ハイ!ど~も、バンディーです!!
今回紹介する作品は北村薫の小説【盤上の敵】をネタバレ無しで紹介していきます!!北村薫の作品は以前に【空飛ぶ馬】を読んだ覚えがあるのですが、今回紹介する【盤上の敵】も存在は知っていたのですがチェスの話だと勝手に思い込んでいたので(笑)敬遠していたのですがついに思い切って読んでみる事にしました!
どんでん返し?イヤミス?
概要
- 作品名:【盤上の敵】
- 作者:北村薫
- 発売日:1999年9月7日(単行本)
- :2002年10月16日(文庫本)
- 発行所:講談社
あらすじ
敵は籠城殺人犯 妻の命を賭けた戦い!
息づまる駆引と、驚倒の結末! 読者をも操る北村マジックの冴え。
我が家に猟銃を持った殺人犯が立てこもり、妻・友貴子が人質にされた。警察とワイドショーのカメラに包囲され、「公然の密室」と化したマイホーム!末永純一は妻を無事に救出するため、警察を出し抜き犯人と交渉を始める。はたして純一は犯人に王手(チェックメイト)をかけることができるのか? 誰もが驚く北村マジック!!
引用:講談社BOOK倶楽部
チェスの話では無かった(笑)
タイトルと表紙だけで今作【盤上の敵】はチェスか将棋の話かと思ったら全く違い(笑)緊迫感のあるどんでん返しミステリー小説でした!!
自宅で妻を人質に取られた夫と殺人犯との攻防戦が繰り広げられ警察とマスコミも巻き込んだ大きな出来事になっていくお話です、各章のタイトルにもある通りその犯人と主人公と妻をチェスの駒で表し、これから起こる出来事に対して戦略を立てて相手を打ち倒していく様子をチェスに見立てているのだと思いました!?
なので読み始めたら予想外に!?自分が考えていた話とはいい意味で違ったので楽しむ事が出来ましたが、意外に重い内容のお話であった事にもビックリしましたが・・・
妻の過去の出来事がキツイ
【盤上の敵】文庫版ですが読み始めた時すぐに、作者の北村薫が本作に対する読者からの感想を受けて自身の想いを書いているのですが、読んだ人が嫌な気持ちや不快感を覚えたような旨を書いていました、いきなり読む前にそんな事を書かれるとこれから読み始めるバンディーは不安になり新たな演出と思いましたが、実際に読んでみたら確かに嫌~な気持ちになる気持ちも分かりました!!
主に主人公の奥さんの過去の出来事が奥さんの独白の形で回想されるのですが、その内容が生々しくて読んでいてこちらの傷口がえぐられるような話なのでそりゃ~キツイっすわ(笑)いじめ?の主犯格の女は登場から強烈で、今でいうサイコパス的な人格の持ち主で手口がかなり非情でした・・・
何故こんなキツイ話を間に挟みサイコパスな女を登場させるのかは最後まで読み終わった時に判明します・・・
主人公の計画
メインのお話は自宅に立てこもり妻を人質に取っている犯人との攻防戦ですが、救出する為に犯人と取引したりマスコミのインタビューに答えたりと忙しく主人公は走りまわります。
友人の家まで出向き『ある頼み事』をするのですが、読んでいる最中は内容は全く分からないので読んでいるこちらも『あ~何か策を立てているんだろうな!』ぐらいには感じでいたのですが、それらも最後にはきっちり意味を成すことにその時は気づかないのでした・・・
また妻との過去の何気ない会話にも意味があったりとそこら中に張られている伏線があった事に読み終わった時に気付かされます!
イヤミスどんでん返し作品だった!
終盤に来ると今まで自分が思い込んでいたことが覆される驚愕の真実を知る事になります!いや~久しぶりにどんでん返しにやられましたね~(笑)最近では以前紹介した降田天の【彼女はもどらない】以来のどんでん返しを喰らいました!こちらも面白かったんで是非一度読んで頂きたい作品ですね~。
どんでん返し作品をずっと読み続けているとある程度の仕掛けでは驚かなくなっているので、切実に今まで読んだ本の内容だけ忘れる薬が欲しいんですよね~!そうしたら何回でも名作のどんでん返しを新鮮な気持ちで読み返せるので(笑)
話が逸れましたが(笑)今作【盤上の敵】は1999年に出た作品とは思えないぐらいどんでん返しもしっかりしていましたし終盤には2転3転する内容でしたし、この時代にすでにイヤミスはあったんだと思いました!
確かに嫌な気持ちになる描写もありますがそれ以上に驚かされる内容と主人公が妻に対する深い気持ちも理解できる作品でしたね!サイコパス的な登場人物も出てきますし悪とは?善とは?を考えさせられる作品でもありました。ところどころツッコみたくなる要素もありましたがま~良しとします(笑)
【盤上の敵】
バンディー的オススメ度
★★★★★★★☆☆☆