今までにない要素を取り入れた連作ミステリー小説【名探偵のままでいて】ネタバレ無し感想!!

ハイ!ど~も、バンディーです!!

今回紹介する作品は『このミステリーがすごい!』大賞で見事大賞を受賞した作品【名探偵のままでいて】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!

今作【名探偵のままでいて】は今までにない要素を取り入れた連作ミステリーで非常に読みやすい作品でした!

ミステリー愛を感じる作品!?

椅子

概要

  • 作品名:【名探偵のままでいて】
  • 作者:小西マサテル
  • 発売日:2023年1月7日(単行本)
  • 発行元:宝島社

あらすじ

かつて小学校の校長だった切れ者の祖父は、71歳となった現在、幻視や記憶障害といった症状の現れるレビー小体型認知症を患い、介護を受けながら暮らしていた。

しかし、小学校教師である孫娘の楓が、身の回りで生じた謎について話して聞かせると、祖父の知性は生き生きと働きを取り戻すのだった!

そんななか、やがて楓の人生に関わる重大な事件が……。

引用:宝島社

波がある『このミステリーがすごい!』大賞!?

今回紹介している作品【名探偵のままでいて】は冒頭でも書いた通り『このミステリーがすごい!』大賞大賞を受賞した作品です!

こういった書き方は失礼かも知れませんが、忖度無しに書くとバンディーは『このミステリーがすごい!』大賞をあまりあてにはしていません!特に決定的になったのは新川帆立【元彼の遺言状】でした!

【元彼の遺言状】はデビュー作でありながらテレビドラマ化もされかなりもうプッシュされていましたが、実際に読んでみたら全く響かずかなり過大評価された作品だと感じました、他にも話題には上がりますが別段面白い作品は無いのでした(あくまでも個人的な感想です)

ただ全部が面白くないと言う訳では無く、今作【名探偵のままでいて】降田天【女王はかえらない】等面白い作品や中山七里山本 巧次『このミステリーがすごい!』大賞から育った作者達もいるので一概にダメだとは思いませんが、新人が多い事もあり打率は低いと思います。

帯は無駄な推薦文はいらなかったかも?

今回紹介している【名探偵のままでいて】の作者小西マサテルを実は今作を読む前から実は知っていて、経歴にある通りラジオの構成作家をしています。

バンディーも昔聴いていた大好きな『ナインティナインのオールナイトニッポン』の構成作家を担当しておら番組内でも『小西さん』と度々名前が挙がってたので名物構成作家だと思っていたのですが、まさか作家デビューするとは思いませんでした!

本の表紙のイラストは素晴らしくかなり目を惹き今作【名探偵のままでいて】にピッタリだと思いました!ただ唯一残念だったのが岡村隆史の推薦文です!長年番組を作ってる戦友だからこそ帯を書いたのだと思いますが、岡村隆史のネームバリューがあれば売れる!って言う出版側の計算が鼻につきました(勝手な憶測ですが)そんな事をしなくても今作は作品の力だけでヒットしたと思うのでその点だけが残念でした・・・。

設定がいい!

今作【名探偵のままでいて】は主人公はですが、探偵役として祖父が登場します。しかも認知症でも普通の認知症では無く、幻視や記憶障害の症状が現れる『レビー小体型認知症』と言うものでバンディーも今作で初めて知りました。

そんな認知症の祖父ですがが持ってきた謎を解く時は生き生きしだすのですが、今までにあるようで無かった設定を取り入れた作品なのでどのような展開になるのか気になりながら読み進めました!

実際に作者の小西マサテルの父が実際に『レビー小体型認知症』を患っていた事も今作【名探偵のままでいて】の執筆に繋がっており、まだそこまで認知されていない『レビー小体型認知症』を作中に取り組む事ともっと世間にも知って貰いたい気持ちが読んでいても伝わってきます。

日常の謎系連作ミステリー

今回紹介している作品【名探偵のままでいて】はジャンルで言えば『日常の謎の系連作ミステリー』となっています!バンディーは連作ミステリーが好きだったのですんなり読めました!

1話1話の話は連続殺人事件が起こるような恐ろしいお話では無いのでミステリーが苦手な方や初めてミステリー読む方にはピッタリな作品ですね~!

楓が謎を祖父の所に持ち込み解決してもらう手法になっており、話の中にも祖父の『レビー小体型認知症』を上手く作品に落とし込んでいるのは流石でした。

謎解きは普段本格ミステリーを読んでる方達からしたら物足りないトリックや謎解きになってるのでそこが残念でしたね~!日常系な作品なので丁度いいかも知れませんが・・・。

作者のミステリー愛を感じる

今作【名探偵のままでいて】を読んでいて感じたのは古典ミステリーを作中で結構引き合いに出しており、作者小西マサテルのミステリー愛を感じました!

バンディーはそこまで古典ミステリーを読んでいないのですが、別に問題無く読めたのでご安心を!ただ古典ミステリーを知っていたらもっと作品を楽しめるのかなって思いました!

ただ唯一共感出来たのは翻訳ミステリーの弱点を書いており、その点はバンディーもずっと感じていた事なんで爽快でした!

優等生的な作品

今作【名探偵のままでいて】を読んで感じたのは、良い所も悪い所も見当たらない優等生的な作品に仕上がっているので、良い意味では『読みやすい』悪い意味では『印象に残らない』二面性を併せ持つ作品でした。

色々と力業で押しきったような設定もチラホラあったので気になりましたが、最終章のラストでの楓に対する選択肢が作中に出てきたあるお話から上手く繋がっている点は良かったでした!

久しぶりに『このミステリーがすごい!』大賞大賞を受賞した作品の中では『アタリ』の作品に出会えたので嬉しかったですね~!読みやすい作品なので万人にオススメしやすい作品でした!

【名探偵のままでいて】

バンディー的オススメ度

★★★★★★☆☆☆☆

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