ハイ!ど〜も、バンディーです!!
今回紹介する作品は櫻田智也のミステリー小説【失われた貌】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!
これからが期待される作者の新境地が垣間見れる意欲作で、しかも初長編ミステリーなので楽しみですね〜!!
重厚なミステリーが楽しめます!!

概要
- 作者:櫻田智也
- 作品:【失われた貌】
- 発売日:2025年8月20日(単行本)
- 発行所:新潮社
あらすじ
山奥で、顔を潰され、歯を抜かれ、手首から先を切り落とされた死体が発見された。事件報道後、警察署に小学生が訪れ、死体は「自分のお父さんかもしれない」と言う。彼の父親は十年前に失踪し、失踪宣告を受けていた。無関係に見えた出来事が絡み合い、現在と過去を飲み込んで、事件は思いがけない方向へ膨らみ始める。
引用:新潮社
櫻田智也
今回紹介している【失われた貌】の作者櫻田智也について軽く触れておきます。
櫻田作品を初めて読んだのは連作短編小説【蝉かえる】でした。
この作品は『日本推理作家協会賞』と『本格ミステリ大賞』をダブル受賞しており、この作品の評価の高さが窺えます!
バンディーも読んで以前にも紹介しましたが、確かに面白く櫻田智也=【蝉かえる】のイメージが強くあります。
【蝉かえる】はシリーズ作の第二弾になるので、出来れば前作【サーチライトと誘蛾灯】を読んでおく方が良いですが、そのまま【蝉かえる】だけ読んでも問題は無いので気になった方は是非とも読んでみて頂きたいですね〜。
そんなこれから先が期待される作者の初長編ミステリー作品となれば、期待せずにはいられませんね!?
警察小説
櫻田智也の初長編ミステリー【失われた貌】は警察小説の要素が強い作品となっています。
主人公は刑事の日野なのですが、脇を固めるキャラクターも個性的で皆いい味を出しています。
日野の部下の女性刑事も生意気だがしっかりした刑事で日野を支えており頼もしいし、生活安全課で警察学校からの同期等の関係性もよく、警察という特殊な組織を描いており色々な楽しみ方ができます。
武骨な警察小説と言うよりはまだ読みやすい警察小説で、警察署同士の縄張り争い?や上下関係等良くある警察小説あるあるもあり、刑事ドラマに近い感じがしました。
過去の事件
今作【失われた貌】ではあらすじにあるように、顔を潰され、歯も抜かれ手首から先が切り落とされた身元不明の死体が発見される所から始まります。
ここまで身元を判明させたくない程遺体を損傷させるとこからみても、きっと何か重大な秘密があるんだろうな〜!ってミステリー好きな方なら勘繰ってしまいますよね!?
ネタバレでは無いので書きますが、やはり何かあると思ってた通り、この身元不明の遺体は十何年も前に失踪届けが出されてた人物かもしれないとう情報が寄せられるのでした・・・。
ここから物語は動きだし、色々な登場人物・出来事が交差するのでした。
捜査
過去の事件と現在の事件を捜査していく事になり、思いも寄らない展開、出来事が起こり出します。
この部分はネタバレになるので是非とも皆様で読んで楽しんで頂きたいと思います!
バンディーの感想としては事件や伏線も良かったが人間関係や登場人物の印象が強かった。
同期の人物は警察学校からの顔見知りだが、警察学校時代に起きたある出来事がより2人の関係性を際立たせていた。
特に主人公日野との関わりで良かったのは、捜査している時に出会うバーのマスターでした。
捜査の時に初めて会った時と日野が改めて1人で訪れた時の会話のやり取りが、バンディー的には読んでて1番好きであった!
伏線や真相よりもバーのマスターとのやり取りが読み終わった後も1番印象に残ってるし、読まれた皆様もきっとそう思うはず!?
ハードルを上げすぎた!?
今作【失われた貌】はミステリー小説としての質は高く読み応えのある作品で楽しむ事ができました!
ただ!帯に書かれているバンディーが毎度毎度注意喚起している、過剰名煽り文は要らなかったと思いました!!
『本物の伏線回収とどんでん返しをお見せしましょう』と書かれてますが、このせいでハードルを上げすぎており余計に読み終わった後の感想に悪影響を与えています!
確かに伏線やどんでん返しもあるがそこまででは無く、ミステリー好きな方はある程度オチは予想出来ると思います。
これだけが本当に残念だ!!
ただ、作品としての質は高く非常に楽しめるので未読の方は安心して読んで下さい、作者櫻田智也の新たな試みは成功だったと思います。
【失われた貌】
バンディー的オススメ度
★★★★★★★☆☆☆
