ハイ!ど~も、バンディーです!!
今回紹介する作品は樋口毅宏の小説【民宿雪国】をネタバレ無しで感想を書いていきます!
【民宿雪国】はかなり賛否両論ある作品なので万人受けはしにくい作品ですがインパクトは抜群でしたね~!!
クセが強い劇薬小説!?
概要
- 作品名:【民宿雪国】
- 作者:樋口毅宏
- 発売日:2010年11月30日(単行本)
- :2013年10月9日(文庫本)
- 発行所:祥伝社
あらすじ
大勢に惜しまれながら、国民的画家・丹生雄武郎(にうゆうぶろう)が亡くなった。享年(きょうねん)97。彼は一方で寂(さび)れた民宿のあるじでもあったが、その生涯は未(いま)だ多くの謎に包まれている──。期待した筋書きを幾度も裏切られる破天荒な構成、そして昭和史の裏面を抉(えぐ)りながら最終的に物語が辿(たど)りつくのは…!? 小説界が驚倒した空前絶後、衝撃の大傑作。
引用:祥伝社
第1章を読んで驚いた!!
樋口毅宏の作品は今作【民宿雪国】が初めてなんですがとりあえず最初の第1章『吉良が来た後』を読んで度肝を抜かれました!!今作は亡くなった国民的画家の丹生雄武郎の半生を掘り下げていく作品でもあるのですがまさかいきなり思ってもいない方向にぶっ飛んで行くとは・・・。
タイトルからは全く予想もつかない内容ですし、暴力やエログロの要素もあり、読み初めは『一体何を読んでいるんだろう・・・』と思いましたがある時点で唖然とし一気に惹きつけられてしまいました先が気になって仕方なかったです!
二転三転する話にミステリー的な要素もありまさにごった煮の『闇鍋』的な作品だなと感じました(笑)『とりあえず黙って第1章を読め!!』とでも言っておきます・・・。
第2章まではワクワク・・・
第2章『ハート・オブ・ダークネス』もミステリー好きの方なら楽しめますね!ここでも丹生雄武郎が営む『民宿雪国』が舞台なのは第1章『吉良が来た後』と同じですが時系列は違っていて内容もこちらも同じくワクワクさせられました!!
この劇薬具合は以前紹介した中島哲也監督・役所広司主演も映画【渇き。】にも似たぶっ飛び具合の作品だと感じたのと、今作【民宿雪国】を映像化したらとんでもない作品になりそうな予感・・・。
徐々に雲行きが怪しくなる・・・
バンディー的には第2章の『ハート・オブ・ダークネス』までは楽しめたんです(笑)!!だんだんと物語は思わぬ方向へ行き、実在の人物や史実を織り交ぜながら『在日問題』や戦争、差別等々とりあえず色んなものがてんこ盛りで先ほど書いたように『闇鍋』エンターテイメント小説となっています!
ここぐらいから人によっては合う合わないが非常に大きく出てくると思います、なので万人受けしない作品で刺さる人にはとても面白い作品になるし、刺さらない人にとってはクソつまらない作品となってしまう極端な作品です!!
最終章では丹生雄武郎の人生に迫っていく章ですが、ここでは美術の世界な曖昧さや闇を皮肉った内容になっており、その合間に語られる内容によってこれまでの丹生雄武郎の半生と真実が語られる話になっています、今まで観た事ない内容の構成なのも気になりました!!
『とんでもない本を読んだ・・・』となるのか?あなたは一体どっちなんでしょうね・・・?
最初の勢いのままなら良かった・・・
今作【民宿雪国】は様々な要素を含んだ人を選ぶ劇薬小説ですが、バンディー的には読み終わって感じたのは、第2章までのテンションが最後まで続いていたらトンデモナイ作品になったはずなのに・・・とかなり惜しい気持ちになりました。
描写や取り扱っている題材のせいで拒否反応を示すかもしれないし、惹きつかれるかもしれない極端な作品ですが我孫子武丸の【殺戮にいたる病】のように劇薬作品でも読む人を強く惹くつけられる作品にあと一歩及ばなかった作品でした。
【民宿雪国】
バンディー的オススメ度
★★★★☆☆☆☆☆☆