白井智之の最高傑作ミステリー!?【名探偵のいけにえ 人民教会殺人事件】ネタバレ無し感想!!

ハイ!ど~も、バンディーです!!

今回紹介する作品は白井智之のミステリー小説【名探偵のいけにえ 人民教会殺人事件】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!

白井智之作品今までに読んだ事ありますが、エログロ特殊設定のミステリー作品が多いですが、今作【名探偵のいけにえ 人民教会殺人事件】でバンディーは白井智之に対する考え方を改めました!

タイトルは目を惹くが肝心の中身は・・・

毒

概要

作品名:【名探偵のいけにえ 人民教会殺人事件】以下【名探偵のいけにえ】

作者:白井智之

発売日:2022年9月15日(単行本)

発行所:新潮社

あらすじ

病気も怪我も存在せず、失われた四肢さえ蘇る、奇蹟の楽園ジョーデンタウン。調査に赴いたまま戻らない助手を心配して教団の本拠地に乗り込んだ探偵・大塒は、次々と不審な死に遭遇する。奇蹟を信じる人々に、現実世界のロジックは通用するのか? 圧巻の解決編一五〇ページ! 特殊設定、多重解決推理の最前線!

引用:新潮社

白井智之作品

今作【名探偵のいけにえ】を紹介する前に作者白井智之の他の作品について簡単ですが触れておきます!

白井智之作品はとにかく今まで読んだ事ない特殊設定(身体に顔の瘤が出来る奇病やミミズ人間等々)の作品が多く、エログロ描写もありB級映画のノリですが作品はしっかりミステリー要素のある作品です!

【おやすみ人面瘡】はミステリーランキング上位にランクインしたどんでん返し要素もあるオススメしたい作品です!エログロ要素もあり人を選ぶ作品が多いですがその世界観が癖になるので一度読んでみて欲しいと思います!!【お前の彼女は二階で茹で死に】はタイトルからぶっ飛んでるのが判りますね!?(笑)

名探偵の◯◯シリーズ!?

今作【名探偵のいけにえ】は以前に読んだ【名探偵のはらわた】とはタイトルは『名探偵の◯◯』と似ていますが続編ではないので【名探偵のはらわた】を読んでいなくても問題無いので安心して下さい!

【名探偵のはらわた】【名探偵のいけにえ】ってタイトルはかなり目を惹きどこか既視感を覚えたので考えたら、昔のホラー映画で『死霊のはらわた』、『悪魔のいけにえ』のオマージュタイトルでした(笑)もし次回作があるのなら一体どんな『名探偵の◯◯』になるのかも気になる所ですね~!!

【名探偵のはらわた】は過去の日本史に残る凶悪殺人犯が現代に蘇った、殺人気VS名探偵っていう設定がすでにぶっ飛んでましたが、今作【名探偵のいけにえ】は一体どのような作品になるのか!?

タイトルで損をしている!?

今回紹介している【名探偵のいけにえ  人民教会殺人事件】はタイトルもかなり目を惹きますよね~!いけにえだけでも充分目立ちますが更に『人民教会殺人事件』ですからね(笑)

特にサブタイトルの『人民教会殺人事件』は丁度リアルタイムで巷で騒がれている統◯教会を連想してしまいますので、タイトルだけで敬遠してる方もいるかも知れないので損している気がします!

バンディー自信も人民教会はカルト教団として描かれているのでちょっとどうかな~?って思ってましたが、読んでみたらしっかりミステリー作品で驚きました!やっぱり読まず嫌いは駄目ですね!

白井智之の集大成作品!?

今作【名探偵のいけにえ】を読み終わった後の率直な感想は『今作は白井智之の最高傑作かも!?』って思いました!今まで読んだ【おやすみ人面瘡】【お前の彼女は二階で茹で死に】に比べたらエログロ要素が少なくかなり読みやすくなってるので今まで白井作品苦手な人こそ読んで頂きたいです!

エログロ要素を無くしてしっかりミステリー要素で勝負している所が今までの白井智之作品の『集大成』のような気がしてかなり期待が持てました!

どんでん返しがあるような作品では無いですが、多重解決ミステリーになってますので何度も推理を楽しめます!どんでん返しが好きなバンディーでもどんでん返しが無くても充分作品に引き込まれて先が気になりました!

カルト教団の本拠地が舞台!

今回紹介している【名探偵のいけにえ】は奇蹟を引き起こす?カルト教団人民教会の本拠地奇蹟の楽園ジョーデンタウンが舞台となっています。海外が舞台ですが海外小説の翻訳作品よりは読みやすいのでその点は安心して読めます!

物語序盤は日本が舞台で探偵事務所の大塒と助手兼アルバイトのりり子が悪名高い『108号』が起こした事件を解決します、そこでりり子の方が探偵としての才能があることが分かります、その後りり子がジョーデンタウンに調査しに行ったまま戻って来ない為、大塒が乗り込む所から物語は進みだします!

大塒がりり子を救出するためにジョーデンタウンに向かうまでに驚く展開があり、エログロ要素は無いですが今作【名探偵のいけにえ】が白井作品だと言う事を忘れていました(笑)

奇蹟を起こす教祖を調べ始めた所で殺人事件が起き続けて事故が起こりようやくミステリー小説らしくなってきます!テンポが良く先が気になる展開はグッドです!

多重解決ミステリー

今作【名探偵のいけにえ】は物語終盤で事件を本格的に解決する事になります、その時に奇蹟を信じる者達の立場からの解決、もう1つは奇蹟を信じない者達の立場からの解決1つの事件に対して2通りの謎解きが披露されます!

1つの事件に対して様々解決法を提示する『多重解決ミステリー』と呼ばれますが最初バンディーはあまり好きではなかったのですが、同じく多重解決ミステリーで紹介した紺野天龍【神薙虚無 最後の事件】を読んで面白さに気付かされました!そして今作【名探偵のいけにえ】もかなり楽しめた作品でした!

1つの事件で2つも謎解きを楽しめるのはかなり嬉しいですね~、しかも一つ一つの解決も『奇蹟』『現実的』の解決両方ともしっかりそれぞれの設定を活かした楽しめたのには驚きました!

一度読んだら止まらない!

今作【名探偵のいけにえ】の最初のページを捲ってからは最後まで一気に駆け抜けました!作中様々な事件も起こりますし、驚く展開もありでミステリーとしての最低ラインは軽々と越えています!

伏線もしっかりあり上手く回収しており、読み終わった後タイトル『名探偵のいけにえ』の意味もしっかり回収してるのには天晴れでした!

今までは白井智之はエログロがふんだんに盛り込まれた特殊設定のミステリーが得意な異質な作家ですが、今作【名探偵のいけにえ】を読んだらしっかり本格的ミステリーも書ける作家で次の作品期待せずにはいれないですね~!!

最後に本作で書かれている表現がありそれだけどうしても印象に残ったので書いておきますが、作中に人の『吐瀉物』を表す表現で白井智之は『げぼ』って書いてる所に個人的にかなりセンスを感じました(笑)

『吐瀉物』でも『ゲロ』でもなく『げぼ』!(笑)かなり浮いた表現でしたが白井智之っぽさを感じました。今作【名探偵のいけにえ】はそんな面白い表現をする作家白井智之の集大成と言える作品なんで是非色んな方に読んで貰いたいですね~!終盤の解決パートは圧巻です!!

【名探偵のいけにえ 人民教会殺人事件】

バンディー的オススメ度

★★★★★★★★☆☆

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