ハイ!ど〜も、バンディーです!!
今回紹介する作品は新名智の作品【虚魚】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!
今作【虚魚】はホラー作品ですが、ミステリー要素もあるので怖いのが苦手なか方もまだ読みやすいと思います!
本物の怪談を求める理由は・・・

概要
- 作品名:【虚魚】
- 作者:新名智
- 発売日:2021年10月22日(単行本)
- 2024年11月25日(文庫本)
- 発行所:角川
あらすじ
怪談師を生業としている三咲は、体験した人が本当に死ぬ怪談を探している。相棒は「呪いか祟りで死にたい」というカナちゃんだ。新たな怪談が見つかると、死ねるかどうか確かめてくれる。そうして”本物”を見つけたら、あの男に復讐ができる。
ある日、カナちゃんが「釣ると死ぬ魚」の噂を聞きつける。静岡県のある川の河口付近で見たこともない魚を釣った人が、数日のうちに死んでしまったというのだ。類似する怪談を知らなかった三咲は、噂の発生源を辿って取材を始める。すると、その川沿いには不思議なほどに共通点を持った怪談が伝わっていることが分かってきた。これは偶然か、それとも狗竜川には怪異の原因が隠されているのだろうか。もしや、この怪談を追えば、ついに”本物”に辿り着けるのではないか?
“本物”の怪談の気配を感じ、三咲は調査にのめりこんでいく。しかし、うまくいくということは、カナちゃんが死んでしまうということだ。自分はそれを望んでいるのだろうか――?引用:角川
新名智
今作【虚魚】を紹介する前に作者新名智について少し触れておきます。
新名智作品を読むのは初めてでは無く、以前に紹介した【雷龍桜の殺人】を既に読んでいます。
【雷龍桜の殺人】を先に読んだのは今作【虚魚】とは違い本格ミステリーだったからです。
今作とは全く毛並みが違ったので新名智作品が気に入ったら【雷龍桜の殺人】も是非ともチャレンジしてみて下さい!!
ホラーもミステリーも書けるバンディーが好きな作家なので、これからの作品にも期待したいと思います。
怪談
さてここからが今作【虚魚】の感想について書いていきたいのですが、今回紹介している【虚魚】は怪談を扱った作品なのでジャンル的にはホラーになります。
ただ冒頭にも書いた通り、そこまでホラー要素は強く無いのでホラー苦手な方も気軽に読めると思います。
主人公の美咲は怪談師を生業として生きており、色々な怪談を集めています。
作中には色々な種類の怪談が披露されており、それを読むのもまた楽しかったですね〜。
バンディーが今回紹介した【虚魚】の中で1番興味深く思ったのは、何故美咲が怪談師として怪談を集めてるかと言うと・・・
人が死ぬような本物の怪談があると、美咲が恨むべき人間を間接的に殺せるからです。
ホラーミステリー
先ほども書きましたが今作【虚魚】ジャンルはホラーだがミステリー要素もあるのでただ怖いだけの作品にはなっていません。
そもそも今作は横溝正史ミステリ&ホラー大賞の大賞を受賞しているので、実際に読んでみて受賞したのにも納得でした。
主人公美咲の他にも謎が多い居候カナちゃんの存在も大きい!
カナちゃんには自殺願望があり、実際に美咲が探した呪われそうな怪談を躊躇なく試しているのが恐ろしい。
死にたいカナちゃんと本物の呪いを探したい美咲なんとも言えない関係性です。
ミステリー要素は美咲の過去も関係しており、怪談、呪いの要素も相まって終盤は意外な展開が良かったですね〜!
近年は雨穴【変な家】や三津田信三作品のようにホラーだけでは無くミステリー要素があるのが必須になってくるのかも!?
最後に気になった点を書いておくと、ホラー要素の怪談もそこまで怖く無いのと、作品紹介で泣ける感動ミステリとあったがそれは無いな・・・
【虚魚】
バンディー的オススメ度
★★★★☆☆☆☆☆☆
