明治時代×鉄道ミステリー!山本巧次【開化鉄道探偵】ネタバレ無し感想!!

ハイ!ど~も、バンディーです!!

今回紹介する作品は山本巧次の鉄道ミステリー【開化鉄道探偵】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!

山本巧次作品は今作【開化鉄道探偵】で初めて読みますが、以前から気になったいたので読むのが楽しみですね~!!

先が気になる鉄道ミステリー!!

概要

  • 作品名:【開化鉄道探偵】
  • 作者:山本巧次
  • 発売日:2021年8月11日(単行本)
  •             :2021年2月12日(文庫本)
  • 発行所:東京創元社

あらすじ

明治12年。鉄道局技手見習の小野寺乙松は、局長・井上勝の命を受け、元八丁堀同心の草壁賢吾を訪れる。「建設中の鉄道の工事現場で不審な事件が続発している。それを調査してほしい」という依頼を伝えるためだった。日本の近代化のためには、鉄道による物流が不可欠だと訴える井上の熱意にほだされ、草壁は快諾。ところが調査へ赴く彼らのもとに、工事関係者の転落死の報が……。

引用:東京創元社

山本巧次と鉄道

山本巧次は2018年の【阪堺電車177号の追憶】第6回大阪ほんま本大賞を受賞しており、その時にバンディーは山本巧次の存在を知り気になっていました!

山本巧次の作品は鉄道を扱った作品が多く鉄道小説=山本巧次みたいに勝手にバンディーは思っていましたがあながち間違いではなく、作者の山本巧次は実際に鉄道会社に勤務しているのを知り鉄道を扱った作品が多いのにも納得しました!

そんな山本作品ですが今回紹介している【開化鉄道探偵】『このミステリーがすごい!』で第10位にランクインし、ミステリー色が強そうで気になっていた今作で初山本作品デビューを果たしました!!

絶妙な時代設定!?

今作【開化鉄道探偵】は先程も書きましたが時代設定が明治時代で明治12年が舞台で京都から大津間(滋賀)の鉄道を建設中で、その間にある逢坂山トンネルの工事現場で不審な事故が相次ぎその真相を探るのが今作のメインとなります。

以前はどんなジャンルの小説でも現代が舞台の作品でないと読みませんでしたが、最近は読書レベルが上がって来たのか抵抗がなくなったきました!やっぱり読まず嫌いは駄目ですね~!!

最近では以前紹介した、本格ミステリ大賞と日本推理作家協会賞をW受賞した芦辺拓【大鞠家殺人事件】は戦前から戦後が舞台ですし、伊吹亜門【刀と傘】は明治、【雨と短銃】は幕末、【幻月と探偵】は戦前と面白い作品に出会った事で今では昔の時代いわゆる歴史ミステリーの方が最近読んでて楽しくなります!!

これぞミステリー!

今作【開化鉄道探偵】は鉄道建設の途中で起きた工事関係社の転落死やトンネルでの相次ぐ事故を解決するため、元八丁堀同心の草壁と鉄道局技手見習いの小野寺のコンビが事件を解決していきます!

やはりミステリーと言えば探偵と助手という理想の登場人物で元八丁堀同心って何かな~?って気になり調べたら今でいう警察みたいな役割で、いわば今作では草壁は探偵役って事です!

なぜ今は同心ではないのか?等草壁の過去が気になりだしますが、ある程度読み進めていけば判明します何より草壁自身のキャラクターが良いですね~!最初はよそよそしかった小野寺との関係性も徐々に良くなっていく点もグッドでした!!

草壁と小野寺の二人が事件を調べていく様子は久しぶりに王道的なミステリーを読んだ気がして、妙な安心感があり改めてミステリーはいいなと思いました!そう思える作品に出会えるのは結構重要です!!

黒幕が少し気になったが・・・

工事現場には鉱山で働いている職人やトンネル工事のために集められた荒くれもの達、鉄道が完成することをよく思わない地域住民などそれぞれの思惑をもった人物達が登場し全員が怪しく思えてしまいます。

薩摩や長洲といった派閥がありその当時の次第背景が作品に反映されており、現代ではなく明治時代だからこそ醸し出せる作中の雰囲気がかなり好みでした!

唯一気になったのは事件の黒幕に対してですね~!真相が判明するまでは先が気になりワクワクしましたが、黒幕が判明した時点であまりにも大きくかけ離れていたので興醒めしましたが、当時の事を考えたらアリな設定かもしれませんが・・・。

最後だけ失速してしまいましたが、明治時代と鉄道ミステリー2つが上手く融合した作品で久しぶりにしっかりしたミステリーを楽しめたので、鉄道好きな方やミステリー好きな方には今作【開化鉄道探偵】はオススメです!続編の【開化鉄道探偵 第一〇二列車の謎】もあるので早く読みたいです!!

【開化鉄道探偵】

バンディー的オススメ度

★★★★★★★☆☆☆

【サクッと!オススメ作家別リスト!!】

-