構成も物語も面白いクライム小説!ジョセフ・ノックス【トゥルー・クライム・ストーリー】ネタバレ無し感想!!

ハイ!ど~も、バンディーです!!

今回紹介している作品はジョセフ・ノックス【トゥルー・クライム・ストーリー】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!

ドキュメンタリー形式のノンフィクション小説の体の作品ではありますが、やっぱり普通のミステリー小説とは違い新鮮な気持ちで読めました!!

一体何が真実か?作者自体も信用出来ない・・・

骨と少女

概要

  • 作品名:【トゥルー・クライム・ストーリー】
  • 作者:ジョセフ・ノックス
  • 発売日:2023年9月1日(文庫本)
  • 発行所:新潮社

あらすじ

マンチェスター大学の学生寮から女子学生ゾーイが姿を消して6年が経過していた。イヴリンはこの失踪事件にとり憑かれ、関係者への取材と執筆を開始。作家仲間ジョセフ・ノックスに助言を仰ぐ。だが、拉致犯特定の証拠を入手直後、彼女は帰らぬ人に。ノックスは遺稿をもとに犯罪ノンフィクションを完成させたが――。被害者も関係者も、作者すら信用できない、サスペンス・ノワールの問題作。

引用:新潮社

トータルポイントが高い

今回紹介している【トゥルー・クライム・ストーリー】ですがまず感想を書く前に感じた事を書いておきます!

まず、今作【トゥルー・クライム・ストーリー】は本の表紙やタイトルが映画のポスターみたいで世界観にピッタリだし、あらすじも気になる、作品の構成も気になります!

作品自体のトータルポイントが高いので読む前から今作【トゥルー・クライム・ストーリー】は手に取ってみたいと思える作品だと思います、バンディー個人的にいかに何も知らない読者に手に取って貰えるかが大事なポイントだとずっと思ってます!

どんなに面白い作品でもやっぱり手に取って貰えないと存在も知ること無いし、本当に面白い作品は日の目をみますが時間はかかりますからね~!

ドキュメンタリー形式のノンフィクション小説?

冒頭にも書きましたが今作【トゥルー・クライム・ストーリー】ドキュメンタリー形式のノンフィクション小説の体の作品です!バンディーはノンフィクションってあまり読まないのですが今作はすんなり読めました!

唯一ノンフィクション小説を読んで面白かったのは増田俊也【木村政彦なぜ力道山を殺さなかったのか】刺激的なタイトルですが、内容かなり面白く格闘技好きな方は特に刺さるかも?気になる方は読んでおいて損は無い作品です!

ドキュメンタリーのノンフィクション小説の体繋がりで言えば、最近話題の背筋【近畿地方のある場所について】が似てる気がします!こちらはホラー要素が強いですが、トータルポイント高い所も似てますね~!

【トゥルー・クライム・ストーリー】は女子学生が失踪した事について関係者にインタビュー形式で物語進みますが約700ページどボリューム大ですがきっと先が気になるはずです!?

ゾーイの失踪の真相は・・・

女子大学生のゾーイが失踪した事件の真相を調べていく物語で実際には6年前に起きた事件で、主に関係者からのインタビューを書き起こしています。

一体何故失踪したのか?読み始めは全く想像がつかず一体どんな風に話が展開していくのかワクワクしながら読み進めていきました!

中盤までは事件を深掘りしていき、関係者のインタビューがメインで700程の作品なので、流石にワクワクは一旦収まり惰性で読んでしまうかもしれませんが、物語の謎が解けていき出すとまた面白くなります。

インタビューの相手もゾーイの双子の姉や両親、友達やルームメイト等々様々な人からインタビューしてますが、登場人物達が多いので把握するのがなかなか大変でした!

やはり一番おもしろいポイントはインタビューしている相手達が本当の事を言ってるのか怪しいんですね~!聞く人によって内容がコロコロ変わるのでどの内容が真実が分からなくなりそこがまた楽しいのですが。

面白い構成

今作【トゥルー・クライム・ストーリー】の構成は面白く、作中ではすでに第二版刊行について語られており出たばかりの作品なのにどういうこと?って頭がバグります(笑)

作中作の体で書かれており、もともとイヴリンが関係者にインタビューを行っていたのを語り手のジョセフ・ノックスが追加取材を行い完成したのが冒頭で書かれた第二版の今作です。

【トゥルー・クライム・ストーリー】の作者ジョセフ・ノックスが登場しているので余計にややこしくなってますね(語られる作者の過去作も実在の作品)、いわゆるメタ要素をふくんでいます。

インタビューを書き起こしている内容と別にイヴリンとジョセフ・ノックスとのやり取りもあり内容について話あったりしているので頭が困惑しそうですがこういった展開は好きなので楽しめました!章ごとに写真が添えられていたり、合間合間に関係する写真が挿入されるので視覚的にも楽しめる所は良かったですね~!

信用出来ない語り手

やはり今回紹介した【トゥルー・クライム・ストーリー】の醍醐味は信用出来ない語り手につきますね~!

インタビューしている登場人物達が語ってることも信用ならならいし、なんなら読者に対してフェアでないといけない作者のジョセフ・ノックスが語ってる事も信用なりません!

以前紹介した太田忠司【麻倉玲一は信頼できない語り手】を思い出しました!中心人物が信頼できない事を語っていればフェアではなく賛否両論ありそうですが、上手くその設定を料理することでより楽しめるのならアリですね!

今作【トゥルー・クライム・ストーリー】終盤になっていけば真相が明らかになっていきますが、読み終わってからバンディーは何故かスッキリしない気持ちになりました。

作者の企み通りと思いますが、真相は提示されますしかし、バンディーは先ほど書いた通り語り手が信用出来ないので色々考察してしまうんですね~そういった部分まで今作【トゥルー・クライム・ストーリー】は楽しめるので700ページと大作ですが是非ともチャレンジして頂きたい作品です!!

【トゥルー・クライム・ストーリー】

バンディー的オススメ度

★★★★★★★☆☆☆

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