ハイ!ど~も、バンディーです!!
今回紹介する作品は斜線堂有紀の特殊設定の本格ミステリー【楽園とは探偵の不在なり】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!
斜線堂有紀作品は以前紹介した作品【恋に至る病】に続いて2作品目になりますが全く違った作風で驚きました!(いい意味で)
特殊設定だけではなくトータル的に面白い作品であった!
概要
- 作品名:【楽園とは探偵の不在なり】
- 作者:斜線堂有紀
- 発売日:2020年8月20日(単行本)
- :2022年11月16日(文庫本)
- 発行元:早川書房
あらすじ
2人以上殺した者は“天使”によって即座に地獄に引き摺り込まれるようになった世界。過去の悲惨な出来事により失意に沈む探偵の青岸焦(あおぎしこがれ)は、「天国が存在するか知りたくないか」という大富豪・常木王凱(つねきおうがい)に誘われ、天使が集まる常世島(とこよじま)を訪れる。そこで青岸を待っていたのは、起きるはずのない連続殺人事件だった。犯人はなぜ、どのように地獄に堕ちずに殺人を続けているのか。
引用:早川書房
流行り!?の特殊設定ミステリー
今回紹介する作品【楽園とは探偵の不在なり】はミステリー界隈で流行っている!?特殊設定のミステリー作品となっています!『2人以上殺した者は“天使”によって即座に地獄に引き摺り込まれるようになった世界。』が舞台の作品で『天使』が当たり前にいる世界なんですね~!
特殊設定の本格ミステリーは他にもあり、バンディーが以前に紹介した作品では今村昌弘【屍人荘の殺人】や白川智之【名探偵のいけにえ】、【おやすみ人面瘡】や摩耶雄嵩【神様ゲーム】そして2022年の最大の話題作夕木春央【方舟】も特殊設定の本格ミステリーです!まだ読んだ事ない方は参考までに上記の作品達を読んでみては如何でしょうか!?
普段のミステリーでは飽きてきた方には特殊設定ミステリーは新鮮さはあるし、やっぱり日常世界とは違うので意外性があるので面白いんでしょうね!しかし、特殊設定の本格ミステリーホントに増えましたね!?今1番アツイジャンルですね。
制約を上手く使っている
今作【楽園とは探偵の不在なり】は天使が実在する世界もユニークですが、2人以上殺したら天使によって地獄に落ちる制約があり裏を返せば1人までなら殺人を犯しても大丈夫という認識が出来てる世界観が活きてきます!
主人公の焦は職業は探偵で作中でも事件の解決の為に推理していきますが、過去に同じ探偵事務所の仲間達に悲劇が訪れ焦自信もその事件以降探偵業も積極的に行わず喪失感を抱いたまま生きていました。
大富豪の常木から天使が群がる島『常世島』に招待されるのですが、この島で事件が起こるんですね~!孤立した島!ミステリー作品ではお馴染みの『クローズドサークル』ですし、天使の設定を上手く活かした物語は流石の一言でした!!
再生の物語
今作【楽園とは探偵の不在なり】は先ほど書いたように探偵仲間を失った主人公で探偵の焦の再生の物語でもあります。
読んでいく内に焦の過去に何が起こったか判明していきますが、読み始めてから焦が本当に失意の底から未だに抜け出せないでいるのも分かりましたし、仲間達のエピソードも描かれているので余計にグッとくるものがありました!!
読み終わって感じたのは冒頭でも紹介した白井智之【名探偵のいけにえ】と同じ感情を抱きました!あまり詳しく書くとネタバレになるのですが、両作品読んだ事ある方は分かってくれるはず!?
満足できる特殊設定ミステリー!
今作【楽園とは探偵の不在なり】は天使が存在し『2人以上殺した者は“天使”によって即座に地獄に引き摺り込まれる』や天使が持つ独特な特性等を上手く活かした特殊設定の本格ミステリーです!
『このミステリーがすごい!』等のミステリーランキング本に上位にランクインしたのにも納得の出来でしたし、設定がクセ強かったので敬遠していましたがもっと早く読んでおくべき作品でした!ただ犯人が判明してからは意外にあっさりだったのが気になりましたが・・・。
今作【楽園とは探偵の不在なり】は久しぶりに読んで満足出来た作品でした、なんなら焦の仲間達は亡くなっていますが、生前の『青岸探偵事務所』の活躍をスピンオフでもいいので読みたいと心から願っています!!
【楽園とは探偵の不在なり】
バンディー的オススメ度
★★★★★★★★☆☆