ハイ!ど~も、バンディーです!!
今回紹介する作品は皆川博子の18世紀ロンドンが舞台の本格ミステリー【開かせていただき光栄です】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!
今作【開かせていただき光栄です】の作者、皆川博子の他の作品【死の泉】や【海賊女王】等も気になっていたのですが読まずじまいでしたが、今回ついに初皆川作品を読むのでワクワクしております!!
高評価を得た幻想的な本格ミステリー!!
概要
- 作品名:【開かせていただき光栄です ―DILATED TO MEET YOU― 】以後【開かせていただき光栄です】
- 作者:皆川博子
- 発売日:2011年7月15日(単行本)
- :2013年9月5日(文庫本)
- 発行所: 早川書房
あらすじ
18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室から、あるはずのない屍体が発見された。四肢を切断された少年と顔を潰された男性。増える屍体に戸惑うダニエルと弟子たちに、治安判事は捜査協力を要請する。だが背後には、詩人志望の少年の辿った稀覯本をめぐる恐るべき運命が……解剖学が先端科学であると同時に偏見にも晒された時代。そんな時代の落とし子たちがときに可笑しくときに哀しい不可能犯罪に挑む。
引用:早川書房
レジェンド作家皆川博子!
今回紹介している【開かせていただき光栄です】の作者皆川博子は2022年現在御年92歳で、同じく以前紹介した【たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説】の作者辻真先も90歳と二人揃ってレジェンド作家で未だに精力的に作品を発表するだけでも凄いのにミステリーランキングにも食い込んでくるので本当に素晴らしい作家だと思います!!
若い作家が革新的な作品を世に送り出してくれるのも嬉しいですが、大ベテランの今まで培ってきた技術を駆使して圧倒的な差を見せてくれるのも嬉しいですね~!
バンディーはベテラン作家の意地を見せてくれる作品の方がアツくなります(笑)今でも第一線で活躍しているベテラン作家は驕ること無く常に新しい物を取り入れたり、もっと面白くなるよう今でも努力されている方達だと感じますし、そんな作家にはリスペクトしかありません!
舞台は18世紀だが謎は古臭くない!?
今作【開かせていただき光栄です】は先ほど書いた通り18世紀のロンドンが舞台ですが、設定は古い時代ですがミステリー作品として全く古くは無いのでご安心を!
謎も魅力的であるはずの無い死体が出てきたり、四肢を切断された遺体や顔が潰された死体が登場し不謹慎な意味では無くミステリー好きにはたまらない設定となっております!!
勿論今作が18世紀のロンドンが舞台なのも作品的には意味があるんですね~、医学ミステリー的な要素がある本作は解剖教室の先生とその弟子達が活躍するお話ですが、この時代には解剖に対する認識やはたまたこの時代の差別や時代背景も深く関わっているのでこの時代のロンドンを知る事も出来ました。
現在と過去を行き来する構成
今作【開かせていただき光栄です】はダニエルの弟子エドがメインの主人公で時系列は現在になっており、過去の話は詩人のネイサンが主人公になっており、関係ないのに収容所に入ったりと過酷な日々が描かれここでもこの時代背景が色濃く反映されてるんですね~!
時系列が行ったり来たりする作品はよくあり割りとメジャーな手法で『何かある』って勘繰ってしまうですね~、大抵は何かしらの驚きが待ち受けていますが勿論今作も例外ではありません!
現在エド達が直面している事件とネイサン直面している事件は各章でそれぞれ話が進んでいき、いずれ過去と現在が交差する時が1番の盛り上りを見せるはず!?
海外小説苦手な方もまだ読みやすい!?
今作【開かせていただき光栄です】は海外が舞台の小説ですが作者は日本人です。以前紹介したアンソニー・ホロヴィッツの作品【カササギ殺人事件】や【メインテーマは殺人】、【その裁きは死】は最近の海外ミステリーを独走している作品達ですが、確かに面白いのですが、海外作品なので地理や描写がいまいちピンとこないので頭の中でイメージしにくいので中々読むのが大変なんですよね~!
案外バンディーと同じような感じで海外の小説避けている人多いのでは無いでしょうか?ただ、今作【開かせていただき光栄です】は作者が日本人なので変な翻訳もなくまだスムーズに読めますので海外ミステリーに挑戦したい方は日本人作家が書いた海外が舞台のミステリーを読めば言いと思います!
バンディーも昔は海外ミステリーが苦手でしたがまず日本の作家が描いた海外が舞台のミステリーを読んで慣れる事が出来ました!まだ完璧に慣れてはいませんが(笑)。最近バンディーが読んだ日本人作家が描かく海外ミステリーは、逢坂冬馬【同士少女よ、敵を撃て】や深緑野分【ベルリンは晴れているか】の2作品はミステリーランキングにも入賞しているので、面白い読みやすいのでオススメです!!
魅力的な登場人物
今作【開かせていただき光栄です】に登場する人物達は全員魅力的で読んできて飽きなかったです!これは重要なポイントでやっぱりキャラクターに魅力が無かったら作品の面白さも半減してしまいますよね~!?
今作はエドを含む解剖教室の弟子たちも一人一人キャラが立っていてやり取りも面白かったですが、エドとナイジェルの二人がメインだったので他の弟子たちにももっとスポットライトを当ててほしかったです。他には盲目の判事やその判事の目となり行動を共にするアン等々読んでいて気になる登場人物が多かったです!!
最後に
初めての皆川作品でしたが読み終わってみたら評判通りの面白い作品で満足でした!!現代が舞台では泣く18世紀のロンドンが舞台だからこそその設定が活きる作品でしたし、時代背景やまだ進歩していない医学など上手く活かしてるのも見事でした!
今作【開かせていただき光栄です】以外にも【アルモニカ・ディアボリカ】や【インタビュー・ウィズ・プリズナー】とシリーズが続いているので是非とも続編を読んで読破したいと思います!!今作【開かせていただき光栄です】は皆川博子にしか表現できない唯一無二の作品でした!!
【開かせていただき光栄です】
バンディー的オススメ度
★★★★★★★★☆☆