ハイ!ど~も、バンディーです!!
今回紹介する作品は斜線堂有紀のミステリー小説【廃遊園地の殺人】を紹介していきます!!
初斜線堂有紀作品で【楽園とは探偵の不在なり】でミステリーランキングの本で結構名前を見かけたので気にはなっていたのですがなかなか読む機会が無く月日が過ぎた時に新刊の【廃遊園地の殺人】が発売すると見かけた時にかなり惹かれる設定で発売を楽しみにしており、先日やっと読み終えたのでバンディー的なりの感想を書いています!!
ありそうで無かった設定廃遊園地!?
概要
- 作品名:【廃遊園地の殺人】
- 作者:斜線堂有紀
- 発売日:2021年9月21日(単行本)
- 発行所:実業之日本社
あらすじ
プレオープン中に起きた銃乱射事件のため閉園に追い込まれたテーマパーク・イリュジオンランド。
廃墟コレクターの資産家・十嶋庵(としまいおり)はかつての夢の国を二十年ぶりに解き放つ。
狭き門をくぐり抜け、廃遊園地へと招かれた廃墟マニアのコンビニ店員・眞上永太郎(まがみえいたろう)を待っていたのは、『このイリュジオンランドは、宝を見つけたものに譲る』という十嶋からの伝言だった。
それぞれに因縁を抱えた招待客たちは宝探しをはじめるが、翌朝串刺しになった血まみれの着ぐるみが見つかる。
止まらない殺人、見つからない犯人、最後に真実を見つけ出すのは……
引用:実業之日本社
廃墟×本格ミステリー
今作【廃遊園地の殺人】ってあるとおり今作は廃墟と化した遊園地が舞台となります、バンディー自身廃墟はちょっと興味があり実際に行ったことは無いですが軍艦島の写真集やネットで廃墟の画像をみたりする程度ですが、廃墟(廃遊園地)×本格ミステリーときたら『絶対読むべきだろう!!』わくわくしながら読むのを楽しみにしていました!!
何で廃墟に惹かれるんでしょうね~!?崩壊していく喪失感か?昔の風景を思い出すからか?ノスタルジックな気持ちになってしまうんですよね!余談になりますがバンディーがそういった廃墟を意識し出したのは、昔小さい時に小学生に入るぐらいまで住んでいたマンションがあり引っ越す事になったのですが、小学校6年生ぐらいにたまたま以前住んでいたマンション付近で遊ぶことがあったのです。
その時たまたま以前住んでいたマンションの部屋を見てみたくなり、部屋の前まで友達と言ったのですが誰も住んでいる気配が無くドアノブを回してみると何と鍵がかかっておらず空いたのです!!(今思えばかなりずさんな管理会社ですね!)いけないとは思いつつ少しだけ中を見てみたいと思い中に入ってみたらすっかりボロボロになっており見る影も無かったのですが、自分が過ごしていた場所がこんな風になってしまうのかと思うと何とも言えない気持ちになったのを今でも覚えています!!(時効なので勘弁してください!それ以来はそんな事はしていませんので!!)その影響もあり廃墟に興味があるんだなと自己分析しました!!
テーマパーク・イリュジオンランドで起こった悲劇
今作【廃遊園地の殺人】ってタイトル通り廃遊園地が舞台となりますが、もともとはリゾート地の目玉として建てられたテーマパーク・イリュジオンランドは銃乱射事件のせいで廃園に追い込まれ20年後にある廃墟コレクターに数名招待されこの物語は幕を開けます。
物語の導入部分は良かったですね主人公の眞上がテーマパーク・イリュジオンランドに向かうところから始まるのですがこの主人公眞上は廃墟マニアでコンビニ アルバイトのフリーターで特殊な頭脳を持った探偵に見えないのですが事あるごとにコンビニの業務を生かしていく所は笑ってしまいましたが(笑)今までにいなかった主人公像ですね、しかも道中に男性を拾うのですがその人物が廃墟ミステリーの作家で何やら重要な人物の気がするんですね~探偵役かワトソン役か一体どっちなのか!?
廃遊園地で宝さがし!?
廃墟の遊園地の中で宝さがしをする事になるのですが、この行為も心をくすぐられますね~!!『廃墟で宝さがしって!!』最高ですね!読んでいてワクワクしていきましたね。
しかもイリュジオンランドに招かれた登場人物達も何かしらイリュジオンランドに関係がある人達が集められていてそれぞれにイリュジオンランドを手に入れたいが為にそれぞれ宝を探し始めますが、それぞれ何か問題を抱えているようにも感じられ全員怪しく感じてしまいます!
しかも今作【廃遊園地の殺人】は本の冒頭にテーマパーク・イリュジオンランドのパンフレットが挟まっており細かい作りに好感を持ちましたね~!!地図も乗っているのでパーク内のイメージもしやすかったですし何よりこんな遊びを本に仕掛ける事は嫌いじゃないですね!!
殺人事件が起こる・・・
もちろん今作【廃遊園地の殺人】は本格ミステリーなので当然殺人事件が起こります!しかし、今までのミステリー作品に比べたら事件が起こり始まるのが若干遅いとは感じましたが事件が起こってからは展開は早かったですね~!!
今作は【廃遊園地の殺人】とは並行して断章として過去の話も時々描かれており最初は全く意味が分からなかったですが、読み進めて行く事に密接に関係している事に気付きます!!
もちろんしっかり本格ミステリーなのでしっかり謎も提示されており伏線もあるのでご安心を!しかも廃墟ならではのトリックもあるのと過去にイリュジオンランド銃乱射事件の事にも追及しているので目が離せません!!
最後に
今作【廃遊園地の殺人】は廃墟と本格ミステリーを上手く融合した作品です!しかし、トリック的にはメチャクチャ目新しい事は無かったのでその点は残念でしたが、それよりもイリュジオンランドに関わった人々の感情や事情の方が今作では重要なのと最後の最後で続編があるのかも?と思える部分があったのと何かなり気になる終わり方だったので次の斜線堂有紀作品に期待ですね!!
最近は今回紹介した斜線堂有紀や以前紹介した降田天【偽りの春】や今村昌弘【兇人邸の殺人】や阿津川辰海【透明人間は密室に潜む】等の次世代の作家が活躍しているのは嬉しい事ですね~!これから発売される作品達に期待ですね!!
【廃遊園地の殺人】
バンディー的オススメ度
★★★★★★☆☆☆☆