ハイ!ど~も、バンディーです!!
今回紹介する小説は深水黎一郎【美人薄命】です。作者の深水黎一郎の作品は【最後のトリック】がよく書店で目にしますが、バンディーが初めて読んだのは【五声のリチェルカーレ】で独特の構成?トリック?印象を受けた作品でした!それ以来の久しぶりの深水作品を紹介していきます!
婆ちゃんと青年のやり取りに隠された出来事とは・・・
概要
- 作品名:【美人薄命】
- 作者:深水黎一郎
- 発行日:2013年3月20日(単行本)
- :2016年4月14日(文庫本)
- 発行所:双葉社
あらすじ
孤独に暮らす老婆と出会った、大学生の総司。家族を失い、片方の目の視力を失い、貧しい生活を送る老婆は、将来を約束していた人と死に別れる前日のことを語り始める。残酷な運命によって引き裂かれた男との話には、総司の人生をも変える、ある秘密が隠されていた。切なさ溢れる衝撃の結末が待ち受ける、長編ミステリー。
引用:双葉社
婆ちゃんと青年の交流
今作【美人薄命】は数少ない老婆がメインの作品で各章のタイトルも老婆にまつわる題名がつけられています。
主人公の総司は1人暮らしの老人にお弁当を届けるボランティアを始めてその届け先にもう1人の主人公タエが住んでおり徐々に交流を深めていくのです。
現代パートと時折タエの過去のパートが挟まり長ら物語が進んでいくのですがガッツリミステリーを期待している方は若干肩透かしを喰らうかもしれません・・・
ミステリーと言うよりは総司とタエのやり取りがメインでそこに気持ちミステリー要素が加わっている小説って思って頂いた方が余計なハードルを上げずに今作【美人薄命】を楽しめるかと!
気になる部分も多かった
【美人薄命】ではボランティアの給食センターで働く人達も登場するのですが、特に代表の人物と主人公総司が気になっていた昔のクラスメイトの設定が作中で述べられるのですがこの設定が全く必要無かったように感じました・・・
伏線のような思わせ振りな事が描写されていましたが結局読み終わった後もその事に対して回収するような事もなくバンディーの中ではスッキリしないまま終わったので『その設定本当にいる!?』って思っちゃいました。
もう一点は会話の中で所々ギャグを挟んでくるのかもですがま~それが寒くて寒くてわざとそうしてるのか?ってぐらいにスベっていました(笑)
主人公の総司の設定が大学生だからなのか話し方がチャラくて薄っぺらく感じなかなか集中して読むことが出来ませんでした・・・
映像ならギャグ等お笑いの要素は視覚と聴覚で感じれますが、小説となると読んで自分の中で変換しないといけないのでなかなか難しい問題ではありますよね?
以前読んだ早見和真【店長がバカすぎて】はギャグがふんだんに盛り込まれましたがバンディーは十分笑わせてもらいましたし作品の完成度も高かった作品です!難しいとはいずれギャグミステリーなるジャンルが生まれる日が来るかもしれませんね~!!
最後の最後でミステリー要素が炸裂する!
冒頭に書いたように今作【美人薄命】はガッツリミステリー作品ではないので殺人事件等は起きたりせず、ずっと平坦な感じで話しは進んでいきます。
何故いるのか分からなかったタエの過去の回想も物語終盤で意味が判明し、ミステリー要素も加わりそれまで平坦だった物語が一気に加速していき、二転三転するので最後の最後は楽しめました(笑)
主人公総司の成長物語でありタエの五十治を想う恋物語でもあります!
今回紹介した【美人薄命】は小説ですが老人が主人公の作品ってあんまり見ないですが、以前紹介したクリント・イーストウッド作品【運び屋】と【グラントリノ】どちらも老人が主人公の作品ですがなかなかに面白かったので興味がある方は観てみては如何でしょうか!?
映画【運び屋】の紹介記事はこちらです!!
映画【グラントリノ】の紹介記事はこちらです!!
【美人薄命】
バンディー的オススメ度
★★★☆☆☆☆☆☆☆