ハイ!ど~も、バンディーです!!
今回紹介する作品は深緑野分の歴史ミステリー【ベルリンは晴れているか】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!
最近は第二次世界大戦前後が舞台の作品を読むことが重なり、つい最近も日本推理作家協会賞と本格ミステリー大賞をW受賞した芦辺拓の【大鞠家殺人事件】を読んだので、時代背景がどのように描かれているのかが気になるところです!!
良質の歴史ミステリー!?
概要
- 作品名:【ベルリンは晴れているか】
- 作者:深緑野分
- 発売日:2018年9月25日(単行本)
- :2022年3月10日(文庫本)
- 発行所:筑摩書房
あらすじ
1945年7月、ナチス・ドイツの敗戦で米ソ英仏の4カ国統治下におかれたベルリン。ドイツ人少女アウグステの恩人にあたる男が米国製の歯磨き粉に含まれた毒による不審死を遂げる。米国の兵員食堂で働くアウグステは疑いの目を向けられつつ、なぜか陽気な泥棒を道連れに彼の甥に訃報を伝えに旅出つ―。
引用:筑摩書房
戦前戦後作品
今作【ベルリンは晴れているか】は第二次世界大戦後の話となっており、今作以外でも最近戦前戦後作品を読む機会が増えました。
バンディーが読んだ作品では逢坂冬馬の話題作【同士少女よ、敵を撃て】は様々な賞を受賞しているのも納得の面白さで、ソ連側の視点で描かれており、今回紹介する【ベルリンは晴れているか】はドイツ側の視点なので両方読み比べたら更に面白くなると思うので是非両作読んで頂きたいです!!
他には日本が舞台の作品では冒頭でも書きましたが、芦辺拓【大鞠家殺人事件】や降田天【すみれ屋敷の罪人】、辻真先【たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説】等があります、海外が舞台の作品読むのが苦手な方はこちらの日本が舞台の作品を読んでみてはいかがでしょうか!?どれもオススメ作品なのでハズレは無いはず!?
少女アウグステの物語
今作【ベルリンは晴れているか】の主人公はドイツ人の少女アウグステなのですが、恩人の不審死によって騒動に巻き込まれていくます!恩人の甥を探す旅が始まるのですが、そこにユダヤ人役の陽気な俳優カフカと一緒に同行して行きます。
道中様々な出来事に襲われながら恩人の甥を探していきます、その間にもカフカや他にも多くの登場しますが読んでいて思ったのはキャラクターの作りが上手だな~って感じました!やっぱりキャラクターが活きていると読んでいる方も楽しくなりますね!!
主人公アウグステの事も最初はドイツ人だがアメリカ軍の食堂で働いて居る少女だと思っていましたが、読んで行くと過去に何かあり問題を抱えているのが分かってきます、その部分が物語にも大きく関わっているのが判明します。今作【ベルリンは晴れているか】は甥っ子を探す冒険物語ではなくやっぱり『戦争』が大きく関わってきています。
色々考えさせる作品
戦争後が舞台の作品であの有名なアドルフ・ヒットラーがドイツ率いていた事が描かれている通り、実際の出来事を織り交ぜながら書かれているので作品に厚み・深みが出ています、ただの冒険小説ではなく歴史ミステリーだった事を思い出します。
バンディーは世界史をきちんと勉強していなかったので読んでいる時にもっと勉強しておけば良かったと反省しています(笑)。けれども本当に今作【ベルリンは晴れているか】を読む前にある程度歴史や時代背景を観返しておけばさらに今作を楽しめると思いました!!
『戦争』が起った事で様々な問題が浮かび上がり、ユダヤ人虐殺や敗戦国の人々への扱い等読んでいてしんどくなる描写もありますがこれが本当の『リアル』なのであり、そうゆう部分があるからこそ今作は読者に訴えかけてくるものがあり様々な賞を獲得したのだと思います!やはり先ほど紹介した逢坂冬馬【同志少女よ、敵を撃て】も同じことを感じましたし、同じ様に評価は高かったです!
過去と現在を行き来する構成
今回紹介した【ベルリンは晴れているか】は主人公アウグステが恩人の甥っ子を探す現在とアウグステが産まれ現在に繋がるまでの過去の話が交互に描かれていきます。
こういった風に現在と過去の話が別々に進んで行く構成はバンディー結構好きなんですよね~!!それぞれに中心となる出来事もあるのですが、現在と過去が交差する時今までは見えて来なかった全容が判明した時はどんでん返しよりも爽快な時がありますね!
今作【ベルリンは晴れているか】も同じ様に驚きが待ち受けるのですが、よくあるミステリー小説の驚きだけではなくやはり歴史ミステリーなので読み手に取ってはスッキリするような気持が訪れる訳では無いですが色々と考えさせられるラストだったとだけ言っておきます!!深緑野分の前作【戦場のコックたち】も戦時中のお話でミステリー作品なのでおススメです!!
【ベルリンは晴れているか】
バンディー的オススメ度
★★★★★★★☆☆☆