今までと違ったアプローチのミステリ小説!高野結史【奇岩館の殺人】ネタバレ無し感想!!

ハイ!ど~も、バンディーです!!

今回紹介する作品は高野結史のミステリー小説【奇岩館の殺人】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!

宝島社文庫作品今まで読んできましたがベスト3に入る面白さでしたね~!!

ミステリー作品の設定を上手く活かした小説

孤島

概要

  • 作品名:【奇岩館の殺人】
  • 作者:高野結史
  • 発売日:2024年2月6日(文庫本)
  • 発行所:宝島社

あらすじ

殺人事件が起きるお決まりの作品と思いきや・・・

今回紹介している高野結史【奇岩館の殺人】『館』ってタイトルについているので本格ミステリーを期待してしまいますが、ある意味間違っては無かったですね~!ミステリー小説お決まりの殺人事件がもちろん起こりますが今作は一味違うんです!

あらすじに書いていますが、金持ちの依頼人が『探偵』となり殺人事件を解決していくゲームなのですがそのゲームは実際に殺人事件が起きるとんでもないゲームなんですね~。参加者も闇バイトとして登場人物の役割を演じます、運営から詳細は知らせれないものや運営の人間も進行をスムーズにいかすために参加しています!

主人公の佐藤も知り合いがある日行方不明になり捜していたらこの闇バイトに行き当たり『マーダーゲーム』に参加する事になりました。佐藤は詳細は一切知らされず最低限の情報だけで参加するのですが、実際に殺人事件が起きてから物語は動き出します。

誰が犯人?誰が探偵?

今作【奇岩館の殺人】はミステリー小説ですが、作中ではそれぞれが役割を演じ『マーダーゲーム』が進んで行き本来なら明確な探偵がいますが今作ではその探偵すら誰が演じているのかも分からない状態です!それと同時に殺人を行っている犯人の正体も分からないんですね~!主人公の佐藤同様読者も同じ感覚で本を読んでいく事になります!!

佐藤は最初の殺人事件が起きた時に今回参加したゲームが『本当に殺人事件が起こるゲーム』だという事を理解します。ミステリ小説定番の見立て殺人が起こる事を察した佐藤は次は自分が殺される『被害者』の役割かもしれないと気づき一刻も早く探偵役を探し出し『マーダーゲーム』を阻止するために動き出します!

探偵と犯人両方探し出さないといけないのでかなり大変ですが佐藤も命がかかっているので必死です!しかし、佐藤はミステリーマニアでもあるので鋭い洞察力で事件を解き明かしていきます!一番探偵役にふさわしかったです(笑)ただ佐藤には基本的に『何もするな』と運営側から支持されているのであまりにも派手な動きをすると『消されてしまう』ので注意が必要です・・・。

読者は佐藤と運営側の人間の描写もありどちらの心境も分かるので読んでいて両者の攻防も把握できるのと、今までにあまり読んだ事のないタイプの作品なので読んでいて面白かったです!!

コメディ要素もあり

【奇岩館の殺人】作品の内容で言えば連続殺人事件が起こるので恐ろしような作品と思いますがミステリーな苦手な方も安心して読める内容となっています!もちろんミステリー作品なので殺人事件も起こりますがそれよりも作中にコメディ要素が随所にちりばめられているのでクスっとしながら読めます。

以前紹介した大滝瓶太【その謎を解いてはいけない】もギャグ要素があるミステリー作品でしたが全くうまくかみ合っておらずなかなか厳しい結果になっていました、なかなかギャグ(コメディ)×ミステリーは難しいと思っていた矢先に今作【奇岩館の殺人】の登場で先は明るいと感じました!コメディとミステリーのバランスが良くお互い邪魔する事なく共存できています、【その謎を解いてはいけない】もこのぐらいのバランスだったもと面白くなったのに・・・

設定が良かった

今作【奇岩館の殺人】はただのミステリー作品にとどまらず今までのミステリー要素を逆手にとった構成は見事でしたしなによりも読みやすかった!純粋な本格ミステリーや謎解きを期待していたら若干物足りないかもしれないので唯一それだけが不安要素でした・・・。

冒頭にも書きましたが宝島社文庫の中でもTOP3に入る面白さでした、申し訳ないですが今までは宝島社文庫の作品はあまり面白い作品に出会えなかったので不安でしたが、これからも今作【奇岩館の殺人】のようなヒット作が出ればかなりいい風が吹きそうです!

【奇岩館の殺人】設定も含め面白かったので可能性としてはかなり低いかもしれませんが、もしも続編が出たら嬉しいですし何ならシリーズ化して欲しいぐらいです!と言うよりは是非ともシリーズ化して下さい!!

【奇岩館の殺人】

バンディー的オススメ度

★★★★★★★★☆☆

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