ハイ!ど〜も、バンディーです!!
今回紹介する作品は夏木志朋の小説【二木先生】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!
自分が思っている『普通』が分からなくなってきた小説であ然とした!?
衝撃的なデビュー作でヒットした作品!?
概要
- 作品名:【二木先生】
- 作者:夏木志朋
- 発売日:2020年9月9日(単行本)
- :2022年9月6日(文庫本)
- 発行所:ポプラ社
あらすじ
高校生・田井中広一は黙っていても、口を開いても、つねに人から馬鹿にされ、世界から浮き上がってしまう。そんな広一が「この人なら」と唯一、人間的な関心を寄せたのが美術教師の二木良平だった。穏やかな人気教師で通っていたが、それは表の顔。彼が自分以上に危険な人間であると確信する広一は、二木に近づき、脅し、とんでもない取引をもちかける――。嘘と誠実が崖っぷちで交錯し、追い詰めあうふたり。生徒と教師の悪戦苦闘をスリリングに描き、読後に爽やかな感動を呼ぶ青春小説。
引用:ポプラ社
異例のヒット!?
今作【二木先生】を紹介する前に内容とは別に伝えておきたい事があるので書いておきます!
バンディーは【二木先生】の存在は知ってましたが、今更ながら読みたくなったのでチャレンジしました!
書店で文庫本を良く見かけ気になってましたが、いちばん目を惹いたのは本の表紙でした!
黄色メインでデカデカと二木先生のイラストがあるのですが、目を隠しているところも良かったし、色々な文字や言葉が強弱つけて書かれてるので初めて目にする人は【二木先生】はとんでもない作品だと期待してしまいます!
案の定2022年の作品ですが、未だに書店でプッシュされてるのを見ると、本の表紙のインパクトや物語の面白さが認知されたのもありますが、書店が頑張ってプッシュしたのもヒットした要因だと感じました!
生徒と教師
今作【二木先生】は一応青春小説ではありますがありきたりな作品では無いからこそ読んでいて物語に惹かれました。
主人公は高校生の田井中広一と担任教師の二木良平この2人です。
広一はどこか人とズレていて、話のキャッチボールや行動だったりそのおかげで周りからは『変わってるやつ』と言うレッテルを貼られてしまいます。
作中で広一の幼少期の事も描かれており、どういった人物なのかも読者もだんだんと理解でき始めます。
読んでいて自分自身も似たような部分や共感出来るとこもあったりして、読んでいて非常に心苦しかった!
一方の二木は教師として生徒に対してもそつなく接して、まさに『普通』の教師を演じています。
しかし、ある時広一がプライベートに見かけた二木の『ある一面』を見て驚愕と納得する事になるのでした。
広一も後少しで警察にお世話になる直前で二木に救われますが、そこからお互いの弱みと秘密を握りあった持ちつ持たれつの関係が始まるのでした・・・
歪な関係
今作【二木先生】は二木と広一の歪な関係性につきる作品だと思います。
二木の隠された1面を脅迫の材料として取引したり、二木も広一の秘密をちらつかせ攻防を繰り広げます(笑)
確かに2人の抱えている秘密は一般的には理解されにくいし、その部分を主軸として話が進んでいくのでただの青春小説で終わらないところがいい!
今のご時世多様性と叫ばれてますが、まだまだ理解されにくく、少数派は偏見の目で見られやすく差別の対象にもなります。
色々な問題を考えさせられる内容で、決して明るい作品では無いが記憶に残る作品であった。
違った展開も期待した
今回紹介した【二木先生】は広一と二木が抱えている秘密を上手く話に落とし込んでまとまってはいました。
しかし、バンディー的には終盤の展開は駆け足だった気がしたのともう少し詳しくいやり取りがあっても良かったし、色々疑問があった事に対して明確にされてないのでそこが消化不良でした・・。
二木と広一の歪ながらもバランスが取れた関係性は良かったし、その方向性でもっと違った展開をバンディー的には望んでいたのでその世界線の話も読んで見たかった!
今作【二木先生】をよんで朝井リョウの【正欲】を思い出した!
同じ少数派を扱った作品だし、読んでいてヒリヒリするような話もどこか共通していた。
これからはこういった色々な問題提起を投げかけるような作品が増えるのかも知れませんね〜!!
【二木先生】
バンディー的オススメ度
★★★★☆☆☆☆☆☆