3世代に渡る壮大な物語【赤朽葉家の伝説】ネタバレ無し感想

ハイ!ど~も、バンディーです!!

今回は3世代に渡る壮大な 物語の【赤朽葉家の伝説】を紹介していきます!!

f:id:band0116:20200809085944j:plain

一族の過去から未来を描いた壮大な物語

概要

作品:【赤朽葉家の伝説】

著者:桜庭一樹

発行日:2006年12月28日(単行本)

:2010年9月18日(文庫本)

発行所:東京創元社

あらすじ

【第60回日本推理作家協会賞受賞】
「山の民」に置き去られた赤ん坊。この子は村の若夫婦に引き取られ、のちには製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれて輿入れし、赤朽葉家の「千里眼奥様」と呼ばれることになる。これが、わたしの祖母である赤朽葉万葉だ。――千里眼の祖母、漫画家の母、そしてニートのわたし。高度経済成長、バブル崩壊を経て平成の世に至る現代史を背景に、鳥取の旧家に生きる3代の女たち、そして彼女たちを取り巻く不思議な一族の血脈を比類ない筆致で鮮やかに描き上げた渾身の雄編。

引用:東京創元社

壮大な物語な作品たち

今回紹介する【赤朽葉家の伝説】も3代に渡る壮大な小説ですが、他にもよく似た作品があります。

【警官の血】【赤朽葉家の伝説】と同じく3代に渡って描かれていますが、こちらは女性3代の物語(祖母、母、私)ですが、【警官の血】は男性3代の物語(祖父、父、私)です。

こちらは代々祖父から私まで職業が警察官の物語が紡がれており、重厚な作品で「このミス2008年版」1位の作品でとても面白い作品です!!しかも上下巻の大作です!

(ちなみに2位は赤朽葉家の伝説です)

もう一点は【地の底のヤマ】ですね!!こちらは以前紹介しましたが、警察官の主人公猿渡鉄男の半生を描いた作品です。

こちらは鉄男のみの半生を綴った作品ですが、バンディー一押しの大作なので是非読んで頂きたいですね!

構成

戦後の(祖母)赤朽葉万葉の物語から始まり、(母)赤朽葉毛毬、(私)赤朽葉瞳子の物語が3章に分かれて書かれています。

①赤朽葉万葉:1953年~1975年 最後の神話の時代

辺境の人に捨てられたが、多田の若夫妻に育てられ、千里眼の能力に悩まされながらも赤朽葉家に嫁いでいき赤朽葉3代の物語が始まる・・・

②赤朽葉毛毬:1979年~1998年 巨と虚の時代

丙午に生まれた暴れん坊の毛毬が、暴走族の頭として暴れ回り制覇していく物語が描かれ、そのあとは意外な職業に就きその後の話が・・・

③赤朽葉瞳子:2000年~未来 殺人者

現代の主人公の話、祖母が残した言葉の真意を探し始める。

タイトルの殺人者とは一体・・・

バンディー的感想

各々の章の話もしっかり練りこまれていて単体でも凄く読み応えのある作品です。

1人1人の登場時人物が魅力的で読んでいて引き込まれました。

自分が生まれた年代も描かれているので当時の時代背景を思い出しながら読むともっとのめり込めると思います!!

万葉が持つ千里眼の能力で悲しい未来を視てしまいその千里眼もある種の伏線になっている部分もあります。

ミステリーミステリーしているのでは無く、壮大な物語のスパイスとしてミステリー要素が含まれいている感じですね。

最終章では祖母万葉が残した言葉でその真意を探りだすのですが、最終章が一番ミステリー要素が強いと感じました、その真意に気づくとき美しくも悲しい真実が待ち受けています・・・

読み終わった後は自分自身も赤朽葉の物語を追体験した感覚に襲われます。

読後感はまた赤朽葉の物語にもう一度会いたいと思える悲しみと希望に満ちた作品でした!!

【赤朽葉家の伝説】

バンディー的オススメ度

★★★★★★★★☆☆

-