ハイ!ど〜も、バンディーです!!
今回紹介する小説は夕木春央の大正時代が舞台のミステリー【サロメの断頭台】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!
以前紹介した【絞首商會】に続くシリーズ作品です、前作を読んでおけばすんなり登場人物達が頭に入りますが今作【サロメの断頭台】から読んでも全く問題ありません!!
終盤の不穏な雰囲気が恐ろしい!
概要
- 作品名:【サロメの断頭台】
- 作者:夕木春央
- 発売日:2024年3月14日(単行本)
- 発行所:講談社
あらすじ
油絵画家の井口は、元泥棒の蓮野を通訳として連れて、祖父と縁のあったオランダの富豪、ロデウィック氏の元を訪ねた。
引用:講談社BOOK倶楽部
美術品の収集家でもあるロデウィック氏は翌日、井口のアトリエで彼の絵を見て、「そっくりな作品をアメリカで見た」と気が付いた。
未発表の絵を、誰がどうして剽窃したのか?
盗作犯を探すうちに、井口の周りで戯曲『サロメ』に擬えたと思われる連続殺人が発生してーー
大正時代が舞台のミステリー
今回紹介している作品【サロメの断頭台】は冒頭で書いてる通り大正時代が舞台のミステリーです!
バンディーが大好きな作品、三津田信三【首無の如き祟るもの】(本格ミステリー好きは是非とも読んでみて下さい!!)は昭和初期が舞台なので昭和時代はよく読む機会がありますが大正時代はあまり読む機会が少ない時代のミステリーなので読んでてワクワクしますね〜!
前作【絞首商會】で大正時代ミステリーの雰囲気は経験済ですがやはり現代が舞台のミステリーとは違います、明確な理由は分かりませんが(笑)
夕木春央と言えば【方舟】と【十戒】の問題作!?は初めて読んだ時は衝撃が走りました!今作は【方舟】と【十戒】とは違った驚きがあるので是非味わっていただきたいですね〜!!
絵の盗作から始まる物語
今作【サロメの断頭台】は物語主人公井口は画家で海外から訪れたオランダの富豪から井口の作品が海外で見たことがあると言われ、不可解な出来事が判明します。
井口自身の作品はオリジナルだと信じているので誰かが盗作した疑惑が浮かんできますがそこから物語は動き出します。行動を共にするのは元泥棒の蓮野なのですが探偵役でもありかなり魅力的なキャラクターです!
そして事件に関わってくるのがタイトルにも出ている【サロメの断頭台】戯曲の『サロメ』になぞられた見立て連続殺人事件が発生します・・・。
盗作犯は誰か?殺人犯は誰か?
【サロメの断頭台】は盗作犯を井口と蓮野が捜し出しますが、見立て連続殺人事件の犯人も気にかけないといけないんですね〜!
盗作犯と殺人犯は一緒なのか!贋作事件も起こってより物語は混沌としてきます(笑)
井口が所属する画家の会も関わってきて誰が事件に関わってるのか予想しながら読むのもミステリー小説の醍醐味です。
しかもいくつもの出来事が作中でおこり簡単には理解しにくい作品になってるので心してかかってください!
盗作犯を捜しながら連続殺人見立て殺人犯も捜し出しますがなかなかうまくいきません。
バンディーは全く犯人が分からなかったのですが、何故『サロメ』を見立てて殺人事件が起こったのか!?見立て殺人の『理由』が分かった時は感心しましたね~!!犯人が分かった時も驚きですがバンディーはそれ以上に印象に残る部分がありました。
終盤の雰囲気は今までにない感覚だった!!
今作【サロメの断頭台】は少々読みにくい作品ですが、
読み終わったらきっとかなり印象に残る作品だと思います!!
そんなポテンシャルを秘めており今まで読んだ事ない感覚に陥ります!
【方舟】や【十戒】とは違ったベクトルの衝撃度ですがバンディー的には今作の方が好みですね~!!
【方舟】や【十戒】と共通して根本には『毒々しさ』があることが似ています!!
毒があるだけではただの小説と変わりませんが、嫌な風に効いて来るので読んでて辛い!
終盤に数々の謎や疑問もキレイに解決するのオススメポイントです!バンディーのお気に入りは犯人が判明してからが今作【サロメの断頭台】が一番面白くなってくるところだと思っています!!
大抵の作品は犯人が解決したら山場を越えるはずが、今作は犯人を解決して終わり!で終わる事を許してくれません(笑)
終盤の雰囲気は読んでいてかなり不快な気持ちが高まるのですが、真相が気になるし分かりそうで分からないのでかなり嫌で何となく何が起こっているか予感できるがそれは『最悪の結末』なんですね~!本当にそうなるのか?それとも読者が勝手に勘違いしているだけなのか?こればかりは是非ともご自身で確かめて貰いたいですね~!!
【サロメの断頭台】
バンディー的オススメ度!!
★★★★★★★★★☆