チャラいおまわりさんが主役の短編小説!?【偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理】ネタバレ無し感想!!

ハイ!ど~も、バンディーです!!

今回紹介する作品は最近ハマっている作家降田天の短編小説【偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理】をネタバレ無しで紹介していきます!!

降田天の作品は以前にも【女王はかえらない】【彼女はもどらない】【すみれ屋敷の罪人】と今までの作品全て読んで紹介していますが、全部の作品にどんでん返しがあり読者を楽しませてくれ、毎回次の新しい作品が気になる作家さんの一人です!そんな降田天の作品でまだ読めていなかった作品【偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理】を紹介していきます!!

くせ者狩野雷太の存在感が際立つ作品

警察

概要

  • 作品名:【偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理】以下【偽りの春】
  • 作者:降田天
  • 発売日:2019年4月26日(単行本)
  •    :2021年9月18日(文庫本)
  • 発行所:角川

あらすじ

老老詐欺グループを仕切っていた光代は、メンバーに金を持ち逃げされたうえ、『黙っていてほしければ、一千万円を用意しろ』と書かれた脅迫状を受け取る。要求額を用立てるために危険な橋を渡った帰り道、へらへらした警察官に声をかけられ――。第71回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞した表題作「偽りの春」をはじめ、“落としの狩野”と呼ばれた元刑事の狩野雷太が5人の容疑者と対峙する、心を揺さぶるミステリ短編集。

引用:角川

短編小説と言うよりは連作短編小説

今回紹介する作品【偽りの春】短編小説と書きましたがどちらかと言えば連作短編小説に分類されるかもしれません!連作短編小説の名作乙一【GOTH】七河迦南【七つの海を照らす星】ほど強い繋がりは無いですが最後まで読み終わると緩い具合に作品間で繋がっていたことに気付かされます!

【偽りの春】全5章で構成されていますが、1話1話の話もしっかりしており毎話印象に残り非常に良かったです!短編小説だったら面白かったりそうでなかったりと落差が激しい作品が多々ありますが今作【偽りの春】は安定した作品を提供してくれたのでそれだけでも評価したいですね~!!

しかも、第71回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞しているので面白さは保証されていますね!ちなみに短編部門で受賞したお話は表題作の【偽りの春】が受賞しています!他の4話も面白いのでご安心を!!ページ数的にも少な過ぎず多すぎずでお手軽に読めたのも良かったです!

倒叙ミステリーである!

今作【偽りの春】倒叙ミステリーで分かりやすく言うと日本の名ドラマ【古畑任三郎】スタイルの作品です!犯人が先に分かった状態で始まる作品ですね!ミステリー小説は犯人を当てる為の作品じゃないの?って思われる方もいるかとは思いますが、犯人が分かった状態でも楽しめるので安心してください!

犯人の心理描写や刑事がいかに謎を解明して犯人を追い詰めていくのか等見どころは満載のなので楽しんで読めるでしょう!しかし、その分話がしっかりしていないと読者を惹きつけられないので難しい分野だとも感じています!

【medium 霊媒探偵城塚翡翠】でミステリーランキング5冠を達成した相沢沙呼の新刊【invert 城塚翡翠倒叙集】を以前紹介しましたがこちらも同じ倒叙形式の作品でしたが前作 【medium 霊媒探偵城塚翡翠】でハードルが上がっていたせいもありますが残念な出来だったのでした・・・なので如何に倒叙ミステリーが難しいかイメージ出来たでしょうか?実際バンディーも倒叙ミステリーは苦手な分類でもありましたが今作【偽りの春】で考えが変わりました!!

キャラ立ちの主人公

今作【偽りの春】の主人公は神倉駅前交番勤務の狩野雷太ですが、倒叙ミステリー なので犯人側の視点が主に先に描かれるので主人公なのに毎回登場が後の方になってしまうので印象に残るかな~?と思っていましたが杞憂でした!(笑)

おわまりさん(警察)だが髪は長くヘラヘラしていて警察ぽっくなく、世間一般のおわまりさん(警察)像からかなりかけ離れたキャラクターで最初は心配でしたが、いざ推理が始まると鋭く切り込んできて解決していくんですね~!

しかもチャラそうに見えておわまりさんなのに何でこんなに鋭い推理が出来るのかと疑問に思っていたのですが、あらすじにも書いているのでネタバレでは無いですが、狩野元刑事でしかも『落としの狩野』と呼ばれており敏腕刑事でしたがある事件をきっかけに交番勤務になってしまします。そこら辺の事情も読み進めて行けば判明するのでお楽しみに!!

今作【偽りの春】は今までの おわまりさん(警察) 像を覆してくれる作品でキャラが立つ主人公狩野が魅力的な作品でもあります!!

そこで繋がるか!?

冒頭に書きましたが今作【偽りの春】は短編小説と言うより連作短編小説と言った意味が最後まで読んでいると分かって下さると思います!!

1話1話でも最後にしっかりオチもありそれぞれの話に余韻に浸れる物語達ばかりですが、あるお話を読んでいる時に急に『そこで繋がるか~!!』と驚かされる事になるでしょう!!しかもそれが狩野自身にも深くかかわってきてそれまでに少し匂わせていた謎も解決していきます!やはり降田天作品に今の所ハズレは無いので次回作も楽しみですね~!!

今作【偽りの春】の続編で 狩野雷太 が主人公の長編小説【朝と夕の犯罪】の発表も決定しているので早く読みたくて仕方がありません!毎回降田天の最新刊を楽しみにしながら改めて【朝と夕の犯罪】を読み終えたら感想記事を書きたいと思います!!

偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理】

バンディー的オススメ度

★★★★★★★★★☆

-