ハイ!ど〜も、バンディーです!!
今回紹介する作品は大神晃のミステリー小説【天狗屋敷の殺人】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!
新潮社ミステリー大賞最終候補までいった作品の実力はいかに!?
タイトルと設定は良かったが活かしきれず・・・
概要
- 作品名:【天狗屋敷の殺人】
- 作者:大神晃
- 発売日:2024年5月29日(文庫本)
- 発行所:新潮社
あらすじ
ヤンデレな恋人・翠(みどり)の婚約者として連れていかれた彼女の実家は、山奥に立つ霊是(りょうぜ)一族の“天狗屋敷”。失踪した当主の遺言状開封、莫大な山林を巡る遺産争い、棺から忽然と消えた遺体。奇怪な難事件を次々と解決するのは、あやしい“なんでも屋”!? 「いつかまた会えたらいいね」――夏が来るたび思い出す、あの陰惨な事件と、彼女の涙を。横溝正史へのオマージュに満ちたミステリの怪作。
引用:新潮社
今勢いがある新潮文庫nex
今作【天狗屋敷の殺人】を紹介する前にまず新潮文庫nexについて触れておきます。
新潮文庫nexは新潮社のライトノベル的な立ち位置の文庫で、キャラクター・文学・物語の融合を目指す読者初心者には手を出しやすい文庫です!
新潮文庫nexは今勢いがあり、最近話題になった杉井光【世界でいちばん透きとおった物語】や五条紀夫【クローズドサスペンスヘブン】や紺野天龍【幽世の薬剤師シリーズ】があります。
これからも注目の面白い作品が発売されるので『新潮文庫nex』は要チェックですよ〜!!
山奥で起きる事件
今作【天狗屋敷の殺人】は主人公古賀が昔付き合いっていた翠を思い出し、過去の出来事がメインの話になります。
翠の実家が山奥にある地主で、霊是一族の『天狗屋敷』が舞台になってます。
緑の祖父の遺言状を聞くために一緒に古賀も同行しますが、古き良きミステリーの定番設定ですね〜!
遺言状を巡る争いから殺人事件が起こる・・・
山奥で地主の一族、大きな屋敷、等々作者の横溝正史リスペクトの設定がヒシヒシ伝わって来ますし、読者としてもワクワクする設定だと思います!!
連続殺人事件
やっぱり予想していた通り連続殺人事件が起きてしまいます!
事件1つ1つ解決していきますが、今作【天狗屋敷の殺人】の探偵役は古賀のアルバイト先の何でも屋店主樋山です。
クセの強いキャラクターですが、どこか憎めない探偵でヤンデレ設定の翠と同じくこの2人の存在は大きいと思います!
事件も横溝正史リスペクトが感じられますが、事件の印象はぶっ飛んでる訳ではなく割と普通でした。
ミステリー小説の山場でもある、解決シーンはバンディー的にはちょっと無理があると感じたし、そこまで驚かされる事が無かったのが残念でした。
色々と惜しい作品
今回紹介した【天狗屋敷の殺人】は冒頭にも書いてますが、せっかく設定や舞台は良いのに活かしきれてない惜しい作品でしたね〜!
バンディーが1番思ったのは事件現場の見取り図的なイラストが挿絵で欲しかったです!
バンディーの読解力の無さのせいでもありますが、あまりにも現場か分かりにくく想像しにくかったのでその点も面白さが減った原因でもあります。
横溝正史リスペクトの作風も良いですが、横溝正史作品知ってる人には響くかもしれませんが、知らない人には退屈に感じます。
どんでん返し等も無く解決も設定の割にはそこまで驚かなかったし、翠のヤンデレ設定も何か重要な要素かと思ったら意外性は無かったのでただのホントにヤバい奴って印象にしかならなかった・・・
最後は忖度なしで厳しめの感想を書き、作者大神晃に対して申し訳なく思いますが、終盤の翠と古賀のやり取りが非常に良くここでだいぶ盛り返しました!!
古賀と樋山はいいコンビなので是非ともシリーズ作品として、次作に期待したいと思います!!
【天狗屋敷の殺人】
バンディー的オススメ度
★★★☆☆☆☆☆☆☆