ハイ!ど〜も、バンディーです!!
今回紹介する作品は籠物先生のミステリー小説【虛擬街頭漂流記】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!
なかなか読む機会の無い華文ミステリーですが、今作は華文ミステリー初心者にピッタリかも!?
ヴァーチャル設定を上手く活かした作品!!

概要
- 作品名:【虛擬街頭漂流記】
- 作者:籠物先生
- 発売日:2010年4月13日(単行本)
- 発行所:文藝春秋
あらすじ
2020年、台湾政府は大地震の被害で寂れた台北きっての繁華街・西門町をネット上に仮想都市として再建する計画を進めていた。仮想都市=ヴァーチャストリートの制作に携わるエンジニア・顔 露華はシステムのバグを点検するため、上司の大山とともにヴァーチャストリートへ進入し、謎の男の撲殺死体を発見する。
仮想空間でその人間に起った出来事は、特殊なスーツを装着することで現実の人体にも反映される。つまり、現実世界でもその男は殺されたのだ。だが、殺人が起った時間帯にヴァーチャストリートに存在したのは露華と大山のみ。しかも二人には完璧なアリバイが?引用:文藝春秋
ヴァーチャル世界
今作【虛擬街頭漂流記】はヴァーチャル世界を上手く活かした作品です。
ヴァーチャル世界と言えば、バンディーが1番最初にその存在を知ったのはやはり【マトリックス】でした!
当時中学生でしたが最初は全く意味が分からず理解するのに時間がかかりました(笑)今では当たり前のように認識されてそう近くない未来には本当にヴァーチャル世界が当たり前になりそうですね!
ヴァーチャル世界を活かしたミステリー小説は以前紹介した、紺野天龍【ソードアート・オンライン オルタナティブ ミステリ・ラビリンス 迷宮館の殺人】や貫井徳郎【龍の墓】があります。
どちらもヴァーチャル設定を上手く活かしたミステリー小説なので気になる方は是非一度チェックしてみて下さい!
記憶が無い女性
今作【虛擬街頭漂流記】の主人公は30歳の女性露華なんですが、なんと18歳以前の記憶がありません。
今では新たな記憶で生活していけるようになりシステムエンジニアとして働いています。
事故に遭ったせいですが、何やらその事も内容に関係がありそうで気になりますね〜!
その点は終盤で明らかになるはずと期待して楽しみにしながら読んで下さい。
露華の母親代わりの女性の存在も大きく、2人の関係性も何やら謎がありそうで序盤から気になる事が多すぎる。
ま〜、ミステリー読み慣れた方は記憶が無い主人公なんて絶対に裏があるはず!!と勘ぐるはずですが、しっかり作者の籠物先生はその読者の期待を良い意味で裏切ってくれるのでご安心を!!
事件
今作【虛擬街頭漂流記】の舞台はヴァーチャル世界ですが、その世界を作ったのが重要な登場人物で露華の上司でもある大山です。
天才の大山はヴァーチャル世界を作り上げそれを現実的に運用出来るよう切磋琢磨してる時に事件は起きました。
ヴァーチャル世界でアバターが殺されており、そのアバターの現実の人間も死んでしまった事件が発生しました。
ヴァーチャル世界では実際に殴られたりしたら、本当に殴られてるかのような反応がやってくる仕組みだが、人間の力は制御されるようになってるので人が亡くなるような力は働かないはずなのに何故事件は起きたのか!?
犯人や犯行もさる事ながら、ヴァーチャル世界ならではの特性も上手く作中に落とし込めてるので謎に深みが増し、色々な疑問が読者に畳み掛けて来ます!
意外性
今作【虛擬街頭漂流記】はありきたりなミステリーだと思ってましたが、しっかりと終盤に意外性があり楽しめました!
ミステリー的な面白さはあるし、驚きや仕掛けもある程度予測出来た気になってましたが、バンディーの遥か斜め上をいき驚かされました!!
なんと言っても終盤の展開はミステリー以上に愛の物語であったし、読み終わったら納得の出来で華文ミステリー初心者の方こそオススメ出来る作品でした!
読後感も良かったですね~!!
ただ、仕方ないですがヴァーチャル世界が舞台なので難解な部分があったりする点だけ残念でした・・・。
【虛擬街頭漂流記】
バンディー的オススメ度
★★★★★★★★☆☆
