令和を代表する警察小説爆誕!?伏尾美紀【百年の時効】ネタバレ無し感想!!

ハイ!ど〜も、バンディーです!!

今回紹介する作品は伏尾美紀の警察小説【百年の時効】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!

伏尾美紀作品は初めて読みますが、タイトルで惹かれて読んで見ようと決めました、警察小説も好きなので楽しみですね〜!!

3つの年号をまたぐ壮大な物語

時計

概要

  • 作品名:【百年の時効】
  • 作者:伏尾美紀
  • 発売日:2025年8月20日(単行本)
  • 発行所:幻冬舎

あらすじ

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一筋縄ではいかない警察小説

今回紹介している【百年の時効】は冒頭でも書きましたがジャンルは警察小説にあたります。

若い頃はあまり警察小説が好きでは無かったですが、警察小説の良さが分かり初めてからは好きなジャンルになりました。

やはり横山秀夫作品の影響が大きかったですね〜。

バンディーと同じように警察小説読み始めてみようと思う方は横山秀夫作品から入るといいかもしれません!

内容も壮大ですが、同じく似た作品で佐々木譲【警官の血】西村健【地の底のヤマ】があります、どちらもバンディーが読んできた警察小説の中でもかなり評価が高い2つなのでまだ未読の方は是非ともチェックして頂きたいです!!

どうしても【警官の血】【地の底のヤマ】両作品と比べる事になってしまうので、今作【百年の時効】がどこまで食い込んでくるのか楽しみで仕方ありません!

百年の時効

今作【百年の時効】はタイトルからも分かる通りある未解決事件の時効を扱った作品で、残り1年という残された時間で捜査していく事になります。

1974年に起こった一家惨殺事件がメインにあります、しかし、冒頭は現在の令和が舞台の物語から始まります。

アパートで見つかった老人の死体から物語が動き出します。

最初に登場する警察を引退して老後を過ごす湯浅、体調も宜しくなく余生の事も考え始めています。

昔捜査の時に相棒であった先輩刑事鎌田が亡くなってしまい、昔の事件の事を思い出します。

湯浅と亡くなった鎌田が捜査に携わった1975年の一家惨殺事件は未だ解決されておらず、それだけが心残りになっており、亡くなった鎌田も同じ気持ちだったはずです。

この湯浅と鎌田は後の物語に登場する重要なキャラクターだと読んでいくうちに理解していきます。

令和に老人の死体の現場に携わった女性刑事藤森は上司草加から湯浅も関わった1974年一家惨殺事件の捜査を打診されます、とある理由で1年のタイムリミットありで・・・。

事件の捜査を決心した藤森に上司は当時事件に携わったある刑事の捜査日記を手渡すのでした。

それが先ほど登場した元刑事で今は引退して年老いてしまった湯浅の日記でした。

この流れは最高にワクワクして続きが気になって仕方ありませんでした!!

昭和、平成、令和

今作【百年の時効】昭和、平成、令和3つの年号を跨いだ壮大な作品になっています!

先ほど書いた通り最初は令和でした、次は昭和の1975年に起こった事件が描かれます。

まだ20代後半の湯浅は若々しく駆け出しの警察です、一家惨殺事件に最初に臨場しており生き残りの少年を発見するのでした。

捜査をするに当たり捜査一課の人間と組むことになります、その相棒が先ほど紹介して亡くなってしまった鎌田でした。

バリバリ現役の時の鎌田は豪快で典型的な昭和の刑事でした、湯浅はそんな鎌田と最初は反りが合わずぶつかり合いますが、徐々に鎌田も湯浅の事を認めるようになり段々と良いバディになっていきます。

このやり取りは警察小説では定番ですが、やはりいつ読んでもこの展開はいいですね〜!

捜査していくうちに更に遡った年代の事件も関係していることが分かりだし、捜査はかなり複雑になっていきます。さ

重要参考人もいるが決め手が無いまま、事件は解決出来ず時間だけが過ぎていきます。

時は経ち平成に突入し、主人公は湯浅から鎌田にバトンタッチにかります、一家惨殺事件は鎌田達が考えてた容疑者とは違う人物が捕まりとある事情で捜査は縮小される事になります。さ

それでも鎌田は自分の仕事の合間に調べており、自分が引退した後も事件を引き継げるように後任を任命します、それば藤森の上司である草加でした。

平成は激動の時代で現実にも起こったオウム真理教の地下鉄サリン事件も描かれます。

そして草加も幼馴染がオウム真理教信者だった為、関係があると疑われ捜査から外され事件解決が遠のいていくのでした・・・。

時代

今作【百年の時効】は年号を3つ跨いだいるからこそ色んな要素が関係していきます。

昭和の時代は科学捜査が発展しておらず、血液やDNA,指紋等の捜査がまだまだ活きて来ない時代として描かれています。

平成、令和と時代が変わる事に科学捜査が進歩し最後の最後で活きてくるのも良かったし、一家惨殺事件の時に科学捜査が発展していたらもっと違った形で事件は解決したと思ったら色々考えてしまいます。

作品はフィクションだが実際に起きた事件や宗教問題、満州での出来事などなど史実を織り交ぜて上手く物語が構成されている。

刑事たちの想い

今作【百年の時効】年代を3つ跨いだ壮大な物語ですし、4人の刑事たちの想いがバトンタッチで引き継がれて事件解決に向かっていく様は素晴らしかった!

昭和から始まるのではなく、令和から始まったのも良かった、年老いた湯浅、亡くなった鎌田、下っ端から管理職にまで上り詰めた草加、そして現役の刑事藤。

若い頃の湯浅、鎌田、草加を知ることが出来るし何より鎌田が亡くなってしまうのが確定しているから読んでて途中から辛くなった、鎌田のキャラクターが好きだったから余計に堪えた・・・。

だからこそ3人の熱い想いを受け捜査する藤森には頑張って欲しかったし、最後に草加と藤森2人で捜査するとこを読んでいるとはっきりと意志が受け継がれてるのが分かった。

警察小説でありながらミステリー要素もあり社会派も扱った全ての要素が詰まった作品であった!

満州問題のあたりが少し個人的に難しく感じてテンポが悪く感じたとこ以外は文句のつけようが無かった。(もっと社会を勉強しとくべきだったと反省)

久しぶりに凄い作品に出会った!!

決して読みやすい作品では無いが、1度は読んで欲しい作品でした。

【百年の時効】

バンディー的オススメ度

★★★★★★★★★☆

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