ハイ!ど〜も、バンディーです!!
今回紹介する作品は辻堂ゆめの【トリカゴ】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!
以前からずっと読みたかった作品で、文庫化されたタイミングで読むことが出来ました!!
読みやすい社会派ミステリー!

概要
- 作品名:【トリカゴ】
- 作者:辻堂ゆめ
- 発売日:2021年9月30日(単行本)
- :2025年2月14日(文庫本)
- 発行所:東京創元社
あらすじ
蒲田署刑事課の森垣里穂子は、殺人未遂事件の容疑者ハナを尾行中、無戸籍者が隠れ住むコミュニティを発見する。彼らが唯一安心して暮らせる場を、警察の捜査が壊すかもしれない──里穂子は苦悩しながら調べを進めるうち、かつて日本中を震撼させた未解決の“鳥籠事件”との共通点に気づく。刑事たちが執念の捜査の末に辿りついた、胸を衝く真相とは。
引用:東京創元社
社会派ミステリー
今回紹介する作品はミステリー小説ですが、どちらかと言えば社会派ミステリー寄りの作品です!
社会派ミステリーは比較的扱ってるテーマがシリアスなものがメインになるので、読んでいても気分が重くなる作品が多い気がします。
ただその分印象に残りやすく、考えさせられることも多いので最近は読まず嫌いせず読むようにしています。
以前から気になっており、評価も高かったので楽しみにしてました!何より『大藪春彦賞』を受賞してるのも大きかったですね〜!
ハードボイルドや冒険小説に分類される作品に与えらる賞ですが、以前紹介した安壇美緒【ラブカは静かに弓をもつ】も受賞しており幅広いジャンルに広がってる気がします。
ジャンルどうこうより面白い作品が受賞してるって事です!
無戸籍者
今作【トリカゴ】は冒頭のある事件が発端となり無戸籍者の存在が浮き彫りになります。
恋人への殺人未遂容疑で連行されたハナを今作の主人公女性刑事里穂子が色々と調べていくのですが、取り調べの際ハナには戸籍がなく、実の名前や生年月日も分からず、住所や住民票すら無いことが判明します。
私達が普段生活してる上での当たり前が当たり前では無く、現実世界でも起こってる問題でもあります。
バンディーも初めて聞い時はそんな事が本当にあるのかと驚きました!
里穂子は一旦ハナを取り調べから解放した後、今寝床にしている漫画喫茶(インターネットカフェ)まで送り届けたがハナが不可解な行動にでます。
一旦漫画喫茶に入ったかと思うとすぐに出てきて工場内にある倉庫に入っていくのでした、そこにはハナと同じような無戸籍者達が集まり暮らしているコミュニティ『ユートピア』の存在が明らかになるのでした。
鳥籠事件
そして、今作【トリカゴ】で重要になるのがタイトルと同じ名前の『鳥籠事件』でした。
この事件はペットと一緒に部屋に閉じ込められた幼い兄妹が親から虐待を受けており、身体は痩せ細り鳥と同じような動きをするようになっており想像するだけで衝撃を受けます。
それだけでは終わらず、保護された1年後に児童養護施設から何者かに誘拐され今に至るまで消息不明になってるのでした。
そんな『鳥籠事件』が一体どのように、ハナ達や『ユートピア』の人々に関わりがあるのか!?読んでいく内に徐々に明らかになってくる関係性が分かりだしてからはとにか面白かったですね〜!!
『鳥籠事件』も25年前の事なので情報や当時の事を知る関係者が少ないので、捜査が簡単にいかないのが読んでても伝わってきます、一体どのように事件は着地するのか気になりながら読み進めていきました!
印象に残る作品である
今回紹介している【トリカゴ】は社会派ミステリーとしても面白いですが、捜査している所も良かったです!
育休明けで事件に関わる事になった里穂子、旦那に育児を任せて時間外で鳥籠事件を捜査する事で夫婦間の関係性が悪化していくのも読んでてヒシヒシ伝わる。
窓際族のような形で未解決事件を捜査する羽山とコンビを組む事になる里穂子、ずっと鳥籠事件を調べてきており、今回の捜査にはうってつけの人材です。
ただ羽山はクセのある人物でユートピアの人達に対する接し方も相手の気持ちを考えない高圧的な態度をとる刑事でした。
ただこの2人が事件を調査していく事で、事件解決に進展していき、だんだんと羽山と言う人物像が分かり始めると憎めないキャラクターに感じだすんですね〜!
終盤の展開は印象に残り、社会派ミステリーとしては面白い作品だと感じました!真相が判明した時何とも言えない気持ちになった・・・。
最後の余韻も良いし、無戸籍に対しての問題を考えるきっかけにもなりました。
本格ミステリーのようなどんでん返しは無いが、読んでおいた方がいい作品でした!!
【トリカゴ】
バンディー的オススメ度
★★★★★★★☆☆☆
