃないのとタイトルも秀逸でしたね~!観覧車の中での結末も甘酸っぱい!
『捨て猫と兄妹喧嘩』
両親の離婚で離ればなれで暮らす事になった兄妹、半年ぶりに会って兄に捨て猫の事で相談するが・・・
この話は思春期の両親の離婚って現実でも起こりうる事を通して兄妹の絆を描いていますが、捨て猫問題の真相を知った時今作【早朝始発の殺風景】の中でも一番驚いたお話でした!
『三月四日、午後二時半の密室』
卒業式を欠席した友達の為に自宅まで卒業証書を渡しに行くが、普段ほとんど接点が無いクラスメートとの会話が思わぬ方向に・・・
この話も学生時代あるあるですし、卒業式っていう特別な日の出来事。もちろんオチもしっかりあり読後感も良かった!
『エピローグ』
必ず今までの5つのお話を読んでから読んで下さい!この『エピローグ』がある事によって今作【早朝始発の殺風景】は短編小説から連作短編小説になっているのでバンディー的には必要だったと思いますし、この『エピローグ』がある事によって評価が上がったぐらいです!
学生時代に読みたかった
今作【早朝始発の殺風景】は読み終わって思いましたが『学生時代に読みたかった!』って思える程青春小説にもなっていますしバンディー自身の学生時代にも『そういう事あったな~』って思いだしながら読んでいたので皆様の心にも突き刺さるのではないでしょうか!?
以前紹介した【黒牢城】で見事直木賞を受賞した米澤穂信の作品で『小市民』シリーズがありますが、今作一番最初の物語『早朝始発の殺風景』は同じような雰囲気のある作品ですので『小市民』シリーズも面白いので是非読んでみて下さい!
今作【早朝始発の殺風景】はWOWOWでオリジナルドラマ化するみたいなんで、映像化する事でどのようになるのか楽しみですね~!!
【早朝始発の殺風景】
バンディー的オススメ度
★★★★★★★★☆☆