直木賞作家が贈る嫌ミス短編小説!?【儚い羊たちの祝宴】ネタバレ無し感想!!

ハイ!ど~も、バンディーです!!

今回紹介する作品は【黒牢城】直木賞を受賞した米澤穂信の短編小説【儚い羊たちの祝宴】をネタバレ無しで紹介していきます!!

今作【儚い羊たちの祝宴】は米澤流の嫌ミス作品となっており一話一話が効いてる作品達が揃ってます!

それぞれにラスト1行で強烈な一撃が・・・!?

概要

  • 作品名:【儚い羊たちの祝宴】
  • 作者:米澤穂信
  • 発売日:2008年11月28日(単行本)
  •             :2011年7月1日(文庫本)
  • 発行所:新潮社

あらすじ

夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。翌年も翌々年も同日に吹子の近親者が殺害され、四年目にはさらに凄惨な事件が。優雅な「バベルの会」をめぐる邪悪な五つの事件。甘美なまでの語り口が、ともすれば暗い微笑を誘い、最後に明かされる残酷なまでの真実が、脳髄を冷たく痺れさせる。米澤流暗黒ミステリの真骨頂。

引用:新潮社

米澤作品のダークサイド作品!?

今作【儚い羊たちの祝宴】は米澤作品のダークサイド作品って言っても過言ではないとバンディーは思っています!ラスト1行に待ち受ける衝撃にきっと驚かされるでしょう!

それまで米澤作品は【氷菓】【小市民シリーズ】のような青春小説や日常を描くイメージが強かったですが、今作【儚い羊たちの祝宴】でイメージが一変しましたね~!こんな毒が効いた作品は予想外でした!

ダークサイド作品で嫌ミスにも分類される今作【儚い羊たちの祝宴】ですが今までにも北村薫【盤上の敵】湊かなえ【告白】を紹介しましたが嫌な気持ちになりますがあのが癖になるんですね~!米澤流の嫌ミスの出来映えはどうなのか!?

各話を簡単に感想

これからは今作【儚い羊たちの祝宴】全5話で構成されているので各話を簡単に感想書いておきます!

第1章:身内に不幸がありまして

孤児院で育った夕日が丹山家の使用人として暮らし始め、丹山家の娘吹子とのやり取りがメインに話が進んでいきある事件が起こり最後には・・・

この話は夕日の手記で話が進んでいくのですが、話の内容自体は何となくオチは想像つきやすくラスト一行でやっぱりな!って感想でした!ここで初めて吹子が籍を置く『バベルの会』が出てきます・・・。

第2章:北の館の罪人

内名あまりは母が亡くなった時に名家六綱家の前当主の妾の子と判明し、六綱家を頼り訪れるが離れの館に幽閉されそこで六綱家の長男の早太郎の世話をし始めるが・・・

あまりに早太郎が色々なお使いを頼むのですがその品物を早太郎が全部何に使うか考えたらある行動が浮かび上がってきます!

しかし、やはり一筋縄ではいかず予想外の展開を迎え成る程な~って思いましたがまさかそれもラストの伏線になってるとわ!お見事!!

第3章:山荘秘聞

使用人の屋島守子は新たに飛鶏館の管理を任され働き始めますが、そこに働き始めて1年経っても誰も館を利用することなく日々過ぎて言った時に山で遭難した男性越智を助け看病していた時に越智を探しに来た救助隊が飛鶏館を訪ねて来るが・・・

バンディーはこの章が1番好きですね~!守子が以前名家で働いてた時の働き方で守子が何やらヤバそうな仕事を対応してた描写が出て来て守子って危険な人物かもって思い始めます。

しかしラストでは伏線を見事に回収され二重二重バンディーはやられました!他の話と毛並みが違うのも良かったです!

第4章:玉野五十鈴の誉れ

名家小栗家で産まれた純香は厳格な祖母から専用の使用人玉野五十鈴をプレゼント?されます。ここから純香と五十鈴の関係を越えた友情が芽生え始めますが、ある事件をきっかけにその関係性が思いもよらね展開を迎えるのでした・・・

今作【儚い羊たちの祝宴】の中でもこの『玉野五十鈴の誉れ』が1番印象に残るんではないでしょうか!?

とりあえず何も考えずにとにかく読んでみて下さい!『始めちょろちょろ、中ぱっぱ。赤子泣いても蓋取るな』が頭から離れなくなるはず!

第5章:儚い羊たちの晩餐

『バベルの会』で使用していた荒れ果てた部屋である人物が大寺鞠絵の手記「バベルの会はこうして消滅した」を発見しこの章ではその手記を回想する方で話は進みます。

鞠絵の家に厨娘を雇う事になりますが腕は確かですが色々と面倒な事が多々ありますがそれでも鞠絵の父親は見栄をはって雇い続けます、ある日厨娘に鞠絵が『アミルスタン羊』を使った料理を依頼する事で・・・

ついに第5章でガッツリ『バベルの会』の事が描かれていますが、それよりもバンディーは『アミルスタン羊』の意味が分かった時はかなり恐ろしく嫌な気持ちになり、今作【儚い羊たちの祝宴】が暗黒小説って言われてる意味が分かりました!

緩い連作短編小説だった

今作【儚い羊たちの祝宴】は単なるラスト1行で衝撃が走る短編小説だと思っていましたが、各話に『バベルの会』だったり『使用人』が重要な登場人物だったりと共通点は意外にありました。

そして最終章でやっとそれまでの話が『バベルの会』で繋がってた緩い連作短編小説だった事に気付きます!連作短編小説が好きなバンディーはかなり嬉しい仕掛けでした!

何よりも読んでいて青春小説のイメージが強かった米澤作品の新たな一面がみれた作品ですし、こんな残酷な嫌ミスを書ける米澤穂信には脱帽で色々な作品を書ける総合格闘家のようなオールマイティーな作家だと痛感しました!!

【儚い羊たちの祝宴】

バンディー的オススメ度

★★★★★☆☆☆☆☆

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