ハイ!ど~も、バンディーです!!
今回紹介する作品は近藤史恵のミステリー小説【凍える島】をネタバレ無しで感想を書いていきます!
今作は以前紹介した【リラ荘殺人事件】の作者鮎川哲也の名前を冠した『鮎川哲也賞』を受賞した作品で【凍える島】がデビュー作となります!!
デビュー作なので仕方がないがモヤモヤした作品
概要
- 作品名:【凍える島】
- 作者:近藤史恵
- 発売日:1993年9月1日(単行本)
- :1999年9月24日(文庫本)
- 発行所:東京創元社
あらすじ
得意客ぐるみ慰安旅行としゃれこんだ喫茶店〈北斎屋〉の一行は、瀬戸内海の真ん中に浮かぶS島へ。かつて新興宗教の聖地だった島に、波瀾含みのメンバー構成の男女八人が降り立つ。退屈する間もなく起こった惨事にバカンス気分は霧消し、やがて第二の犠牲者が……。孤島テーマをモダンに演出し新境地を拓いた、鮎川哲也賞受賞作。
引用:東京創元社
孤島を舞台にしたお約束のテーマだが・・・
今回紹介する作品【凍える島】はお客さんと従業員と共に孤島に旅行に起こるのですがそこで事件が起こります!まず孤島の時点で何か事件が起こるのがミステリーではお約束ですでにフラグが立っていますね(笑)
早速第一の事件が起こりこちらも密室殺人でしかも遺体が奇妙な状態になっています、これだけで既にミステリー好きの方は気になるんではないでしょうか!?もちろん『お約束』通り2つ目の事件が起き連続殺人事件が起きます。『孤島、密室、連続殺人』等々期待は高まるのだが・・・。
そこまで真相には驚けなかった自分がいる
先ほど書いた通り【凍える島】にはミステリーには大事な『お約束』が詰め込まれていましたがトリックや終盤の真相が判明した時は申し訳ないですがそこまで心の底から驚かなかったんです・・・。事あるごとに書いていますが歌野晶午【葉桜の季節に君を想うということ】を始めた込んだ時の衝撃が凄かったのでどうしてもそれと比べてしまいますがその本を読んでいなかったとしても今作【凍える島】には驚かなかったかもしれません。
1993年に発売された作品なので目新しさはないですがそれだけが原因ではなく、設定が色々と残念でした・・・。
かつては新興宗教の聖地だった孤島が舞台なんで新興宗教が何かしらの意味やガッツリ関係してくるのかと思っていたんですがなんともスッキリしないモヤモヤした気持ちになりました。設定が上手く活かされていない気がさしましたね~。
そもそも人間関係がいまいち掴み辛かったり(バンディーだけかもしれませんが)、わざわざややこしくすることで余計に分かりずらく真相もスムーズに入ってこなかったですね~。これが無駄をなくしシンプルに物語が描けていたらまた違った感想になっていたと思います・・・。
分かりづらい単語
一番読んでて気になり辛かったのは単語の表記の仕方でした!コーヒーをコオヒイと表記したりビールをビイルと表記したりこういった感じでカタカナでの表記が非常に詠みづらかったです!
昔の時代の文体を意識したのかそれとも何かしら今作【凍える島】のトリックに関わりがあるのかと思ったのですが全く意味がなく肩透かしを喰らいました(笑)この分かりづらい表記も読み終わったあとのモヤモヤする原因の1つでした!
最後に
今作【凍える島】は第4回の鮎川哲也賞を受賞していますが、同じ候補に以前紹介した貫井徳郎【慟哭】があるのですがバンディー的にはこちらの【慟哭】の方がどんでん返しや驚きの方が上だったので、こちらが鮎川哲也大賞を受賞した方が納得出来たくらいです・・・。
ハードルが高くなっていた部分もありますがそれでもまっさらな状態で読んでも感想は変わらなかった気がします。ただ近藤史恵の【サクリファイス】は大藪春彦賞を受賞した自転車ロードレースが題材の作品ですがミステリー要素もあり今回紹介した作品【凍える島】よりも【サクリファイス】を断然オススメします!
【凍える島】
バンディー的オススメ度
★★☆☆☆☆☆☆☆☆