探偵が居ないミステリー小説!?渡辺優【私雨邸の殺人に関する各人の視点】ネタバレ無し感想!!

ハイ!ど~も、バンディーです!!

今回紹介する作品は渡辺優のミステリー小説【私雨邸の殺人に関する各人の視点】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!

タイトルは少し長ったらしく一発では頭に入ってきませんが(笑)、作品自体は面白い設定のミステリー小説でした!

各人の視点から事件の全体像が浮かび上がる!?

山荘

概要

  • 作品名:【私雨邸の殺人に関する各人の視点】
  • 作者:渡辺優
  • 発売日:2023年4月19日(単行本)
  • 発行所:双葉社

あらすじ

嵐の私雨邸に取り残された11人の男女。資産家のオーナーは密室で刺殺され、世にも珍しい〈探偵不在〉のクローズド・サークルが始まる。館に集ったのは怪しい人物ばかり。いったい誰が犯人を当てるのか。各人の視点からなされる推理の先に、思わぬ悲劇が待っている。

引用:双葉社

タイトルが目を惹く作品

今回紹介している渡辺優【私雨邸の殺人に関する各人の視点】はタイトルだけで気になる作品って思います!タイトルが長いし内容的にも目を惹く作品でもありますね~!

まず『私雨邸』からして読みづらいですが『わたくしあめてい』と読み今作の事件が起こる舞台でもあります。さらには『殺人に関する各人の視点』そんなタイトルあまり目にした事がないので内容が気になっちゃうので、今作【私雨邸の殺人に関する各人の視点】ってタイトルをつけた時点ですでに強力な武器を手にいれてますね!

今作を読み終えた時にただ適当につけたタイトルでは無く、しっかり作品の内容も表してる事を実感しました!そして、普段のミステリー小説とは少し違う作品なんですね~!

面白い設定

今作【私雨邸の殺人に関する各人の視点】は決まった主人公がおらず主に3人の視点から物語が語られていきます!

視点A:大学のミステリー同好会のメンバー二宮視点B:地元雑誌の編集者視点C:私雨邸の持ち主の孫で無職の梗介以上の3人ですが終盤にはそれ以外の視点もあり。

それぞれ関わりも無い3人の視点だからこそ物語を違った角度から描かれますし、それぞれの視点から事件の真相が浮かび上がってくるのもgoodです!

物語の舞台はタイトルにある通り『私雨邸』で事件が起こります、私雨邸の持ち主雨目石照吉が何者かによって殺害されているのが発見されます、しかも嵐によって孤立してしまいミステリーファンお待ちかねのクローズドサークルになりここからどんな展開が待ち受けるのか!?

探偵がいない!?

バンディーが読んでいて面白いと思ったのはそれぞれの視点から描かれる部分もそうですが、1番は今作【私雨邸の殺人に関する各人の視点】にはホームズのような探偵がいない所なんですね~!

普通ミステリー小説と言えば名探偵が不可能犯罪をバシ!っと解決しとんでもない犯人のトリックを見抜くものですが、その1番重要な要素がありません!(笑)

しかし!安心して下さい!探偵がいないからと言って面白く無い事は無くそれよりも探偵がいないからこその設定を活かした面白さがあるんですね~!探偵がいないから読んでいるこちらがモヤモヤする(笑)

探偵ではなく全くそんな探偵業をしたことがない人が捜査する素人探偵なのですんなりと解決出来ないし、犯人もきちんと指摘する事が出来ずに二転三転していき何が真実か分からなくなってきてある意味先が気になってきます、各人の視点から終盤読者でも犯人が判明できるような作り方は良かったです!

個性的なキャラが多い

11人もの雨目石家に関係ある者、関係無いものが集まった『私雨邸』で事件がおきますがそのメンバー達も色々と個性的な登場人物達がいます!

雨目石家の人達特に視点Cの梗介は金髪で無職で雨目石家の財産で生き残ってるも同然の暮らしぶりですが、どこか憎めないキャラクターです、山で遭難していた水野、自殺に失敗した謎が多い人物田中等々キャラが立った登場人物ばかりで読んでいて楽しかったです!

しかし!バンディー個人的な感想ですが視点Aのミステリー同好会の大学生二ノ宮だけには終始イライラ しっぱなしでした!と言うよりも嫌悪感ですね~(笑)

事件が起きて人が死んでいるのにミステリー小説のような展開が起こり楽しんでいるような奴で、それまでは陰キャラだったのが事件が起こってからは率直して探偵役みたいな事をイキイキとして引き受けてたのが読んでいてウザかったです。

しかももただのミステリーマニアなだけなので推理もお粗末なんで読んでいて痛々しい、二ノ宮のせいで楽しさより不快感の方が勝りました(笑)ここまで読み手に思わせると言うことは作者渡辺優の力量が凄いと言う事ですね~!素人が探偵を真似ても酷いことになると今作【私雨邸の殺人に関する各人の視点】で学びました!

多重解決ミステリー

今作【私雨邸の殺人に関する各人の視点】多重解決ミステリーで転々とする展開が面白く、各人の視点を取り入れた次世代のミステリーに感じました!

以前紹介した紺野天龍【 神薙虚無最後の事件】と同じような臭いがしますね~!勿論いい意味です!これからもそういった次世代ミステリーが出てくる事を楽しみにしたいですね!

そこまでひっくり返しようなトリックはありませんでしたが、面白い設定と二転三転する展開が良かった作品でした!

【私雨邸の殺人に関する各人の視点】

バンディー的オススメ度

★★★★★☆☆☆☆

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