ハイ!ど〜も、バンディーです!!
今回紹介する作品は山本巧次のミステリー小説【災厄の宿】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!
山本巧次は鉄道ミステリーが得意ですが、今回は鉄道ミステリーではないですが、手に汗握る作品になってます!!
地元徳島が舞台の数少ないミステリー作品!?
概要
- 作品名:【災厄の宿】
- 作者:山本巧次
- 発売日:2024年1月19日(文庫本)
- 発行所:集英社
あらすじ
昭和51年、台風の影響で強い雨が降り続く中、弁護士事務所の嘱託調査員の上坂徹郎は、休暇で徳島の人里離れた旅館を訪れる。
引用:集英社
だが、散弾銃と爆破物を手にした男が押し入り、籠城事件の人質の一人に。
さらに、警察に包囲された旅館の中で不可解な殺人が起き、川の氾濫や土砂崩れといった自然の脅威も差し迫って――。
手に汗握る怒濤の展開で、読み始めると止まらない!
分刻みの旅情ミステリー長編。
鉄道ミステリーの名手
山本巧次は鉄道を扱った作品やミステリー小説が得意で、以前にも紹介した【開化鉄道探偵】は鉄道ミステリーでも満足出来た作品でしたし、【阪堺電車177号の追憶】は『大阪ほんま本大賞』を受賞しています。
山本巧次は鉄道会社に勤務しながら作品を書き上げて行きました!鉄道会社に勤務していたから鉄道ミステリーにリアリティや熱を感じたのに納得しました!
そんな鉄道を扱った作品が得意な山本巧次が題材にしたのは徳島の秘境が舞台の作品です!
地元徳島が舞台だから親近感が
今回紹介している【災厄の宿】は先ほど書いた通り、徳島の秘境祖谷の宿で事件は起こります。ちなみに鉄道関係は出てきません!
皆様には全く関係ありませんが、徳島はバンディーの故郷でしてあまり徳島が舞台の小説は無いので親近感と嬉しさが他の作品よりは強い気がします。
徳島はバンディーが住んでた時は徳島県には電車が無く汽車『ディーゼル機関車』が走っています、それが当たり前だったので大阪で初めて電車に乗った時は乗り方や女性専用の概念が無かったのでくっそ焦りました(笑)
今作【災厄の宿】は徳島でも祖谷が舞台で、徳島の中でもかなり山奥で18年間住んでいても1、2回しか訪れた事がないです。祖谷のかずら橋があり秘境と呼ばれるだけあり作品の舞台にはピッタリだと思いましたね〜!
立て篭もり事件と災害
【災厄の宿】はタイトルにもありますが、徳島の秘境にある旅館(宿)で事件が起こります。しかも起こる出来事はそれだけではなく目まぐるしい展開が飽きずに読むことが出来ました!
主人公は弁護士事務所の嘱託調査員をしている上坂徹郎です、上坂も別の仕事が終わり徳島の宿で休もうとしていたら災難に見舞われます。
急に旅館に銃を持った男が現れ旅館にいる人達を人質にして立て篭もり事件が起こります、犯人は何やら要求があり警察に対して色々な要望をだし徐々に全貌が明らかになります。
しかも立て篭もり事件だけでは無く他にも災難に見舞われます、その一つが台風のせいで旅館の周りも土砂崩れに襲われる危険性がありタイムリミットが迫ってきます。色々な要素が加わりメリハリと緊張感が生まれます!
予想外の出来事がさらに・・・
籠城事件と土砂崩れ以外にも旅館内で新たな事件が起きてそこで上坂が活躍することになります。籠城犯と上坂の奇妙な関係性が以外にも良かった。
その事件のお陰で上坂のそれまでの数々の言動に違和感がありましたが、その正体も読み進めて行けば判明しますがそこから一気に物語が楽しくなります!
一つの作品の中に色々な要素や出来事が起こり、それらが上手く絡まり作品をより楽しくさせました。
プロローグとエピローグが良かった!
最後になりますが、今回紹介した【災厄の宿】は事件の舞台は1976年ですが、最初のプロローグと最後のエピローグは現代が舞台になってます。
1人の老人が祖谷をバスに乗って訪れており、最初は何の話か分からなかったですが、最後まで読み終わった後にエピローグを読むと話が繋がり最後まで楽しめる構成は良かったです!
少し残念な点は犯行の謎はありきたりであまり驚きは無かった点です、もう少し長く上坂の話を読みたかったので、上坂を主人公に別の作品を読みたいと思いましたね〜!
全国を回って行く話でも面白そうですが、また徳島を舞台にしてくれたら嬉しいです!
【災厄の宿】
バンディー的オススメ度
★★★★★★★★☆☆