ハイ!ど~も、バンディーです!!
今回紹介する小説は深木章子の連作短編小説【罠】を紹介していきます!!
連作短編小説はバンディーが好きな分野なんで楽しみですね!
設定と作者のサービス精神に惹かれた作品!!
概要
- 作品:【罠】
- 著者:深木章子
- 発売日:2019年9月30日(単行本)
- 単行本時はタイトル【極上の罠をあなたに】
- :2021年1月21日(文庫本)
- 発行所:角川
あらすじ
「便利屋と呼んでください」その男の特徴はとくには…ない。ロボットのような得体のしれない新キャラクター・便利屋。まるで死神のようであり、悪役なのか助っ人なのか得体が知れない。
議員の息子が誘拐され、身代金要求が犯人から来た。金を工面しようと事務所の金庫へ向かった秘書が暴漢に襲われ、現金を奪われる。ところが、その金はなんと、偽札だったと警察に知らされる。八方ふさがりになり、便利屋に依頼をする……。一方、捜査一課の刑事の巨漢の男・都築は、街に発生する事件を追ううちに、一人の人間に行きつく――便利屋だ。背徳の街・槻津市では、今日も政治家や葬儀屋、学校、旅行会社と次々と悪事を働いている。暴力で相手を屈服させるのではなく、悪事を捻り出す知力(悪知恵)で騙し合っている。
『極上の罠をあなたに』(単行本)に、書下ろし4編を加えた文庫版新装版では、都築は探偵事務所の所長に。ついに便利屋の正体が明かされる!
引用:角川
初!深木章子作品!?
【罠】を読むにあたって深木作品は初めてかな?っと思いましたがよく思い返したら以前に【鬼畜の家】を読んだ覚えがあるような?無いような?(笑)曖昧な記憶ですが作家深木章子の名前は目にする事があったので気になる作家さん一人ではありました。
最近ではこのミスで2021年度版で7位にランクインした【欺瞞の殺意】などもありチェックはしていました!
だんだんとミステリーランキングも上位に上がってきておりランクインの作家の常連になりつつありますね!そんな深木章子作品多分初めて読む作品【罠】は果たしてどのような作品なのか!?
設定がいい
全編に『便利屋』と言う得体のしれない謎の人物が関わってきており、その人物は敵なのか?味方なのかも分からず目的も真意も分からないまま物語が進んで行くので先が分からず真相が気になって仕方がありませんでしたね!
『便利屋』っていう存在が藤子不二雄Ⓐの名作【笑ゥせぇるすまん】の喪黒福造的な人物像を勝手に想像し(笑)不条理でな物語で各章を追っていくごとに『便利屋』の正体や真相を解明していく小説だと思ってました!
実際読んでみて『便利屋』の正体は終盤にならないと分からないのですがそれより各章に出てくる登場人物がほとんど悪人しか登場せずまるで北野武作品映画【アウトレイジ】のようでしたね(笑)!!
各章にオチもありどんでん返しもありますので楽しめます!勿論連作短編小説なので『便利屋』っていう最大の謎もあるので最後まで楽しめるはずです!
もう一人の主人公っといっても過言では無い刑事・都築の存在も良いスパイスになっています!!
作者のサービス精神!!
実は今作【罠】は文庫本になる前は単行本では【極上の罪をあなたに】という作品で短編集でした!今回文庫化になるにあたり作者が全5話新たに加え、タイトルも変えて連作短編小説になり全く別の作品になったと言っても言いぐらい加筆修正してくれています!!
【極上の罪をあなたに】の時は全く気にならなかったのですが、文庫化の【罠】のあらすじを見た時には『面白そうやな~!読んでみよう!!』ってなりましたから加筆修正の大切さないを勉強し今作【罠】はそんな加筆修正の成功例ではないでしょうか?
作者の深木章子のサービス精神に感謝です!!
残念な点
ただ残念な点もあり、文章が読みづらく人物を捉えるのがなかなか難しかったですね!バンディーはそんなに小説読むの遅い方ではないですが、今作【罠】はいつもなら2~3日で読めるのですが1週間ぐらいかかってしまいました!
読みづらいのですぐに読み始める気が起きず少しづつ読んでいくしかできませんでした・・・・
なのである程度は読みやすさっていうのは大事なんだと思いました、そのせいでテンポが悪くなり面白さも少し減ってしまいました。
その点が無ければもっと化けたと思いましたね~(偉そうにすいません!!)
この『便利屋』の不気味な存在の感じが共通する連作短編小説は以前紹介した京極夏彦の【死ねばいいのに】と同じ匂いがするのでそちらも是非読んでみては如何でしょうか!
最後に残念な点も書きましたが、深木章子の作品2022年度版のこのミス何位にランクインしているか楽しみですね!!
【罠】
バンディー的オススメ度
★★★★☆☆☆☆☆☆